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試しグセ

親子関係において

「この日は大切なお客様と打ち合わせがあるから、学校が終わったら家に帰って、お母さんご飯を作っているから食べておいてね」

お母さんがこんなことを子供に伝えた日に限って、子供は熱を出したり、学校で問題を起こしたり、お母さんを困らせる何かが起こります。

これは、意識的であれ、無意識的であれ、親の愛を試す行為です。「お母さんは、わたしよりお仕事が大切なの?どっちが大切?」と、子供は親に確認をしているのです。

「困った子供だ」と思うかもしれません。でも、子供にとって、もっとも大切な感覚”安心安全”を与えるのは、親の義務です。冒頭のやりとりの前の段階で、親が子供に安心安全の感覚を与えられていたら、子供は素直にご飯を食べて、家でゲームをしたり、本を読んだり静かに過ごしてくれていたはずです。このやりとりの前段階、普段のお母さんの愛情、子供との関わりに問題があったのです。普段の接し方、普段の親子関係に目を向けるしかないのです。

恋愛において

昔、大切なクライアントとのセッションの日に、彼女が「過呼吸になったから、助けてくれ」と電話をしてきたことがありました。

「えっ、実家暮らしなのに?親に頼れないの?」と、当時の僕は困り果てました。セッションを終えて、大急ぎで会いに行くと、彼女は過呼吸の演技をしているだけでした。演技か本当の過呼吸かは、私はプロなので一目瞭然でした。当時の彼女も、お母さんを困らせる子供と同様で、僕を試したわけです。親子でもなく、大人同士の関係でやってはいけない幼稚な振る舞いではあるものの、過去の未処理の感情によって、こういうメンヘラ的な行動をしてしまう人もいます。

試す、試される

「うわ〜、めんどくさっ」で終わらせる人もいるでしょうが、あなたも過去、誰かを試したことがあるかもしれない。そして、ある日、あなたを試してくる誰かが現れるかもしれない。あなたを試す目の前の人は、過去、安心安全を与えられるべきタイミングで、与えられなかった人です。

愛着障害の問題は、少なくない人が抱えています。
あなたは誰かに試されたとき、どう振る舞いますか?

自分が他人を試さないように自戒しておくことは、とても大切ですが、同時に誰かに試されたとき。どういう自分としてその人に関わるか、自分自身の在り方が問われています。

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