「人は鏡」
「類は友を呼ぶ」
「引き寄せの法則」

そんな言葉が現代には蔓延していて、私もわりとその考え方を採用している。

だが、起きる物事すべてが自分のせいとか、自分が引き起こしてるとか、自分の思考の反映とか、そんなことは思わない。

出会う人すべてが、類を呼んでるわけでもないし、引き寄せているとも思わない。

もしすべてがそうだったら、苦労する人はずっと苦労しかしないし、悲しい気持ちの人には悲しいことしか起こらないし、楽しく過ごしてたら楽しいことしか起こらないはずでしょ？

でも辛いことも幸せなことも、永遠には続かない。

人生うまくいってる時、このまま良い流れが続けばいいのに、そうはさせてくれない。

どうしてこんなにいい子が、こんな意地悪されなきゃいけないの？こんな悲しい涙流さなきゃいけないの？こんな辛い想いしなきゃいけないの？
友達にだってそう思うことがある。

生きてると、想像もしてない理不尽が降りかかってくることがある。

生きてると、想像もしてない温かさをもらえることがある。

善人だろうが悪人だろうが、良いことも悪いことも起きるし、素晴らしい出会いも最悪な出会いもある。

その、悪いこととかネガティブな出来事、出会いの話をしていた時に

「引き寄せちゃったんじゃない？」

と言った人がいた。

え？私のせい？？？？

「他責にするな自責で考えろ」なんて言葉もよく聞く。

うん、わかるよ。人のせいにしてもしょうがないし、自分のことは自分で責任持って、反省したり振り返ったりしないとだよね。

でも別に、すべて自責にする必要ないし、起こることすべて自分がつくったなんて思う必要もないよね？

え、例えばあなたは歩きスマホしてる人が後ろからぶつかってきたとして、それも引き寄せとかなんとか言うんですか？？？

証拠も何もないのに妙に説得力があって、謎に自責の念に駆られて、自分が直さなきゃと思わされる言葉たち。

でも引き寄せたとかそういうのって、他人が決めることじゃないんじゃない？

自分がそう感じたなら修正すればいいし、運とかタイミングとか縁と思えば、それでいいじゃない。
そこから何も学ばないわけじゃないんだから。

結局人は辛い経験をするほど、痛みを知るほど、人に優しくできるものだと思うから、どんなに良い人になろうが素晴らしい人になろうが、理不尽なこととか悲しいこととか、降りかかってきちゃうんじゃない？

話してる側が大事なのは、それが引き寄せかどうかじゃない。

気持ちの方がよっぽど大事で、今どう捉えているかとかを話してたはずなのに。

それは思考の整理だったり、背中を押してほしいだったり、気持ちを受け止めてほしいだったり、無意識の想いはその時々によるけど、
どうして、ただでさえ理不尽な出来事があったのに「引き寄せちゃった」なんて言われなきゃいけないんだ？

あなたに話しちゃったこと自体が引き寄せちゃったのかしらって感じよ。良い状態じゃなかったからね。

なんて嫌味は言えないし言わないけど、謎の説得力に私も一瞬悩むわけですよ。

「私が悪いのかな」
「私のあり方が良くないのかな」
「私の状態が問題なのかな」

とかさ。

でも結局「私」だけが悪いなんてことはないという結論に至る。
だったら最初から自分を責めるような思考はわざわざしたくない。

出来事や相手に向き合って、考えて、悩んで、感情を揺さぶられる。
私はそういう人は好きだ。

完璧な人なんていないんだから、絶対に人生何かしらは起きてしまう。
私は完璧じゃない人が好きだ。

だからさ、もっともらしい言葉に振り回されなくていいんだよ。
そういう言葉でドヤる奴は、ズルいだけだから。