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「葵 徳川三代」の江のように生きられたら

私がすごく好きな大河ドラマの一つに、2000年放送の「葵 徳川三代」があります。このドラマのどういうところが好きなのかについては以前語ったので、興味がある方はそちらを読んでいただければと思います。

「葵」は戦国時代後期〜江戸時代初期を舞台とするドラマですが、登場人物の中に「江(ごう)」という女性がいます。演じられたのは岩下志麻さん。江さんは戦国時代の中でも数奇な運命を生きたことで知られる人物です。江戸幕府2代将軍・徳川秀忠の奥さんで、三代目家光のお母さんですね。

その人生について丁寧に追っていくと、記事が長くなりすぎてしまうのでざっくりとだけ書きますが、住んでいた城が敵に攻められて2回落城、3回結婚し8人の子供に恵まれました。もうこれだけでスゴイ(秀忠が最後の夫。その運命に翻弄された生涯は2011年の大河ドラマ「江 姫たちの戦国」でも描かれました)。現在の天皇家にも江の子孫の血筋が伝わっています。

で、あくまでドラマの中だけの話になるんですけど、江は死ぬときに、夫である秀忠にお礼を言うんです。「江ほどの果報者がこの世にございましょうか、すべて、上様(秀忠)のおかげでございます」と言って逝くんです。

私はそれを見て思った。江くらい苦労した人生でも、自分は幸せだったありがとうと言って死んでいくことができるのだろうか?

江は生まれてすぐに父を亡くし、まだ幼いうちに母を亡くし、周りは戦ばかりやってるし、結婚したと思ったら離縁させられ、もう1回結婚して子供ができたと思ったら夫は病死→子供と生き別れ…とまさに苦労の連続。戦国時代だからってそこまで苦労しなくても…という感じで、それでもなお周囲に感謝して逝くことができるなんて本当にスゴイことなのではないだろうかと思うのです。

私は(自分のせいもあるんだろうけど)人生をあまり楽しめていないから、江のような死に方を見ると不思議な気持ちになります。うらやましい。それでもなお人生は美しいと思うことが出来る江さんの徳みたいなものをうらやましく思います。

それでもなお人生は美しいのか? わからん。死ぬまでわからないんでしょうね。だから今をちゃんと生きようと思う。

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