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ソマリア内の謎の独立国家「ソマリランド」

先日読んだ「謎の独立国家ソマリランド」がとてもおもしろかったです.約 600 ページにわたる長編でしたが,読みやすく一気に読んでしまいました.

ソマリア内に,無政府状態にもかかわらず民主化や武装解除に成功した独立国家「ソマリランド」があり,著者が実際に現地へ行ってその謎を解明したドキュメンタリー.終わりなき内戦が続いているソマリア内にあるにもかかわらず,長年に渡って平和を維持しています.ソマリランドは国際社会には国とは認められていませんが,むしろ国際社会に無視されていたが故に民主主義や平和を実現することができたと本書では結論付けられています.

著者の取材力がとにかく圧巻でした.国の有力者をつたってあらゆる人にアプローチし (ソマリランドは小さい国なので比較的容易に有力者に会える),覚醒植物カートでハイになりながら話を聞き出すというバイタリティ.海賊を雇おうとして見積もりを現地の人に依頼した話が特におもしろく,どのような仕組みで海賊経済が回っているのかを知ることができました.

著者・高野秀行の本は,飲酒が禁止されているイスラム圏でお酒を探しながら旅するドキュメンタリー「イスラム飲酒紀行」もおすすめです.いずれも熱量が伝わってきて,実際に自分も現地に旅してみたい気持ちになります.

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