ガダマー(随時更新)

1960「真理と方法——哲学的解釈学の要綱——」
新カント派→ハイデガー「ナトルプ報告」の講義(アリストテレスの現象学的解釈)に衝撃「アリストテレスが丸ごと肉薄してくる」

解釈学= 理解の理論

ディルタイと異なる)

理解…現存在の存在の仕方そのもの
→人間が生きている限り
 いつも既に「理解する」という仕方で生きている

人間の世界経験と生活実践の全体に関わる
 →出会い、経験する時、いつでもどこでも
  「理解」の運動が生じている

理解は人間の存在論的な運動
=根本動性

解釈と「適用」の契機を含む統一的で全体的な運動
適用…理解していることを自己の状況に関係付けること

現存在が変容していく運動そのものに焦点を当てる

「理解」のダイナミズムを分析しようとする

世界理解と自己理解の相互変容
→本来的な自己(真理)に向かっていく
真理経験

[狙い]
あらゆる方法に対して「理解」の根源性を主張すること(根本動性)

根源的な精神科学の心理(理解)の上に近代科学の方法が成立…「真理と方法」

[解釈学=歴史的生の存在論]
Q.人間とは何であるか
A.人間は歴史的存在である…ディルタイ・ハイデガーと同様

いつもすでに過去に規定されていると共に
未来に対して開かれていて
地平の融合という仕方で
新たな世界を切り開いていくことができる
ただしその過程は常にに未完結で途上にある

〈歴史的理性の存在論〉
→歴史の中に立つ人間が、自らの歴史性を
 徹底的に自覚していこうとする哲学
(歴史を切り捨ててしまったら人間存在はその核を失う)

近代思想の否定・忘却・歪曲
自己の歴史性を忘却
啓蒙主義…一切の先入見の克服
      →それ自体が一つの先入見
       自己の歴史性の忘却
      →理性と歴史性を対立的に捉えている
ロマン主義…理性 VS 歴史性
       評価が逆転しただけ、同じ前提に立っている抽象的思考
歴史主義…過去をそれ自身においてあるがままに捉える
      客観主義→自己を消し去り過去に身を移す
      →不可能、喪失感を生む

理性は「歴史的理性」
先入見を足場にするしかない
歴史的に規定された理性が歴史を新たに形成していく理性でもある
理解の出発点は先入見という歴史的現実しかない



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