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教会旋法って? 今、役に立ってるの?

教会旋法は今につながっている


教会旋法と聞くとどんなイメージがありますか? 楽典で丸暗記したけど実は遠い存在のもの、という方が多いかと思います。

なぜ、音楽を専門とする人が旋法を知る必要があるのか?

実は教会旋法は今の音楽にも生きています。みんなが知っているゲームの音楽にも旋法が使われているものもあります。そして、近代の作曲家で旋法を利用して作品作りをしている人はたくさんいます。

長調と短調、すなわち調性のみが音楽ではないのです。調性から離れようとした時に無調という選択肢を取った作曲家もいますが、昔の旋法を利用しようとした作曲家もいるということです。

教会と音楽

日本はキリスト教国ではないこともあり、教会と聞くだけでアレルギーを起こす人もいるかもしれません。しかし、今、世の中に主流として流れている音楽はクラシックもポップスも「西洋音楽(敢えてこういう書き方をします)」を基盤としたものです。もちろん他の地域の音楽の影響も多大に受けていますが、基礎となるのは西洋音楽です。

コードネームだって元をたどれば西洋音楽に行きつきます。

西洋音楽を遡っていけば教会とは切っても切り離せません。なぜならモーツァルト以前の作曲家の大半は教会や王室(こちらも教会と完全に切り離されてはいない)に雇われて音楽を演奏していましたし、かのヨハン=セバスティアン バッハは山のような教会音楽を残しています。

ご自身の信仰に関わらず、教会の文化を知識として知っておくことは大切になります。教会音楽を演奏しなくても、教会の音楽からの影響が否定できない作品を演奏していることになるので。

グレゴリオ聖歌と今

そしてグレゴリオ聖歌ですが、これらはのちの西洋音楽に幅広く影響を及ぼしています。

バロック期の音楽によく使われている対位法は、元を辿ればグレゴリオ聖歌を綺麗に響かせたいということから生まれました。対位法はグレゴリオ聖歌を利用して作られたとも言えます。中世、ルネサンス期の作品には、グレゴリオ聖歌を定旋律(対位法の基盤となる旋律)にして作られたものがあります。

そして、グレゴリオ聖歌は古の音楽という印象がありますが、Dies irae(怒りの日) は多くの作曲家が自分の作品の中に引用しています。これは作曲家自身の信仰とは直接関係のないものです。

つまり、シンボルとしてそのメロディーが意味するところを利用するために使っています。意味するところを利用する、つまり「音楽の言語的な意味」を示すためといえます。

教会旋法について話す特別講座

10月17日、日本時間21時15分から22時45分、久美子ユンカーマン先生が主宰する楽曲分析表現サロンで「今につながる教会旋法とグレゴリオ聖歌」というテーマでお話します。

・教会旋法の基本
・実際のグレゴリオ聖歌を聴いてみよう
・グレゴリオ聖歌が使われている楽曲
・教会旋法の今

といった内容になります。
グレゴリオ聖歌ですが、教会旋法との繋がりの他にキリスト教文化の解説もいたします。また、グレゴリオ聖歌が使われている楽曲もご紹介します。ロマン派クラシック楽曲だけではありません。意外な曲もありますよ!
グレゴリオ聖歌と対位法とのつながりのあるルネサンス期の楽曲についても簡単に解説いたします。

このサロンは継続が原則ですが、1ヶ月のみの参加も可能とのこと。そして初回参加の方は、優待価格でご参加いただけるそうです。
私の教会旋法の話を聞きたいという方、こちらをご覧になって直接お申し込みください。

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