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わたしとJUVENTUSの30年

これは自分史である。自分とJuventusとの出会いから今に至るまでの30年間をnoteに記しておこうと思う…いや、堅い堅すぎる!ぼくとJuventusとの出会いはもっとポップだったはずだ。ポップに出会い、偶然と偶然がかさなり、現在のJuventusスースキスーおじさんが出来上がったはずだ。


始めてのスパイクに「ジュ…ジュベ?」

MIZUNO「ユーベゴールド」

小学校高学年、授業のひとつとしてクラブ活動が始まる。私はサッカーを選択した…三浦知良にあこがれていたからだ!!家の裏でひとりボールを蹴ってたら偶然カズが通りかかって「キミ、サッカー好きなの?」と声かけられて「は、はい!カズ選手が好きなんです!!」とやりとりする妄想をずっとしていた。

母がスパイクを買ってくれた。隣町の小さなスポーツ店で店長が持ってきたのはMIZUNOのスパイクだった。かかとに何がわからないマークがついている…書いてる文字は「ジュ…ジュベン…?読めない」。後からわかったことだけど、これはMIZUNOが販売していたJuventusとのコラボモデル(絶対当時はこんな言い方してないよね)、「ユーベゴールド」だった。ゴールドの要素はゼロだけど、名前かっこいいよね!!

98年ワールドカップでアレ

アレッサンドロ・デル・ピエーロ

私はサッカーは好きだったけど、海外サッカーには疎かった。私が中学生のときに開催された98年のワールドカップでは周囲の大人が色めきだっていた。塾の先生がフランスに行って何か詐欺にあったって言ってたな。ぼんやりとテレビを見たり、選手カードを集めていた。何となくイタリアが良かった…私は青色が好きだから!とカッコイイ選手が多いから!特にプレーの巧さとルックスの良さから気に入った選手がひとり。彼の名前はアレッサンドロ・デル・ピエーロ。カードの裏を見ると…えーと…ジュべ…いや、ユベントスっていうチームか。あれ?これって小学生のときのスパイクの!!

ねえねえメキシコ代表のユニフォーム知ってる?

高校に入ると運命の出会いがあった。出席番号ひとつ前の席のスズキくんだ。彼は実に真面目な、一見ガリ勉のように見える男だったが、実は勉強よりも海外サッカーの魅力に取り憑かれてユニフォームを集めていた男だったのだ。「Pieroくん、サッカー好きなんやって?ねえねえ、メキシコ代表のユニフォーム知ってる?」いや、知らん!有名なの?珍しいの?ユニフォームなんてどれも同じじゃないの?ど素人の私にスズキくんは大いに語ってくれた。高校を卒業するころには私もユニフォームを私服にする(オシャレから逃げた)サッカーボーイになっていた。そういえば、サッカーボーイっていう馬がいたよね昔。

有機体って

FinoAllaFineの魔法をかけられた夜

それでもまだ「海外サッカーファン」になっただけだった。プレミアならマンチェスター・ユナイテッド、リーガ・エスパニョーラ(!)ならバルセロナとベティス、セリエAならユベントスが好きです!!と言っちゃうような人でした。CLの舞台で対戦したらどっちを応援しようかしら…みたいな感じです。

しかしサッカーチームとの向き合い方を大きく変えた夜が2003年にありました。「推し」のユベントスとバルセロナがCL準々決勝で対戦することになった。どうしようか…そうだな…ユベントスを応援しよう!で、観戦してたらボコボコに攻められるじゃないですか!当時のバルセロナはクライファート、サビオラ、リバウドのトリデンテがいて、ほんとに防戦一方でした。

カンプ・ノウでの2ndレグは酷いもんで"退場犬"ダービッツが早々に退場、10人でバルセロナの猛攻を耐えるユベントス…あれ?なんだろうこの気持ち…耐えて耐えてカウンターで勝機を狙うしかねえ!!という状況…なんかこれはこれでイイぞ!新しいサッカー性癖が目覚めつつあったのです。そしてあの延長でのビリンデッリからのサラジェタですよ。

ビリンデッリとサラジェタ

猛攻を耐えて耐えてのカウンター、一発!!こんなに気持ち良い、喜びを爆発させた夜は初めてです。私は魔法にかけられてしまった、諦めずに最後の最後まで戦えば何かが起きると。そして、それを体現するユベントスというチームの素晴らしさを知った!この日から今日まで、私はユベンティーノだと胸を貼って言えます。

ちなみにこの次の準決勝レアル・マドリー戦はネドベドの悲劇もありましたが、普通にマドリーに完勝する(バルセロナ戦の苦戦は何だったんだ?!)というような試合だったこともまた、ユーベの面白さを表していると思っています。

美しい再会とこれから

大人になってふらりと親にユーベゴールドを買ってもらったスポーツ店をのぞきました。せまい店内にいくつかだけスパイクが置いていました。そして、見つけたのです、ユーベゴールドを!!ちょうど自分の今の足と同じサイズです。すぐに店長に「すいません!これ買うことはできますか?」店長は「とても古いものだからねえ…1000円で譲りますよ」と言ってくれた。小学生ぶりにユーベゴールドを手にすることができた。ちなみに一回ボールを蹴ってみたらすぐにボロボロになったので、すぐに使用は辞めて今でも家に飾ってある。

冒頭の写真も2代目ユーベゴールド

遠い国にあるチーム、基本的にはテレビやネットでの観戦。好きなチームを変える理由なんて山ほどある。「好きな選手がいなくなったから」「勝てなくなったから」「やってるサッカーがつまらない」など。私が応援していたこの間でも、Juventusには二度大きなトラブルがあった。それでも私はJuventus。さまざまな偶然と偶然の重なりから出会えたチーム。そして、あの夜にかけられた魔法はどうも死ぬまでとけなさそうだから。

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