見出し画像

ニーズとリソースの橋渡しを「農」で行う

以前に何度か書かせてもらっているが、
「マーケティング」という言葉を
私なりに定義すると、
「ニーズとリソースを橋渡しする」
というのがしっくりくると思っている。

お客様が抱えているニーズ。
そのニーズを叶えるリソース。
両者が結びつくときに、
「マーケット」が生まれる
からだ。

その、「マーケット」を生むための
一連の行為・働きかけ
が、
広い意味での「マーケティング」
呼べるのである。

この広い意味での「マーケティング」を
農業の世界で実践している事例として、
紹介したいものがある。

就農人口の比率がどんどん減り、
目も当てられないような高齢化が
着々と進んでいる日本の農業。
そこに一石を投じる動きを、
10年以上にわたって続けているのが
小島(おじま)希世子さん

本のタイトルにある通り、
ホームレスや引きこもりといった
社会的弱者と言われる人々を、
人材不足の農業界とマッチング

させることによって、双方ともに
ハッピーにする取り組みをされて
いるのだ。

いわゆる「社会起業家」といって
よいだろう。
社会問題を、ビジネスを通じて
解決してしまう
という、
素晴らしい試みをされている
わけである。

社会起業家というと、
ボーダレス・ジャパンの田口社長
思い出す。

田口さんは、社会起業を
「システム化」
されている
ところが凄いのだが、
小島さんの方は、最初から社会起業を
志していたわけではない。

子どもの頃から「農」に近いところで
育ち、いつか「農」の仕事をしたいと
願いながら学生生活を送りながらも
なかなか関われないまま日々が過ぎた。

一念発起して、学生時代に
アルバイトを「農」と関わるものに
一本化
したところから、
後はあれよあれよと「農」漬けの
社会人人生へと突き進んだ様子。

そして、熊本から首都圏に出て来て
純粋に感じた、
「なぜホームレスがいるのか?」
という疑問
に対して、自分なりに
解を探していくうちに、不足する
就農人口をホームレスの人たちで
埋めればいいじゃないか!という
まるで天啓のような気付き
を得た
ところで、その実現へと邁進して
行かれたのだ。

この辺の、仕事人生の「転がり方」は
非常にエフェクチュエーション的で、
成功する起業家の「模範」といって
良いのではないか。
そんなことも感じた次第である。

就農人口を増やしたい
あるいは具体的に自分たちの
農園での働き手を増やしたい
そのようなニーズを、
しっかりと働く意思があって、
働く能力もあるが、たまたま
ホームレスという状況に陥って
苦しんでいる方々
を見つけて来て、
うまいことマッチングすることに
成功した「ホームレス農園」

その農園が実際に展開されている
藤沢市は、私の住まいからも遠く
ない場所にある。
近いうちに訪問する機会を
是非探りたいと考えている。

この本の内容に関しては、
もう少し取り上げたい内容もあり、
後日に続けたい。

この記事が参加している募集

マーケティングの仕事

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。