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My Interview Note 10

ニュージーランドもようやくコロナウィルスの制限が一段階引き下がれ、レベル1になった。ようやくニュージーランド航空も席を埋めることができる。しばらくは、国内線がメインでオーストラリアとクックアイラインド諸島のフライトとなるようだ。ニュージーランドは日本と同じくらいの広さだが、インフラが少なく、国内移動は飛行機か、自動車になる。国内線はビジネストラベラーが非常に多い。そのビジネスマンたちがまた、通常どおりにフライトを利用してくれれば、ニュージーランド航空も立ち直ることができるだろう。ただ、こういったビジネスマンたちの仕事は、観光業や、留学産業に関係しているのが全体の30%らしいので、はやく国境を安全に開け海外から人がくるようにすることが大きいターニングポイントになりそうだ。


24. What do you do outside of work?

これはどこの面接でも必ず聞かれる。仕事以外の趣味を述べればいい。私はダントツにフライフィッシング!そのためにニュージーランドにいるといっていい。あとは健康(血糖値コントロール)の為にジョギング、スイミング、ジムに行く。

余談だが、日本語だとあいまいな区別になるストレスと疲労(Fatigue)だが、ニュージーランドでは全く別物として区別されている。ストレスは英語でもStress、 疲労はFatigue。FatigueはStressが蓄積されたものを言う。このFatigueはストレスの様に仕事から離れて趣味をしたりして気分転換では回復できないとされいる。唯一 Fatigueを直すのは十分な睡眠だけ。ストレスは気分転換で発散できるが、疲労は睡眠でしか回復しないということを頭の片隅に置いておくと良い。

I go fly fishing often. 

ニュージーランドの航空業界はFatigue management というものがあり、疲れたまま(Fatigued) まま操縦するとパフォーマンスが悪くなるので、疲労しない?(しにくい)ように各クルーのスケジュールが組まれ、疲労した場合は、会社に報告して、早退することも認められている、また乗務した後でも機長権限でフライトを遅らせてクルーを休息させることもある。特に、私の様な、国内線のパイロットは一日に4フライト、多い時には6フライトなんて日もあり、非常に忙しい。天気の良い日は、別になんてことないのだが、一旦、天気が悪化すると、あちらこちらで欠航や、代替空港ダイバートなどが入り、スケジュールがめちゃくちゃになる。フライトは私だけではなく、他の乗継便の飛行機の影響も考えなくてはいけないのでとてもややこしくなる。とくにニュージーランド航空の場合は、国際線へつなげる国内線が多く、乗客も他の国内線や国際線に乗り換える乗客が非常に多いので、そこらへんも頭に入れながら運航しなくてはいけない。そうなってくると、クルーの疲労具合と、休憩時間をどこで取るか、機長としては会社と交渉しなくてはいけなくなるのだ。これがパイロットが行うFatigue managementになる。パイロット同士だけでなくキャビンクルーも含め、お互いに疲労具合をモニターしながら仕事をしているのだ。

以下はパイロットの疲労が原因で引き起こされたものである。


会社が利益を出すため、極力人件費を抑えるために、パイロットの待遇を最低限以下にした可能性がある。

私のこのブログでも紹介しいるとおり、海外航空会社は自社養成を持たないし、だれにでもパイロットとしてのチャンスがあり、諦めなければ、年齢、性別、国籍なども関係ないと言ってきた。しかし、それゆえ、日本とは比べ物にならないくらいのパイロット免許取得者が沢山おり、パイロットとして就職するための競争は非常に激しく、パイロットジョブというパイを大勢の人たちが狙っている状態である。しかも、自分の思い描くパイロットになるには、それこそ大変で長い年月かけてステップアップが必要である。

通常の海外でのステップは、最初に小型機で遊覧飛行、チャーター会社、リージョナルエアラインやLCC、メジャーエアライン といったステップをとっていく。メジャーエアラインまでくれば安定した給料や、強い労働組合などに入ることができるので生活は本当に安定する。しかし、LCCやリージョナルでは大してもらえない、アメリカの一部のラインではアルバイト並みの給料だと聞いたこともある。皆、メジャーエアラインに行きたくて飛行経験を積み、安い給料で頑張っている、家族の生活の為、自分のキャリアの為に。

このcolgan air のパイロット、機長は次のメジャーエアラインへ行くために経験を積んでいる最中だったかもしれないし、副操縦士も機長になるために経験が必要で家から長い距離を通勤していた。どちらのパイロットもほぼ自分を犠牲にして頑張っていたのだと思う。会社が悪い待遇で彼らを働かせたり、パイロットたちは自身のキャリア蓄積、労使関係の立場上、文句も言えない。それでも経営側は利益を生む必要があり、こういったパイロットの疲労問題となって最終的に事故になってしまうのだ。

