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桃太郎伝説とPR

昔話の中でも定番中の定番
と言えば、三太郎。
浦島太郎金太郎、そして桃太郎
ということに異論はないだろう。

桃太郎の伝説は、岡山県が発祥。
それは随分昔から、誰に聞いたか
までは覚えていないものの、
「常識」として記憶に残っている。

ただ、岡山に残るおとぎ話の原型と
言われるお話しは、みんなが知る
桃太郎の話とは異なっているようだ。
興味のある方は、上記サイトに詳しい
ので確認いただきたいが、
犬、猿、雉が出て来ない点からして
大分イメージとは異なる。

実際、岡山が本当に発祥なのか、
そこには諸説あるようだ。
Wikipediaにある内容をかいつまんで
まとめてみると、こんな感じだ。

ゆかりの地とされる場所は全国にある。
岡山県は、全県を挙げてPRした結果、ゆかりの地として全国的に有名となった。岡山を発祥地とする主張の三大根拠とされるのが、吉備(黍)団子、桃、そして、吉備津彦命の温羅退治伝説である。
岡山以外では、桃太郎サミットや日本桃太郎会連合会に参加する自治体として、以下が挙げられる。
 山梨県大月市
 岡山県岡山市
 香川県高松市
 愛知県犬山市
 奈良県磯城郡田原本町

何と、岡山発祥と言うのは、どうも
PR活動の結果もたらされたイメージ
に過ぎない
ようだ。
もちろん、根拠がない訳ではない。
黍団子が吉備団子に通じること、
桃が地方の特産物であること、
そして吉備津彦の温羅退治伝説の存在。
これら3つがあるからこそ、
信憑性が高いということで一般に
岡山説が浸透したと言える。

つい最近、読売新聞の記事で
大月の桃太郎伝説に関するものが
掲載されたので、思わず読み込んで
しまった。
大月市は最近、観光PRを兼ねて
この桃太郎伝説をアピールしている

様子。

上野原市の「犬目」は、富嶽三十六景の
一つに数えられ、富士山が美しく見える
場所。
そこで「犬」を仲間に加えた。
大月市の「鳥沢」では「鳥」(=雉)を、
同じく「猿橋」では「猿」を加えて、
同じ市内にある岩殿山で鬼と対決した、
そんなストーリーである。

確かに、地名が「出来すぎ」と思える
ほどに、桃太郎のおとぎ話とリンク
していて、興味深い。

これら大月や岡山に加え、奈良や高松
といったゆかりの地が集まり、
「桃太郎サミット」なるイベントを
毎年のように開催していたようだ。

昨年はコロナ禍の影響でキャンセルと
なった様子。
今年は、昨年のサミットが予定されて
いた大月で、10月16日に無観客にて
開催される予定らしい。

観光地のPRと言うと、一時期
やたらとご当地キャラクターが
生まれたのが記憶に新しい。
くまもんやふなっしーが大人気、
続けとばかりに色々なゆるキャラ
たちが雨後の筍の如く現れた。
「ゆるキャラグランプリ」
2011年から始まり、10年ほど
続いている。

観光地単独でPRしても、やはり
限界がある。
桃太郎サミットにせよ、
ゆるキャラグランプリにせよ、
観光地としては敵対関係にある
同士ながら、手を取り合って
イベント化し、PR要素を創造して
話題性を喚起することに成功
して
いる点に、見習うべきポイントが
あるように感じる。

競合を排除するのではなく、
協力して市場そのものを大きく
するという発想。

これぞ、マーケティング的な
発想と言えるだろう。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。