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2019/12/22 大人の科学マガジン「トイ・レコードメーカー」体験@誠品生活日本橋

学研が発行している『大人の科学マガジン』は、「そんなのを出して大丈夫? 需要ある?」なんて素人の心配をよそに、ニッチな科学の組み立てキットを付録に設定し、大手を振って本屋に登場する。赤いテルミンをはじめ、いくつ買ったか忘れたけれど、わたしもまんまと編集部の術中にはまっているひとりだ。

来春、その『大人の科学マガジン』46号として、「トイ・レコードメーカー」が登場する。案内を見て即座におもしろそうだと飛びついたのは言うまでもない。その後すぐに、東京で販売に先駆けたワークショップがあるというし、しかも偶然にも東京にいる日だったので、こちらも参加することにした。

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会場は、COREDO室町テラスにある誠品生活日本橋。誠品生活は、台湾の書店「誠品書店」を中心とした複合セレクトショップで、日本橋のお店は今年9月にオープンしたばかりだそうだ。ワークショップの最初に、誠品生活と『大人の科学マガジン』とのつながりが紹介された。以前、台湾で『大人の科学マガジン』の大きな展示会を開催したのが縁だという。今回のイベントも、製品ができる前に「一緒に何かやろう」と見切り発車したそうだ。何かを始めるとき、フットワークの軽さは大事だと思うし、そういうノリは結構好きだ。

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ワークショップは、最初に編集部の方からの制作の経緯などの紹介があって、そのあとはふたつのタスクに取り組んだ。ひとつ目が「自分のこえを吹き込むこと」、ふたつ目が「音楽を録音すること」だ。今日は、レコードメーカー本体の組立てはなく、すでに完成したものが用意されていた。

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1)自分の声の吹き込み
 事前の予告ではスマートフォンで音源データを数本用意しておくように言われていた。だから、レコードにしたい音楽をいくつか準備していた。「まさか自分の声を吹き込むなんて!」と思ったが、考えてみれば子供の時分、母はカセットテープにわたしや妹の声を録音していた。喃語のようなものが大半だけれど、母はずっと残してくれていた。そのことを思い出す。今は簡単に動画も残せるけれど、デジタルではない声の記録というのも素敵かもしれない。
 今日は、iPhoneの中に入っている電子書籍の中から、筒井康隆『私説博物誌』所収「モア」と、太宰治「兄たち」とをそれぞれ朗読してみた。自分の声が、自分の声とは違うようなくすぐったい感じは久々だ。

2)音楽の録音
 ふたつ目のタスクは、スマートフォンの音楽データをレコードに記録すること。これがとても難しかった。高音質で低音までしっかり拾ってある音源だと、カッティング針に伝わる振動が大きくなりすぎて、レコード盤の溝が揺らいで音が再生出来なくなる。あれこれ編集部の方の力を借りて何度も挑戦したけれど、音楽の録音はうまく出来なかった。でも、カッティング針の振動のおかげで「音は波」なのだと目に見えて分かったので、それはそれでおもしろかった。

ブランクレコードをたくさん提供してもらったおかげで、試行錯誤を繰り返すことができた。ワークショップの時間中、どんなふうにしようかとか、どうすればうまくいくかとか、色んな方向から考えて手を動かすことにかなり集中していた。こういう没頭するのはやはり楽しい。

本誌の発売は、来春3月26日の予定。実物が届いたら、何を録音しようか、どう使おうかと今からとても楽しみだ。


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