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最も美しいクラシック12選~8月ラフマニノフ編

はろーぐりゅすごっと!
Pianist Daiです。

最近の好きな食べ物は・・・!!

っていうほどこの一週間食べてなかった。
スープカレーを久しぶりに食べたかな!
やっぱ札幌といえばスープカレー。
スープカレーのお陰で好きなお野菜増えた!
特に大っ嫌いなブロッコリーが大好きになった・・・。
素揚げってすごいね、あんなにも美味しくなるとは・・・。

ってことで今回は

『最も美しいクラシック12選』8月ラフマニノフ編をお届けします!

『最も美しいクラシック12選』とは何ぞ?
って方は是非コチラの投稿を見てください。

1.ラフマニノフのプレリュードとの出会い

今回のプロジェクトを何故やろうかと思ったかについては前回お話させて頂きました。
記念すべき第1回はラフマニノフのプレリュードop.23-4をお届けしました。

最初の曲ってすごく迷いました。
そもそも今でさえこの企画の全曲はまだ決まり切っていないのです。
現在は12曲中9曲が決定して、残りの3曲を日々厳選し続けています。
が、ラストの曲については少しかたまってきたような・・・?
とはいえラストについては最後の最後までお茶を濁させて頂きますが(笑)

ラフマニノフのプレリュードop.23-4。
とても感慨深いです。
これはフランスにいる時に始めた一曲で、最初は何がいいのか全く分からなかった曲でした。
右手と左手が多くの時間交差し続けている変な曲、第一印象はそんな印象でした。

この曲を譜読みしたのは秋の終わり頃だったと記憶しています。
譜読み自体に難しさは左程ないのですが、その手が交差しているが故にアンバランスな状態で、主旋律に強烈なドラマチックさがあるわけでもなく、ただ、左手の和声とのバランスと弾き手の歌い方によって無限の美しさがある曲なので弾きこみが他のプレリュードより重要な曲です。
少し専門的な話になりますが、バッハのフーガのように、曲のいたるところにテーマが変化して散りばめられているので、海の中から水の粒を拾うような繊細さがとても求められます。

そしてこの曲は多くの先生方に師事して頂いた曲でもあります。
ぼくの敬愛して止まないJacque.Lagardを始め、Marie.Antoinette.Pictet、Paul Badura-Skoda、Jean-Marc Luisada etc...

先生が10人いれば10通りの教え方がある、ぼくも人を教える立場なので、ぼくにもぼくの教え方がありますが、色んな先生方から色んな方向から教えを受けられたのは、自分の方向性を決める上ではとても大きな財産になりました。
特に人生最後の師、Jacque.Lagardのことを考えない日は1日もありません。

曲について語ることは思い入れよりも技術面なことが圧倒的に多くなるのでここでは語りませんが、曲の流れとしては

◆ゆったりとしたうねりが始まる。
◆中盤になるとうねりが大きくなっては小さくを繰り返しその幅がどんどん大きくなり、頂点に達する。
◆余韻は止むことなく激しさを受け継ぎながら次第に落ち着きを取り戻し、最後は光の中に吸い込まれるかのように静かに幕を閉じる。

およそこんな感じだと思います。
あ、ここがその頂点の部分かな、とか落ち着いてきた場所はここかな、とかそういうのを感じながら聴いて頂けるとまたストーリー性があっていいと思いますが、

中々にエロい曲です。

大人の人は聴いて自分で感じて下さい。
クラシックは基本的に官能的な曲が多いと思います。
官能さに旋律や和声という服を着させてそれを見え隠れさせていますが、その本質にたどり着くには曲への造詣を深めていくことで、どんどん味わい深くなっていきます。少しワインに似ている気がします。
現代だと、洋楽や邦楽の恋愛ソングのように「好き」というワードを使わずに如何にその感情を歌と歌詞で伝えるかが難しいと思うんですが、そういうところと少し似ている気がします。

2.奏法に関して

これは本来ここで書くことではないのですが、専門的にピアノをやられてて弾き方に悩んでる方がいたら読んでください。
簡潔に少しだけ書きます。

まずどの曲においてもそうですが、100人いたら99人が早期段階で両手で弾こうとします。
熟練者においてもそれはあまり好ましいことではなく、この曲を演奏しようとするということはある程度の技量が既にあるとは思いますが、まずはメロディーラインをしっかり形成させる為に、メロディ部分だけを抜粋して弾くといいと思います。

中盤までは手の交差がよく出てきますので、上からとるか下からとるかを早期段階で決めて楽譜に書き込むと、考えることが少し減るのでいいと思います。
頭で考える情報量と目で見える情報量は脳の処理スピードが全然違うので、気をつけなきゃいけないポイントとかは極力楽譜に書き込んでいくと、効率的な練習ができると思います。

文字で伝えれることは限られているので、もし23-4を練習されてて指番号や演奏において悩んでいることがあればコメントまでどうぞ。

3.ラフマニノフop.23-4との思い出

この曲はフランスに住んでた時に始めた曲なのですが
ぼくの住んでいたところは、パリ郊外のすごく治安が悪いところで、圧倒的スラム街だったんですが、秋の終わりや冬の寒い時期になると、アパートの住人達が一斉に暖房つけるからか頻繁に停電になることがあったんですが、この曲を練習してる時もよく停電になり、ピアノの近くにテーブル置いて、そこにローソクを灯してその灯りで楽譜見ながら練習した記憶があります。
暗譜するまでは楽譜を見っぱなしなので、停電は非常に困るのですが、弾き込む段階の練習になると、停電でのローソクの灯りが逆に、雰囲気が曲への導入につながる感じがして結構好きでした。
そういう雰囲気も大事かなぁと思ってたまに暗闇の中で弾いてみたりっていうのは学生時代はよくありました。

っということで、今一度よかったらお聴きください。


4.まとめ

この曲に限ったことじゃありませんが、音楽はやはり芸術なので色気がとっても大切です。
なので美しいものを見たり、美しいものに触れたり、美味しいものを食べたり、とっても不自由な思いをしたり、理不尽さに苦悩したり、色んな体験や経験が大事かなと思います。
真面目にピアノに長時間向かうだけじゃ、正確さは身につくかもしれないけど、いい音には繋がりません。
今はコロナ渦で中々体験がしにくいですが、ここでの不自由さも、いい音には繋がってくると思うので、勉強中の方々も頑張って下さい。

っということで次回またお会いしましょう~。
ちゅーすばっばー!
Pianist Dai🐬

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