とある金曜日の夜の出来事

金曜日は、近所のセブンイレブンでサッポロクラシックを買って、イカ焼きを買って、同棲している彼女が嫌そうな顔を見ながら、お酒を飲むのがお決まりになっている。彼女は私が酔っぱらうのが好きじゃない。ウザ絡みしてくるのを知っているからだ。

そんなある時、ふと彼女に聞いてみた。
「今の活動は、なんとなく行き詰まっている感があるんだけど、どうしたらいいと思う?」
っと。

彼女は、嫌そうな顔から真面目な顔になり
「本当に思っていること言っていい?」
っと少しトーンを抑えて言った。

どうやら、色々思う所があるらしい。
私としては、彼女は私以上に私を知っているので、正直な意見を聞きたかったので、
「どうぞ、よろしくお願いします。」
と答えた。

そして彼女の演説が始まった。

まず、プロダクトと呼べるクオリティじゃないにもかかわらず、プロセスエコノミーだがなんだか知らないけど、現段階で人を巻き込んでいるのが気に食わない。
そもそも、あなたの気質として自分から声をかけていくスタイルがあってない。人に声をかけている時点で、あなたの価値は既に落ちている。
しかも、あなたのやろうとしていることは、そもそも分かりにくいのだから、声をかけられた人は、「はぁ」としかならない。
もっとプロダクトという言葉を捨て、あなたは作品という観点で活動を考えるべき。
もし、絵描きから、中途半端に書かれた抽象画みたいなのを見せられて「活動を通じて、この作品を使ってこうしたいんですよね」とか言われても、困るでしょ?
そんな感じよ。
あなたが作った作品を見て感動した人が寄ってきた時に初めて、あなたは人を巻き込んでいいのだと思う。
もしそれが嫌なのなら、もっと分かりやすい活動に方向転換して。
ご飯を作る動画とか、切り抜き動画とか、地元のローカル情報を取り上げるとかさ、
誰しもが共通するような、簡単で分かりやすいコンセプトのやつ
それなら声をかけられても、あぁ「今度暇な時に覚えてたら利用するわ」ってなるから

彼女の演説に対して、私は、ぐぅの根もでなかった。

そもそも私はプロセスエコノミーに対して、理解できていなかったのかもしれない。
プロセスエコノミーに関して重要なのは共感であり、私の活動は共感できる要素がすごく限られていているにも関わらず、私は分かりやすい旗を一切立てていない。

恐らく、プロセスエコノミーができる人物はその辺に関して天性の才能があるのだろう。
実際私は中高クラスでは、中心ではなく、端っこで2,3人でキャッキャしていたグループなので、そもそも大衆の理解を得ることに対しては苦手意識があったのだと思う。だからこそ、今回の活動で、下手に中心に立とうと思い、変に大衆の気をひこうという行為が、多分辺の感じの根本になっているのかも知れない。

web開発も、存在しないユーザーに向けて作るのではなく、自分自身が使う機能を中心に開発する方向に切り替えた。
私の活動方針自体も舵を切る時期なのかも知れない。
彼女の言う通りに、プロダクトという意識を捨て、大衆の興味に合わせるのではなく、もっと尖った作品を作り上げていくのがいいのかも知れない。

アカデミックの世界を去って約半年間、大衆の関心を意識して活動してきた。
次の半年間のテーマは、自分の関心を意識して活動するのがきっと良いのだろう。

そんなことを思いながら、彼女に向けて
「そのとーり!」
っと言って不貞寝した。

そんな、金曜日の夜の出来事であった。


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