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人類の皆さん、よろしくお願いします。 文学構成読み解きをしています。 (記事にはAmazonアソシエイトのリンクを使用しています)

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エルンスト・カッシーラー

    • 「極黒のブリュンヒルデ」構成読み解きメモ《岡本倫》

      橘佳奈の「未来の死を予知」の能力は「人間失格」→「豊饒の海」系列の焼き直し 展望台下の家はガスが止まっており、薪(世界樹)を割って使う 焼けるのはヴァルハラ城≒本多の別莊の炎上か 鎮死剤が無くては魔女は亡くなってしまうor魔法を使うと記憶を失う…指輪≒黒子の呪い 「ヘクセンヤクト」なる組織…「ニーベルングの指環」の地底人か 主人公の天体望遠鏡は安永透の名残り クロネコは黒羽寧子として擬似的に生まれ変わる…「豊饒の海」の輪廻転生 小鳥の「自分と相手の位置を入れ替える

      • 「水の都の護神 ラティアスとラティオス」構成読み解き

         八月十七日、「水の都の護神」を観てきました。怪獣ですが映画館に入れてもらえました。以下、典拠とその関係を書いていきます。  あらすじはこちらをご覧あれ。 典拠紹介・各読み解き記事リンク 主な典拠は「豊饒の海」、そしてそのまた典拠である「ニーベルングの指環」「ヴェニスに死す」も踏まえてあります。おそらく「神曲」も? 典拠との対応 物語の本筋に入るまえに、舞台となる水の都、アルトマーレに伝わるおとぎ話が語られます。  宝石「こころのしずく」がすごい光を放っています。まる

        • 「輪るピングドラム」と「カラマーゾフの兄弟」(随時更新?)

          ※当記事は最後まで無料で読むことができます。投げ銭感覚で購入して頂ければ幸いです。  こちらの週休二日さんの記事に追記する形で進めていきます。未読の方はぜひご覧ください。  「輪るピングドラム」といえば、作中冒頭で触れられる通り「銀河鉄道の夜」です。この二つの関係を見ていけば物語の主旨は掴めます。ただしこの作品は、親子関係の問題を取り扱うために、「カラマーゾフの兄弟」をも典拠にしています。下はfufufujitaniさんによる読み解き記事です。  ミーチャ・イワン・アリ

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          「眠れる美女」構成読み解きメモ【川端康成】

          謠曲「江口」 Wikipediaいわく、日本文学の研究者が「江口」との関連を指摘しているようです。事実、主人公の老人の名前は江口であり、回想で語られる賢夫人の名前は普賢菩薩からとられています。「江口」の僧侶がであう遊女の正体は、普賢菩薩でした。  また、西行や江口老人が訪れる宿が娼館というのも共通点です。  作中、「遊女や妖婦が仏の化身だったという話もあるではないか」とあります。 その他・川端作品の構成読み解き

          「眠れる美女」構成読み解きメモ【川端康成】

          「禁色」読み解きメモ【三島由紀夫】【随時更新】

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          「禁色」読み解きメモ【三島由紀夫】【随時更新】

          「仮面の告白」とその他文学作品《三島由紀夫》

          ※当記事は最後まで無料で読むことができます。投げ銭感覚で購入して頂ければ幸いです。  以下の内容はfufufufujitaniさんによる読み解きの細部を補う内容となります。 太宰治「人間失格」 上の表のように、「仮面の告白」の場面は「人間失格」を下敷きにしているものが多いです。 夏目漱石「こころ」 様々な作家に影響を与えてきた「こころ」が、恐らく典拠の一つになっています。  「こころ」の語り手である「私」の父は、亡くなる直前、浣腸します。漱石作品群をうまく落とし込んだ

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          「仮面の告白」とその他文学作品《三島由紀夫》

          カミュとドストエフスキー——「幸福な死」「異邦人」を読んで——

          ※当記事は最後まで無料で読むことができます。投げ銭感覚で購入して頂ければ幸いです。  まず、カミュの「異邦人」を読んだ。よくわからなかった。次いでその前身の作品となる、生前は未発表作であった「幸福な死」を手に取った。作者の考えていることが少しずつ解ってきたので、記事にしておこうと思う。  カミュといえば太陽と海だ。上の二作を読んでいても、他に重要な象徴など無いのではないかと思うほどに、この二つでテクストが埋め尽くされている。詩的かつ複雑な言い回しが多いものの、他の作家と比

