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1ダースの短歌 | 恋の終わり

好きだった
煙草の香り
漂って
一歩先さえ
白く霞んで


お揃いの
スニーカーまだ
箱の中
取り出してみて
紐を結んで


わざと荒れ
振り向く君を
待ちわびて
すさむ心の
荒野果てなく


始まりは
いつも終わりを
含むもの
崖に向かって
走るが如し


愛なんて
やがて壊れる
もろいもの
そっと育てて
そっと忘れて


涙枯れ
声もきれぎれ
泣き叫び
楽しき過去も
苦しみの過去


君なんて
好きじゃなかった
最初から
だったら返して
私の気持ち


うんこ踏み
アハハ臭いと
笑いあい
それも今では
涙に濡れて


終わりだね
切り出すあなた
ズルい人
それを望んで
仕向けたクセに


目を閉じた
君の曲線
触れたとき
終わり感じた
ベッドの上で


さようなら
いつも会うたび
恐れてた
目に焼き付けた
君の口元


思い出は
いつも最後に
会ったとき
君が伝えた
別れのことば


#推し短歌
#今日の短歌
#青ブラ文学部

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