私の場合、教官の仕事を始めた1年目は、飛行時間につきいくら払うというpay per hour であった。しかも新人の教官ではほとんど学生を任されず、先輩教官のおこぼれをもらって飛んでいる感じだった。そのため、年間でもらえた給料はたった3000ドル、約30万くらい。だから自分の蓄えを切り崩しながら、究極の貧乏生活を余儀なくされた。しかも就労ビザというのは、非常に曲者で、解雇にあったら、就労どころか、滞在許可もなく、国外退去しなければならない状態で、パイロットキャリアを積むことすらできなくなってしまう可能性があったのだ。だから解雇に合わないように必死に働き、文句も言わなかったが、数年後、無理が祟り、体調を崩してしまったことがある。

パイロットの疲労問題はその会社のみならず、社会で管理すべき問題であり、最近では, SMS safety management system の導入は航空会社には必須になってきている。こういった問題は、パイロットの職種だけではなく、役職の人たちも、よく知っておかなければいけない事となっている。しかし、現実にはまだ、色々問題があり、海外でパイロットを目指す、あなた自身よく気を付けておくべきだと思う。

25. How do you cope with stress?

人間は生きていく上で必ず何等かのストレスが溜まってくる。ある程度のストレス、arousal levelは、研究によればあなたのパフォーマンスを上げる。ただし、ある以上になると反対にパフォーマンスが下がる。そういう時には、趣味をするなどの気分転換はストレスを軽減できる。だから、こう聞かれたときは、週末に趣味などをしてストレスを発散させます!なんて答えが頭に浮かんでしまうのですが、、、、、

面接官が聞きたいところはそこではないので、注意が必要だ。


この質問のcontextは、急を要する事態や、予期していない出来事などで、フライト中に、パイロットは急激で大きなストレスをうけてパフォーマンスの低下を引き起こすことがある。すでに飛行経験をお持ちの方はよくご存じだとおもう。そういう時に、どうしたらよいか? まさかフライト中に釣りをするわけにもいかないので、このストレスをコックピット内で短時間で軽減させる必要がある。それは人によっていろんな方法があり、生理現象で無意識のうちに行っている場合もある。この質問では、自分で分析して答える必要があるので、準備しておく必要がある。でないと、面接中に大きなストレスを抱えることになり、面接のパフォーマンスが下がってしまうのだ。

私の場合は、仕事の優先順位 priority を付ける、task shearing をする。

When I felt a big stress during flight, I prioritized tasks and sheared tasks to other people so that i could reduce my stress and maintain better performance.  

気を付けた方が良いのは、大声を出す shout!なんて方法。これは生理的に出てしまう現象でもあるのだが、周りにストレスを与えてしまうため、自分なりにコントロールできるようにしておいた方が良い。絶対に誰かを責めたり、激励するために大声を出したりしてはならないの当然で、最悪の事態を巻き起こす可能性がある。もしあなたがキャプテンであるならば、周りのパフォーマンスがどんどん低下していくのを感じるだろう。

I shouted sometimes. After shouting, I felt better. But it's my least option. I can control myself better now.

Why did you not like to shout in a cockpit?

This is because it may give some stress to others.

26. Give me an example when you are under a big pressure and managed it well despite of it?

これは、基本的に25の答えと同じになるが、ここでは具体例を出す。

When I had a big pressure, I prioritize tasks and shear tasks with other people. But I had a situation where i had to approach from different aspect.  

Could you tell me the situation you had ? 

I had very loud bang noise just under the flight deck during flight. Passengers  and Cabin attendants were frightened. There wasn't any warning or abnormal indication in the flight deck except the noise. We had tried to diagnosis the problem for more than 20 min,but could not find it. While I was in the busy situation, cabin attendants kept asking me what was going on ? and etc. My FO asked me what we could do. Even worse, we realized that we didn't have much fuel any more.  I felt big pressure as a captain. 

Wow, It is interesting situation.  Couldn't find what was the problem, You could not have applied any checklist to fix it. What did you do?

I prioritized the task and looked at the problem from different aspect.  Whatever the problem was, we had to land safely. So instead of diagnosing the noise,  I had a quick discussion with FO and CA about how we could make a safe landing. We quickly configured the aircraft for landing and noticed that everything were fine. I told ATC that we required Local airport standby of Emergency just in case. We managed to land without any further issue and  disembarked PAX. 

Whats was the problem ?

After engineering investigation, it was a problem of avionics overboard duct running under the flight deck. It was collapsed during descending and made a large noise.

似たような質問で以下のようなものがある。


How do you perform under pressure?
Give me an example of situation where you have had to make a decision that involved a level of risk.

これらの Pressure に関することは他にもあるが、答え方が非常に難しいものがある。

”Peer Pressure”

次回はこれについて書こうと思う。

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