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          「女のいない男たち」構成読み解き【村上春樹】

          ※当記事は最後まで無料で読むことができます。投げ銭感覚で購入して頂ければ幸いです。  「女のいない男たち」は2674年(西暦2014年)に発売された短編小説集です。「まえがき」にあるように、『この本は音楽でいえば「コンセプト・アルバム」に対応するもの』になります。同じテーマが少しずつ形を変えながら、何度も繰り返し反復されるのです。 恋愛の奇跡性と浮気 社会的動物たる人間は、例えどのような状況にあろうと、「ここ」に対して「ここではないどこか」を措定します。  宮台真司『「

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          「女のいない男たち」構成読み解き【村上春樹】

          汐見夏衛「明日の世界が君に優しくありますように」を読んで

          あらすじ ヒロインの私(白瀬真波)は中学時代、家族とのすれ違いや友人の陰口を聞いたことから、長い間不登校だった。これを見かねた父は彼女に、T市の高校へ通うことをすすめる。家族に何も打ち明けず、主体性を失っていた真波は言われるがままこれを受け入れる。  高校へ通うため、とある田舎町、鳥浦にある母方の祖父母の家へ引越してきた真波。ほとんど覚えていない祖父母と、二人の世話になり同居している美山漣に対し疑心暗鬼になり、真波はなかなか心を開けなかった。  ある晩、真波は夜に幽霊が出

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          ポール・ラザースフェルド

          「ミドルマン」概念を提唱。 専門家の難解な議論を一般大衆へ向けてわかりやすく説明・イメージ化する人間

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          佐藤俊樹

          百年以上言われ続けてきた「近代の解体」「共同体の解体」の 「解体」の意味は変化している

          ウルリッヒ・ベック

          「リスク社会」概念を初めて提唱「個人化」… 再帰的近代化が進行した「第二の近代」における 社会と個人の関係の構造的な変容(家族など) 「第二の近代」において社会は、 産業化により自ら生み出した社会問題への 再帰的な対処の必要性から、リスク社会へと移行 リスク… 人間の選択に伴い生じると認知される不確実な障害 人間の主体性が根本的な前提となった近代社会になってから生まれる リスク社会… ①大きく破壊的な結果をもたらす(環境問題など) ②生じうる確率が低い、または計算不可能

          ウルリッヒ・ベック

          吉見俊哉

          『都市のドラマトゥルギー』盛り場=「マツリ」の場、近代的な祝祭の場 関東大震災を境に、注目される東京の盛り場は「浅草」から「銀座」へ 震災前の浅草…活動写真、浅草オペラ、軽喜劇、浅草十二階、私娼窟etc… 銀座の大衆化(デパート、カフェ、モボ・モガ) 大衆的なモダン文化消費の中心地に 一九七〇年代、オイルショックを転換点に 若者たちの盛り場は「新宿」から「渋谷」「原宿」へ 六〇年代までの新宿…ドロドロとした不確定の街・若く満たされないエネルギー(アングラ演劇、フォーク・ゲ

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          ピエール・ブルデュー

          プラチック…個人の水準に属するような実践 ハビトゥス(Habitus)…集合的な慣習・秩序 プラチックとハビトゥスには、アンビバレントな二重の意味がある ハビトゥスは個人の行為の堆積としてできており、 プラチックは集合的な秩序や慣習に媒介されている

          ピエール・ブルデュー

          マニュエル・カステル

          新都市社会学一九六〇年代末~七〇年代以降、都市社会学に対するマルクス主義側からのアンチテーゼとして登場 カステルの都市社会学批判 シカゴ学派における「都市」あるいは「アーバニズム」は、資本主義社会における文化・生活様式 これを「都市」と言い表すのは資本主義社会における文化主義的イデオロギー 都市に固有の問題とは、空間と社会との関係 資本主義社会の都市においては、空間の社会的な生産・消費が必須の要件となる カステルはこれを、アルチュセール派の影響を受けた理論を通して分析、

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