見出し画像

手作り対数表で暇つぶし

 ヘッダーに掲げた数式は、

利息をr%、年数をnとしたとき、

2倍になることを意味している。


たとえば、2%の利息の場合、
(1+2/100)、すなわち、1.02を何回掛けたら2になるかということを表している。
電卓を何回も2になるまで叩いていけば答え(nの値)は見つかる。

対数を使えば
log 2 = n log 1.02
よって n = log 2 / log 1.02 を計算して、
n の値はおよそ35になることがわかる。
つまり100万を年2%の利率で預金すれば、35年後に200万になるということである。

今では、スマホの電卓で上記の計算などあっという間にできるが、簡略化したものとして、

「72の法則」

というものがある。

72の法則

厳密には「=」ではないが、だいたいこの式で、およその値を簡単に計算することができる。
さきほどと同じ場合、つまり利率が2%ならば、r=2を代入すれば、
n=72÷2=36と計算できる。
より正確な値の「35」とは若干ずれるが、まぁ、許容範囲だろう。
利率3%ならば、
n = 72 ÷ 3 = 24。
およそ24年で、元の2倍になる。

実用的なおはなしはここまで。

ここからは暇潰し

スマホひとつで正確な値を求めることができるが、暇なときには「アナログ」、要は手書きで計算をすると、そこそこ頭の体操になる。

たとえば log 2 の値は、常用対数表によれば、およそ「0.3010」である。
2の10乗が1024で、10の3乗が1000だから、ほぼ同じだと考えれば

だいたい同じ

両辺の対数をとれば
10 log 2 = 3 log 10
10 log 2 = 3 
log 2 = 3/10 = 0.3 

log 2 = 0.3 

ということで、

log 4 = 2 ×log 2 = 2×0.3 = 0.6

log 8 = 3×log 2 = 3 × 0.3 = 0.9

3の4乗は81だが、まぁ、だいたい80だとすれば、

だいたいがえぇ

両辺の対数をとれば
4 log 3 = log 80 = 3 log 2 + 1
4 log 3 = 3 × 0.3 + 1 = 1.9
よって、

log 3 = 1.9 ÷ 4 = 0.475 →0.48

log 6 = log 2 + log 3 = 0.78

log 9 = 2 log 3 = 2 × 0.48 = 0.96

log 5 = log (10/2) = log 10 - log 2

log 5 = 1 - 0.3 = 0.7

あとは log 7は
7の2乗が49だから、だいたい50だとすれば

だいたいやねぇ

両辺の対数をとると
2 log 7 = log 50 = log 100/2 = 2-log2
2 log 7 = 2-0.3 = 1.7
よって、

log 7 = 1.7 ÷ 2 = 0.85

今まで計算した値をまとめると
log 2 = 0.3
log 3 = 0.48
log 4 = 0.6
log 5 = 0.7 
log 6 = 0.78
log 7 = 0.85
log 8 = 0.9
log 9 = 0.96

大まかな常用対数表

これを円グラフにまとめるとこんな感じ。数直線は書きにくいので、円グラフっぽくしてみた。
星形は手書きできるから、直線を引くより楽かもしれない。
使い道があるかどうか

しらんけど。

グラフィックな常用対数表





この記事が参加している募集

学問への愛を語ろう

数学がすき

記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします