BLACKBOX

この本は反安倍政権本でもなければサヨク界隈の道標となるような本でもない。そもそも、著者の伊藤詩織氏もはじめにで記しているように山口敬之氏からのレイプを記者クラブで告白した際ネトウヨからは「在日」「美人局」といわれた、パヨクからは会見後自身に関しての報道が減っていくに連れて「詩織さんは政権に潰された」と言われた。両方とても嫌だったと記している。

そして、本書を読むとわかるのだがこの本は「レイプ被害にあった女性が日本国内の警察や病院での性犯罪被害者への対応が不適切であることを指摘している本」である。全くイデオロギッシュな内容の本ではない。ネトウヨは伊藤詩織さんの事を美人局だと非難しパヨクは安倍政権を潰すための神輿として彼女を利用しようとしたが当人はそれを非常に嫌がっていたのだ。

この手の当事者なき議論は日本のネット上で多く見られる。例えば杉田水脈議員による新潮45への寄稿文問題も同じだ。私は杉田氏が叩かれた理由は彼女が当事者性(LGBT)ではないにもかかわらずLGBT問題を利用して自身の持つ反朝日思想を世間に伝えようとしたからだと思う。その証拠に杉田氏と同じようなスタンスをLGBT問題に対して持っているジャックK氏(ゲイ=当事者性の人間)が週刊新潮に「LGBTビジネスの不都合な真実」という文章を寄稿した際はサヨク界隈の人間は誰も問題視しなかった。この行動は新潮45の発行部数と週刊新潮の発行部数の違いを考慮すると意図的というほかない。又、週刊新潮にジャックK氏の文章が載ったのと同じ時期に朝日新聞社のwithnewsで原田朱美記者がLGBTを気持ち悪いと思うのは悪いことなのか?という文章を掲載した。withnewshttps://withnews.jp/article/f0180406003qq000000000000000W03j10101qq000017134A

この文章は案の定炎上し、サヨク界隈からは「仲間だと思っていた朝日新聞記者」に裏切られたという怨念にも近い(そもそも他人に期待するなバカと言う話だが)書き込みがtwitter上では相次いだ。

要は現在のパヨクは自分たちが叩いていいと判断した相手を叩いているにすぎず、自分たちの主義主張が主張できるならば何でも利用するというただのおバカ仲良し軍団と化しているのである。

そして私が何より問題だと思うのはパヨクとネトウヨが自身の主張を通すためにLGBTを政争の具としている所だ。本当に汚い。それによって本当に助けを必要としているLGBT当事者が救われない状況になるのではないかと私は危惧している。常見陽平のような安い論者の意見に惑わされたり若い以外に取り柄がないバカな毎日新聞の記者や安い正義感の塊の様な朝日新聞記者の意見に感化され問題の本質を見誤る人間が出ないことを祈るばかりだ。

ちなみに私のウェブ界隈の状況に対しての見解と近いものを持っているのは恐らくウェブニュース編集者の中川淳一郎氏だ。氏の書いた文章をここで紹介しておく。

https://www.news-postseven.com/archives/20170607_562058.html?PAGE=2

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