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【開催報告】#ピルコンルーム no.38「ユースから伝える #包括的性教育 を体験しよう!」

ピルコンのnoteを開いていただき、ありがとうございます!ピルコン学生インターンのごっしーです。
このnoteでは、ピルコンが主催するユース世代向けオンラインイベント「#ピルコンルーム」のレポートをお届けします😊

💡オンラインイベント「#ピルコンルーム」って?
NPO法人ピルコンが主催するオンラインイベント「#ピルコンルーム」。大学生や若手社会人などのユース世代を対象に、身近な性をテーマに安心して語り合いたい方向けに定期開催しているイベントです。

ピルコンでは、3月17日(日)19時半より、 #ピルコンルーム no.38「ユースから伝える #包括的性教育 を体験しよう!」を開催しました!
今回は、対面・オンライン合わせて80名以上の方にお申込みいただきました🙌
イベント前半では、ピルコンが大切にしている包括的性教育の理念やピア・エデュケーションについて解説し、ピルコンが学校で実施している性の健康・リレーションシップ教育プログラム「LILY <Link Life of Youth> 」を体験していただきました。
また、イベント後半には2023年度の活動報告会を開催し、ピルコンが行ってきた活動や、昨年からピルコンに加わったフェローの経験談もお伝えしました🌸

今回のイベントに参加できなかった方、今後イベント参加を迷っている方、もちろん参加してくださった方も、ぜひ最後までお付き合いいただけますと嬉しいです✨


TALK1 包括的性教育とは?

最初に、今までにどんな性教育を受けたか、参加者の皆さんに話し合っていただきました💭
特に多かったのは「覚えていない」「そもそも受けた記憶がない」という意見や、「男女別で受けた」「小学生のときに、女子だけ集められて月経について教わった」という意見でした。また、妊娠や月経については習っても、性感染症や性的同意については教わらなかった、という意見もありました。

実は、世界的に見ても、日本の性教育の時間は中学校で平均で年間約3時間と非常に少なく、内容も抑制的であると言われています。
その背景にあるのは、妊娠の経過(性交や避妊に関する内容と解釈されています)を、学習指導要領の範囲内では取り扱わないものとして制限する、いわゆる「はどめ規定」と呼ばれる文言です。
しかし、様々な研究で包括的な性教育が、性交開始年齢を遅らせ、性に関する知識を増加させることが明らかになっています。それにも関わらず、この「はどめ規定」や性に関するタブー感が大きなハードルとなり、なかなか性教育が普及していかない現状にあります。

図:NPO法人ピルコン作成(無断転載・転用禁止)

また、「性教育」と聞くと、第二次性徴や避妊など生殖に関わることを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、性に関するトピックはそれだけではありません。
包括的性教育とは、ジェンダー平等や性の多様性を含む人権教育を基盤として、性的同意やコミュニケーション、情報リテラシーといった幅広い内容を体系的に学ぶ教育です。また、一度きりで終わるのではなく、発達段階に応じて繰り返し学習することで、健康や幸福の実現に必要となる知識を、より深めることができます。
ピルコンでは、性と生殖に関する健康と権利(SRHR)の理念に基づき、科学的な事実をベースに、性に対するポジティブなアプローチや、学習者の多様性への認識と配慮を大切にしながら、包括的性教育を目指して啓発活動を行っています。

TALK2 ピア・エデュケーション

「ピア・エデュケーション」とは、対象者に近い立場のピア(Peer:仲間)が、対等な立場から知識を伝える、健康教育の手法です。
教える人と学習する人の立場が近いことで、学習者にとっては、親しみやすさや聞きやすさに繋がったり、「自分にも関係がある内容かもしれない」と当事者意識を持ちやすくなるそうです。また、年齢や立場の近い人が性について堂々と語っている姿を見ることで、学習者のエンパワーメントにも繋がるといいます。

一方、医師や保健師などの専門家などに比べて、専門性やスキルに課題があるほか、教える側と学習する側のバックグラウンドに差がある場合など、その「近さ」にも限界があります。また、中学生から高校生に近い立場のピアは若い人材が中心であり、キャリアの選択などによって人材が流動的になりやすいというデメリットもあるそうです。

それでも、ピア・エデュケーションの有用性は高く、国内外から注目されています。
ピルコンでは、中・高校生〜大学生を対象とした性教育プログラム「LILY」でピア・エデュケーションを活用し、大学生や若手社会人といった学生にとって身近な存在であるフェロー(ボランティアメンバー)から、性についての正しい知識を伝えています。

性教育プログラム「LILY」を体験してみよう!

解説の後は、ピルコンで実際にLILYを担当しているフェローが進行しながら、性教育プログラム「LILY」を体験しました!
このレポートでは、当日の様子を一部お届けします!

LILYの様子

進行は、昨年からピルコンに加入した2名のフェローが担当しました!
妊娠検査薬や低用量ピルの実物も見せながら、具体的で分かりやすい解説をしていただきました🙌

ディスカッションの様子

途中に、「もしパートナーがコンドームを着けることを嫌がったらどうする?(もしくは、もし友達から相談されたら?)」というテーマで、ディスカッションを行いました。
対面・オンラインのどちらでも、「なぜ着けたくないのか理由を聞く」「自分の気持ちを伝える」「そういった相手とは性行為をしない」など、様々な意見が出てきました💭

オンライン参加の方々から出た意見

その他にも、AMAZEという動画教材や、フェローの経験談なども交えながら、性に関する様々なトピックについて解説していただきました!
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました😊

2023年度活動報告会

イベント後半では、ピルコンの2023年度の活動報告を行いました!

