濃さと速さと
自称飲酒黒帯
お酒が大好きだ。
初めて飲んだお酒はコンビニで買ったメロン味のカクテル。
飲んだとき、「お酒」という感じがしなく、
「甘い!おいしい!」と炭酸水のようにごくごくと行ってしまった。
同じシリーズのカクテルばかり飲み、次の日頭が痛かった。
甘くて飲みやすいお酒は罠だ!と勉強し、
ビールや甘さ控えめなレモンサワーを飲むようになった。
甘いお酒よりも、もっともっと飲みやすく、もっともっと二日酔いした。
私は誰よりもお酒を飲んだ。自分より飲む人をあまり見たことがない。
黒帯敗れる
時はたち、9%の缶チューハイが一世を風靡した。
コンビニやスーパーの缶チューハイのコーナーは、いっときストロング系かほろ酔い系の2択になってしまった。
9%は良かった。
少ない量で、すぐ酔えて、とにかくコスパが良い。
そして、適度な甘さと切れ味で飲みやすい。
とてもじゃないけど「濃い酒」の顔をしていない。
何本飲んだか覚えられないぐらい飲んで、しょっちゅう記憶を失った。
完敗した。
量と濃さをコントロールしなければ、このまま負け続けることが目に見えていた。
たどりついた町中華&せんべろ
「中」と「外」に分かれて出される、質が悪くてすぐ酔える酒と、安くておいしいおつまみ。
家の中ではなく、外で飲むので、「家に帰らなきゃ」という緊張感があり、ほどほどで抑えられる。
「中」「外」の調整をして自分のペースで飲める。
濃い酒は速く酔い、楽しい仲間と一緒だと時間の進みも異常に速い。
普段は見ない競馬が流れていると、店一体で盛り上がったりもする。
酒を飲んだ時の話をつまみに酒を飲んだりもする。
家飲み
家で飲むときはひたすらリラックスしながら飲む。
以前は嫌なことがあってもなくても仕事を終えて帰宅次第30秒でストロング系缶チューハイのプルトップを開けていた。
嫌なことがあった日は酒の量が2倍に増えた。
ストレスを酒で洗い流すのは良くないよ、と抗いきれない体の衰えで学んだ。
二日酔いが夕方まで続くようになった。
お酒が嫌いになりつつあった。
でも、私はつらい時もうれしい時も一緒にいてくれたお酒と仲良くしたかったので、少し手をかけたおつまみで、ゆっくり飲むことを心掛けるようにした。
おかげで嫌いにならずに今でも仲良しのまま、お酒とは良い友達関係が続いています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?