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英検2級レベルの誤訳しやすい単語クイズ

 語彙力と言った場合、「知っている単語」の絶対数だけを意味するわけではない
 もちろん、数多くの単語を知っていることは大切だが、簡単な単語でも使いこなすには、ひとつの単語に含まれる複数の意味を知らなければならない。

 この記事では、高校までに習う英単語(英検2級相当)の中から、とくに「誤訳」しやすい単語を選んでみようと思う。
 全問正解は少し難しいかもしれません。答えは問題のあとに書きます


🙄問題🙄

(       )に適語を入れて、和訳を完成させてください。


問題①

He told me the truth in confidence
彼は(       ) で真相を話してくれた。


問題②

We didn't know if it was done by accident or by design

それが偶然なされたのか、(        )的になされたのかは、私たちにも分からなかった。


問題③

He is a fine clerk. 
彼は(      )係だ。


問題④

A man is not always well-informed because he has a large library.

多くの(        )を持っているからといって、必ずしも博識とは限らない。


問題⑤ 
次のことわざを5文字の日本語に置き換えてください。
☆漢字とひらがなを両方使います😄

Might is right


🍁答え🍁


①内緒、秘密

→「confidence」には、「自信」という意味と「内密」という意味がある。

with confidence = confidently 
「自信をもって」

in confidence = confidentially
「内緒で」


②意図(的) 

design」には、「デザイン、図案」のほかに「意図、たくらみ」という意味もある。

by accident 偶然に
by design 意図的に


③罰金

fine」は形容詞(立派な)のほかに、名詞・動詞として、「罰金(を課する)」という意味もある。

「a fine clerk」の「clerk」を強めに読めば「立派な事務員」、「fine」を強めに読めば「罰金係」の意味になる。

 これと似ているものに「ホワイト・ハウス」がある。

 「白い家」は「a white house」だが、この場合「white」は単なる「白い」を表す形容詞なので、アクセントは名詞の「house」にあり、「house」を強めに発音する。

 大統領の住む「ホワイト・ハウス」(the White House)の場合は、「White House」で「一語の名詞」のように感じられるので、アクセントは「White」にあり、「White」を強く読む。


④「蔵書」

「library」には、「図書館」という意味のほかに「蔵書」(所有している本)という意味もある。

 「蔵書が多い」という場合は、
「a large library」のように「large」を使う。
 同じ意味だけれど、「本が多い」なら、「many books」ように「many」を使う。


⑤「勝てば官軍」

Might is right. は直訳すれば、
力は正義」。
mightには、助動詞mayの過去形としての使い方のほかに、名詞で「力」という意味でも使われる。


まとめ


 英語と日本語との意味は、一対一の対応にはなっていない。日本語では同じ単語で表しても、英語ではそれぞれ別の単語になることがある。その逆のこともある。

 日本語にしろ、英語にしろ、たまたま同じ発音・綴りになったものは、現在見た目が同じでも語源が異なるので、別個に覚えたほうがよい。

 しかし、多くの場合、多義語であっても、同じ単語を使う以上なんらかの意味のつながりがある。
 辞書を読むときは、その単語の「コア」(中核)の意味はなにか?、と考えると良いと思う。


たとえば「as」。
日本語にすると、「~だから」「~につれて」「~として」「~と同じくらい」と、たくさんの意味があるように思えるが、基本的なコア(中核)の意味は(天秤のように)「釣り合っている」。

As I had no money with me, I couldn't buy it. 
(手持ちのお金がなかったので、それを買えなかった)

「ので」と訳したが、
「お金がない状況」=「買えない」
というイメージ。

 二つの状況を左右の天秤に置いて、釣り合っているようなニュアンス。

He worked hard as a student.
(彼は学生として懸命に勉強した)

「as」を「として」と訳したが、
「勉強すること」=「学生」
というイメージ。

 学生ならこれくらい勉強するよね、と天秤が釣り合うくらいの勉強をしたというニュアンス。

 日本語にすると、「なので」「として」となるが、イメージはいずれも左右の天秤が釣り合っているという意味で同じ。


(参考文献)


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