「モンキー・パッション」より『砂漠の洗礼』
太陽神はマリーの味方ではなかった。トルコ森林地帯を抜け、アラビア砂漠に入った一行を待っていたのは灼熱の世界である。身重のマリーの籠をかくのはイスマイルとポルコ。父親であるモンキーは周囲を警戒すると主張し一人身軽に歩いている。
「辺り一面砂砂砂。こんなんで警戒する必要なんかあるんですかねぇ」
ポルコが不満を吐く一方、イスマイルは疲れを顔に出さず足を進める。
「ベツレヘムも近い。全マ連のクソ共はいつ来るともしれんぞ」
事実近くにも全マリヤ連の軍事拠点があった。しかし今まさ