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反面教師になる店頭プロモーション

4月から毎月1回、自らの主催で
マーケティングのセミナーを企画
運営・実施している。
いよいよ来週の火曜日に、その
6回目、最終回までやって来た。

今回のテーマは、Promotion。
日本語に訳すと、販売促進とか、
そのままプロモーションと呼ぶ
ことも多い。
いわゆるマーケティングの4Pの
うちのひとつである。

TVCMに代表されるような、マス
媒体を使った広告展開から、
店頭で値下げをしたり、POPとか
シェルフトーカーと呼ばれるもの
を使っての消費者アピールまで、
ひとくちにプロモーションといって
も非常に幅広い。

たった1回3時間のセミナーで全てを
網羅するのは不可能だが、凝縮した
エッセンスを持ち帰ってもらえる
ように準備を終え、今から本番が
楽しみである。

先日、近所のスーパーで買い物を
してきた際に、頻繁に目にしていた
プロモーションを見て、改めて
「残念」なプロモーションだなぁ
と思ったものがある。
それは、「お肉の3パック」販促で
ある。

「お肉、お肉、お肉の3パック、
1,000円、1,000円、1,000円です!」
「3、3、3、3、3パック。
1,000円、1,000円、1,000円。
お肉の3パック1,000円です!」
というような言葉を、威勢の良い
オジサンがひたすら連呼している
テープをずっと回し続けている。

「まとめ買い」というのは、定番の
販促手法だ。
2つ、3つとまとめて買う場合には、
1つあたりの価格を下げてお買い得
感を出す。
買い上げ点数を増やし、トータルの
買い上げ金額を増やせる。

このスーパーの「3パック1,000円」
販促がとても残念だと私が考えている
理由というのは、1パックあたりの
設定金額がそもそも高すぎるという
点にある。
この販促をやるために、あえて最初
から高い価格を設定しているとしか
思えないのだ。

仕事柄、定点観測を欠かさないので、
スーパーに置いてあるモノの値段は
大抵相場観を持ち合わせている。
お肉のグラムあたり単価も、牛と
豚と鶏で、高級なものから最安値
までおおよその価格ゾーンは把握
しているつもりだ。
そのゾーンから大分離れた価格を
つけておいて、頻繁にこの手の
「3パック1,000円」販促をやって
いるのは、正直言って消費者を甘く
見ているとしか思えない。

それでも延々とこの販促をやって
いるということは、それなりに効果
があるとスーパー側が評価している
か、あるいは惰性で続けているかの
どちらかだろう。
実際に売上が伸びているのか、
縮んでいるのか、私には知る由も
ない。
なので、あくまで推測に過ぎないが、
自店舗の前月比や前年比ばかり見て
一喜一憂しているうちに、他の近隣
スーパーや肉の専門店などに顧客を
奪われていることに気付いていない
というようなオチではないか。
そんな感想を持ったのである。

買い物客の多くが、グラムあたり
単価の相場観まで持っているとは
思えないものの、やはり消費者を
小手先でだますような販促は、
中長期的には成り立たないと
肝に銘じるべきだ。

ちなみに、来週で最終回と書いた
が、続編を現在企画中。
最近本業がバタバタしていて、
企画が追い付いていなかったため、
今から追い込みである。



己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。