①講演・イベント活動

今年度は、全国100校以上の学校で、性の健康・リレーションシップ教育プログラム「LILY」を実施しました。
関東圏以外の学校からお申込みをいただくことも増え、これまでに3万名以上の中学生~大学生に講演を受講いただきました🌈

また、オンラインイベント「#ピルコンルーム」は2020年度から38回開催し、これまでに総計1000名の方にお申込みいただきました。
月に1回、イベントにお招きしたアクティビストや専門家からお話を伺いつつ、性について安心して学べる・語り合える居場所として運営しています✨
今回のイベントも、学生・若手社会人が中心になり、企画~運営を行いました😊

②SNS・情報発信

XInstagramTikTokYouTubeなどを活用し、幅広い層に対して発信を続けています。
また、U30のためのメール相談ピルコンにんしんカモ相談などの相談支援や、恋愛や性の傷つき体験や悩みを持つ女性のセルフヘルプグループミーティングPERCHも運営しています。

③ライフデザインオンライン

包括的性教育教材のポータルサイト「ライフデザインオンラインでは、学校の授業で使用できる教材やワークシートを提供しています。
教職員の方は無料で登録でき、学生の方も割引価格でご利用いただけます🙌
今後、「教え方を学ぶ」コンテンツも配信予定ですので、ぜひご登録ください!

④ここからかるたワークショップ

ピルコンでは、こころ・からだの大切さや性について遊びながら学べる教材「ここからかるた」を用いたワークショップを実施しています。
2023年度はテレビ朝日福祉文化事業団の助成を受け、特別支援学校、障害者支援施設、放課後等デイサービス等の13カ所の施設で、ワークショップを実施しました。

⑤北欧・ヨーロッパ視察

2023年秋に、スウェーデン、フィンランド、オランダ、イギリスの4カ国を視察し、性教育の様子やユースクリニックを視察しました!
視察後は、若者や女性、性的マイノリティーを取り巻く権利や医療、教育の観点から、「自分で自分の人生の選択ができると感じられる」社会づくりに注目し、リサーチ結果をまとめ、報告会も開催しました。
詳しい内容は、視察報告サイトやSNSで発信していますので、ぜひご覧ください✨

⑥ユースフレンドリー講座

ユースフレンドリーとは、ユース(若者)にやさしいあり方を意味します。ピルコンでは、ユースの健康とウェルビーイングを実現することを目的として、ユースフレンドリーな支援を広げていくための活動を行っています!

現在は、医療従事者や相談員など支援者の方を対象に、ユースフレンドリーなケアについて学べるオンライン講座や、修了者が加入できるコミュニティを無料で提供しています。また、ユースの方からも、大人に相談した際の「この対応が良かった!」「あの一言は嫌だった」「こう変わったら行きやすいのに!」といったエピソードを募集しています💭
詳しくは、ユースヘルスケアアクションのHPをご覧ください💡

2024年度 新フェロー募集中!(3/31まで)

ピルコンでは、新規フェロー(ボランティアスタッフ)を募集しています📣
フェローに加わると、講師としてピルコンの講演に参加することができるほか、希望者はSNSやイベントの運営といった活動にも関わることができます!

昨年度からピルコンに加わったフェローからも、下記のような経験談をシェアしていただきました✨
「もともと、パートナーとの関係性について悩み、ピルコンのメール相談を利用していた。その後、ピルコンの活動自体にも興味を持ったことで活動に参加し、現在はメール相談やAMAZEの翻訳などにも関わっている。」
「今年、精神保健福祉士の資格を取得し、ソーシャルワーカーのコミュニティに参加する機会があった。その時に、ピルコンでの経験を活かして発言することができ、自分の成長を感じた。」

詳しい応募の流れについては、ピルコンのHPをご覧ください👀
皆さんと一緒に活動できることを、楽しみにしています😊

参加者の声

・実際に中高生に行っている形で性教育の様子を見ることができて、自分が実践する際に真似したいことをたくさん見つけることができました。
・私自身、学生の時に知りたかったことや、今、学生の皆さんに知っておいてほしい正しい知識をお伝えしているところにとても感動した。また、はどめ規定の内容や、タブー視されている言葉を明確に用いてお伝えしている所が大変印象深かった。
・LILY体験の冒頭で、性は恥ずかしいことだろうか?という疑問から入られていたことが印象的でした。性に関することは、からかいの対象になってしまう場合もありますが、性について考えること、悩むこと、学ぶことは全く恥ずかしいことではなく、むしろ自己理解やこれからの将来のためにとても重要であるということを、導入において確認することはとても重要だなと感じました。

アンケートにご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました!
またお会いできることを、心より楽しみにしております🙌

最後まで読んでくださってありがとうございました!ピルコンルームでは、性について安心して語り合いたい、一緒に考える仲間がほしいユース世代のご参加をお待ちしております。イベントの後にはアットホームな交流会「ほうかごピルコン」も開催しているので、性や性教育について気軽に話せる仲間がほしい方におすすめです。(ちなみに、ピルコンのイベント告知は、instagram等各種SNSやPeatixで通知を受け取ることができます👀)

ぜひ、次回のイベントでお会いしましょう!

ピルコンからのお知らせ

ピルコンはTwitterやInstagramでも正しい性の知識やイベント情報などを発信中です!
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それでは次回もお楽しみに! 
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この記事を書いた人⇒ごっしー
早稲田大学文化構想学部の4年生。生まれた環境や性別にかかわらず、全ての人が正しい性の知識や望む手段にアクセスできる社会を目指して、ピルコンフェロー/インターンとして活動中。

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