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地名に潜むもの

もう20年以上前だが、
家を買うにあたって
ある方から教わったこと。
それは、「地名に気を付けろ」
ということ。

より具体的には、「さんずい」の
付く漢字が地名に入っている場合、
水害に遭いやすい地名であることが
多いので、注意せよとのアドバイス
だった。

確かに、「池」とか「沼」、
「川」や「河」といった名前の
付いているところは、
たとえ今現在は名残がなくとも、
実際に過去は湖沼や川の流れで
あった可能性があるわけだ。

あとは、「谷」とか「田」など、
土地が低いところにあることを
想起させる場合も同様だ。
川が氾濫したとか、津波が来る
などの水に関わる自然災害で
真っ先に被害を受けるリスクが
高い。

東京に住んでいる人は、渋谷を
想起してもらうと分かりやすい
かもしれない。
あそこは正に「谷」、大雨が
降った時には、周辺の坂という
坂から雨が流れ込んできて、
駅前が水浸しになっていたのを
見たときには大変に驚いた。

駅というのは、実は低地に作られて
いることが多い。
地主が、鉄道を作るからということ
で半ば無理矢理拠出させられている
ことも多く、その際には少しでも
手離す土地が価値の低いところで
済むように駆引きがあったような
話を聞く。
それゆえ、山手線の線路を見ると、
意外なほどくねくねと蛇行しながら
一周しているのである。

私が住んでいる土地の住所は、
実は「さんずい」も入っていれば、
「田」の字も入っており、
全く人のアドバイスを聞いていない
じゃないか?!と言われそうな
地名だ。
しかし、実況見分の上で、土地が
割と高いところにあること、
地盤がかなり固いらしいことを
確認したので、安心して購入した
という経緯がある。

この地名、マーケティングとは
何ら関係なさそうだが、半ば
無理矢理関係づけて話をして
みようというのが今日の趣旨。

近所に、「十日市場」という地名
がある。
これは、毎月十日に市場を開いて
いたことから付いた名前
だという
のは、多くの人が推測できると
思われる。

毎月何日に市場を開くかによって、
全国各地、それをそのまま地名化
したところが数多ある。

一日市(場)
二日市(場)
三日市(場)
四日市(場)
五日市(場)
六日市(場)
七日市(場)
八日市(場)
九日市(場)
十日市(場)
廿日市
・・・

調べたら、やはりこういうマニアックな
ことを調べてまとめてくれている人が
いた。

「市」で終わるところが多く、
「市場」で終わるところは少なめ。
「市」の代わりに「町」とする
ところも割と多い印象だ。

「市場」とは、英語にすれば
「Market」である。

「Market」とは、「取引」が
なされる場。
その「取引」を生み出そうとして
様々な働きかけをすること、
それこそが「Marketing」。


「〇〇市(場)」という地名を
見る度に、Marketingはこういう
場所で生成・発展を遂げてきた
のかもしれないなぁ、などと
勝手にノスタルジーを感じる
のである。
これはもはや職業病だろうか。



因みに、写真は等々力渓谷である。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。