見出し画像

既存店売上高を大切な指標にする

日経MJを眺めていたら、アパレル系の
12社のうち9社が、6月に増収であった
との記事が目に入った。

ユニクロやユナイテッドアローズ、
しまむら、チヨダといった大手の
衣料品・靴専門店が計12社取り上げ
られており、気温の上昇が夏物の販売に
弾み
をつけたというニュアンスの記事で
ある。

各社の販売実績が表になっていたの
だが、そこにあった項目は
・全店売上高
・既存店売上高
・既存店客数

これらの数字の前年同月比を%で
表す
ものであった。

全店と既存店とに分けてKPIを見る
いうのが、小売チャネルを持つ企業の
一つの特徴
であると言える。

小売店は、新店をジャンジャン出せば
それだけ売上を積み増していくことが
可能だ。

とはいえ、出店場所が既存店に近すぎ
たりすると、いわゆる「カニバリ」
要は需要の食い合いが起こってしまい、
既存店の売上が大幅にマイナス、
というような事態に陥りかねない。

同時にブランドの鮮度が落ちている
タイミングだと、出店して店舗数が
増えているのに、全店売上が増えない

なんてこともありうる。
そうなると、もう地獄絵図である。

MJの記事を眺めるに、
ユナイテッドアローズは大変に
調子が宜しいようだ。
既存店売上高が+12.2%の伸びを示し、
既存店客数も+1.5%。

値上げをしても客数が落ちなかった
いうことだ。
当然ながら、全店売上も純増で、
+12.7%の好業績である。

逆に、ユニクロはあまり調子が宜しく
ないように見受けられる。
既存店売上高が‐3.4%、既存店の客数に
至っては‐14.5%と大幅に減少。

辛うじて全店売上高が+0.1%だが、
既存店のマイナスを出店攻勢で何とか
ごまかしている構図
になってしまって
いるのだ。

当たり前の話であるが、
こうやって売上高を、全店のものと
既存店のものとに分けて分析をする

だけでも、その企業なりブランドの
健全性が分かる。

じゃんじゃんお店が増えて、
それに従って売上高も増えて、
勢いよく見える企業やブランドでも、
既存店が伸びていない場合は
かなり要注意
なのだ。

結局、既存店にお客様が付かないと
いうことは、リピーターがいない
いうことで、商品力がないか、
接客力に欠けるか、あるいはそれら
両方ともに当てはまる
ということ。

商売は、長続きしてなんぼの世界。
既存店の売上高が着実に積み上がる
ことを目指し、結果全店の売上高も
伸びるのであれば良いだろうが、
とにかく全店で伸びればOKとして
既存店の伸びをないがしろにすると、
あっという間に没落間違いなし。

全店売上高を伸ばすために、
無理して店舗数を増やしていくような
やり方は、非常に無駄が多い。
既存店売上高を着実に伸ばして、
乞われて初めて出店を検討する位の
余裕を持った経営を目指したいもので
ある。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。