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私の逆噴射小説大賞参加作品

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私の逆噴射小説大賞参加作のリストです。
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#パルプ小説

刑務列車「刑部号」

 2026年。五輪の失敗・政権交代・強まる他者排斥傾向・犯罪増加…混迷を極め狂った日本はとんでもない決断に出た。  【刑務列車計画】と題された狂気の政策は国会を通り実現した。即ち刑務所を解体して善良な市民に土地を提供、犯罪者は列車に詰め込まれ遠ざけられる。  結果として、この計画は成功した。マジか。そればかりか列車特需で日本経済は上向いた。馬鹿な。  『大和吉野~大和吉野~。積み込みの為2時間ほど停車します。え~作業員は引き続き募集中です。移送者・新入所者約50名います

ゲッコーの夜

 地球最後の遊技場、大阪第7ビルが放つ光は月光が霞むほどだ。賭博中毒労働者、アウトロ、権力者らが階層ごとに分かれ謎めいたカネの流れを生み出す腐った塔。ネオンと喧騒は嫌いではないが、糞は糞だ。滅びてしまった方がいい。 「ヘケートもそう思わない?」 『ファック、さっさと飛んで!』  糞でもどうせここでしか生きれない。私は少し息を吸い、そのまま海上666mのビル屋上からダイブした。 『84F、標的は窓際、計画どーり!』 BANG!  高速落下からの銃撃、警護が間に合うは

正義戦隊 プロファイターズ

KABOOM! 「やばい!SEブラック何とかしてくれ!」 巨大化クモ兵士の攻撃を受けるプロファイターロボ。胸部レッドレオ内でドクターレッドが叫ぶ。 「今やってる!」 腕部ブラックゴリラ内、ブラックがプログラムを書く。 「時間を稼ぐ」 翼部ブルーイーグルから弾幕! 「ギャバー!効かぬわァ!」 糸が脚部イエロータートルを縛る。最早ここまで! 「出来たがしかし!」 「なんだ早くしろ!」 強化パッチ導入!しかしニンジャブルーが気付く! 「これは…奴無しでは!」

逆噴射小説大賞おりかえし!!

無事前半12日間毎日更新を達成しました。スキやtwitterでの呟きありがとうございます。励みです、嬉しい!! この記事では前半12作品を振り返ります。ゴリラ以外も読んでね!(お願い) 1日目 マリヤの処女母胎は真実だった。単為生殖する人間、ミュータントマリヤ!! 2000年の間に増殖したマリヤ!第二のキリスト降誕を願うカルト教団、全マリヤ連! マリヤの一人マリーとファックし子供を為してしまったモンキーは全マ連に狙われる! 目指すは非聖書の地、天竺! 2日目

十五力士漂流記

 辺流濡(ヴェルヌ)部屋の力士が無人島に漂流した。どうしてこうなった、鰤餡(ブリアン)関は数日前を振り返る。  屋形船で行われた呉尾丼(ゴードン)関の大関就任パーティ。何故か沈没。正しく定員15名の力士が集まったはず。  しかし過去を振り返る余裕はない。力士の消費カロリーは常人のそれを大きく上回る。食糧も既に尽き、険悪な雰囲気が流れていた。  直線距離数キロの探索に出たゴードン関ら3名は帰らない。既にカロリーが尽きたか?あるいは… 「もう一度探索隊を出すべきだ

東一局666本場

 東家 国士無双山 は強かった。土俵にて横綱は最強。それは雀卓においても。しかし666連勝は正気ではない。冷静ぶる西家 武装親衛隊中佐ハイドリヒも内心穏やかではあるまい。彼のハコ割れは党の歴史上からの排除を意味する。 一方北家、小説家を名乗る男に動揺はなかった。しかし彼の意味不明な手が卓を乱している。初期持ち点を見るに彼の賭けた自身の作品とやらが大作であったことは間違いないが、ただの阿呆だったか? 「立直」 横綱が立直。このまま又も勝ちを重ねるか?流石におかしい。しかし

チンタオ!カンフーダイナソー!

「フンハー!」 最後のラプトル竜騎兵が寸勁で吹き飛ぶ。アーロンの功夫は尽きかけていた。しかしまだアロ重騎兵が2騎!そして! 「クハハ!レジスタンスのカンフー使いなど恐竜騎兵にかかれば!」 青島第二区長のヘルマン少尉がトリケラ超重騎兵に乗りアーロンを見下す。その鞍には鉤十字! 化石再生技術を完成させたナチスは恐竜騎兵を用い世界征服に王手をかけていた。青島含む山東半島は化石発掘地かつ海上輸送の要でありナチスは重点支配を置いた。地元住民はカンフーマスターのアーロン中心にレジ

親殺しのマリオット

「それであんたは親を殺したのか」 「そうだ」  そこは地元民が集まる喧騒絶えない陽気なパブであったが、今日ばかりは黒コートの男の哀れな身の上話により静まっている。男はこの話を相当話慣れているらしく、客は皆すっかり聞き込んでいた。何しろいつも面子の変わらない田舎のパブだ、誰もが新しい話を求めている。 「それで…今はいったい何を?」 「殺し屋を」 「え?」 「殺し屋です」  客は暫し静まった。悲しみを絞り尽くして脱け殻になったような、そんな男から冗談が出るのかと

黄泉路のバガボンド

 慶応13年 東海道 元 尾張藩 名古屋。清州城の復活で往年の活気を失えど、まだ多くの町人が暮らす。第六天魔王の憲兵による厳しい監視が外の混沌から国を守っていた。 「聞いたか堺の話」「怪魚の話か」「商人連合め、いい気味だ」 「若いの!お前も交ざらんかい」 他から離れサーベルの手入れをするトビに声がかかる。 「どうだ憲兵暮らしは?ええ?」「アーまぁまぁですかね」 「そうか。おまえ生まれは武士か?」「アー武士というか農民というか」 「ま、そんなもんだろうな」「ハイ」 「

ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ

西暦20xx年、エイリアンの圧倒的な科学力に敗北した人類は滅びを受け入れた…かに見えた。 現在 地球 日本 「おっおい!あれ!」 都市の空中にノイズが走る。エイリアン侵攻の兆しである。居合わせた人々は恐慌状態に陥った。各人の端末がアラートを鳴らす。 『━エイリアン反応を検知。A反応を検知。該当地区の皆様は避難願います』 「愚カナ人類ヨ…運命ヲ受ケ入レヨ」 空間の裂け目から姿を現した立方体エイリアンは怯え惑う人類を見て百の目を愉悦に歪ます。しかしその内30の目が高速

「モンキー・パッション」より『砂漠の洗礼』

太陽神はマリーの味方ではなかった。トルコ森林地帯を抜け、アラビア砂漠に入った一行を待っていたのは灼熱の世界である。身重のマリーの籠をかくのはイスマイルとポルコ。父親であるモンキーは周囲を警戒すると主張し一人身軽に歩いている。 「辺り一面砂砂砂。こんなんで警戒する必要なんかあるんですかねぇ」 ポルコが不満を吐く一方、イスマイルは疲れを顔に出さず足を進める。 「ベツレヘムも近い。全マ連のクソ共はいつ来るともしれんぞ」 事実近くにも全マリヤ連の軍事拠点があった。しかし今まさ