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8泊9日台湾旅行記②~台北2日目基隆前編~

帰国後に一気に書こうと思っていたけど気力が続かなかったり、月末のプチ繁忙期で時間がなかったり、そうこうしているうちに次の旅行に出てしまったりで、すっかり間が空いてしまったけど、ぼちぼち続きを書こうと思う。
(*確定申告をやらないとならないんだけどなぁ…嫌なことは後回しにしたい人)
まだほんのひと月前のことなのに遠い昔のことのようでもあり、ついこの前のことのようでもある。
しかし、早く書かないと記憶が薄れてしまう。
幸いなのは写真だけはカメラとスマホで大量に撮ってあるので、おおよその行動を把握できることである。
メモは特にないので、写真だけが手掛かりになる。
しかし、写真のタイムスタンプを頼りにその日の行動を振り返っていたら、しばし矛盾が出て来た。
同じような時刻に異なる場所にいたことになるのだ。
そんな場面がいくつも現れる。
悩んだ結果の答えは時差だった。
iPhoneの方は台湾の現地時間に合わせて時刻が修正されていたけど、PEN-Fの方は日本時間のままなので矛盾が生じたことに気づいた。
台湾は日本よりマイナス1時間だから、PEN-Fの方から1時間を引くと矛盾が解消されてスッキリした。

今回の台湾は大雑把にしかプランを決めてなかったので2日目はノープランだった。
どこに行くかなにをしようか初日の夜にホステルで考えて、まだ行ったことがない基隆に行くことにした。
基隆には台北から台湾鉄路の列車で4~50分、約200円くらいで行ける。
区間列車、即ち各駅停車の電車である。
台湾の公共交通はとにかく料金が安い。
小一時間電車に乗って200円とか日本では考えられない。
台湾鉄路の列車に乗るのも初めてだ。
初めての台湾の時に台北から高雄まで高鉄、いわゆる台湾新幹線には乗ったけど、後はMRTにしか乗っていない。
いつも台北市内を回っていたので、高雄以外の遠出は久しぶりと言うことになる。
どんだけ台北市内が好きなのか。

台北駅までは西門のホステルから二二八和平紀念公園を突っ切って歩いて向かう。
ついバイクやグラフィティの写真を撮ってしまう。

春節ではコンビニさえお休みするところがある
除夕は大晦日のこと
読めなくても意味はわかるのが台湾華語の良い

8時半過ぎに台北の駅を出る電車に乗った。
空いている。

朝の台北駅
区間車はロングシート
列の端2席は必ず優先席になっている
停車駅の案内表示
百福と七堵の間のSLのマークはアニメになっていて煙が動く
中吊り広告の代わりに液晶モニター
沿線の車窓風景と車内
踏切の雰囲気は日本と変わらない
台湾では政治家の巨大な看板を良く見かける
右が基隆市長で左が市議会議員
投票と応援の感謝と新年の挨拶

小一時間で基隆に到着。
ホームは地下にあった。

乗って来た電車
各駅停車とは思えないスタイリッシュなデザインだ
基隆駅は終着駅
基隆車站(駅)北口

基隆は港町で雨の多いところで有名らしいが、なんせ晴れ女なので見事なまでの青空が広がっている。
今回の台湾では一度も雨に降られなかった。
と言うか、過去の旅でも一日中雨だったことはないし、台風が直撃しかけた時でさえ降ったり止んだりで傘がなくてもなんとかなったくらいで、名物のスコールでさえそんなに合ったことがない。
この季節に雨になると結構寒くて大変だと聞いていたので、とても助かったと思う。
なんせ台湾には基本的に暖房がない(ある程度のクラス以上のホテル除く)ので、気温が低いととにかくたくさん着込んで寒さを凌ぐしかないそうだ。
今シーズンの台湾のこの旅の直前はお天気が悪くて気温も低めだったみたいなので、本当にあたしの晴れ女パワーはすごいと思う。
以前もあたしが帰国した翌日から土砂降りの雨になり、台北の友人から愛茉さんに帰らないで欲しかったと言われたくらいだ。

基隆の駅舎は現代的なデザインなのに、すぐそばに台湾らしい古ぼけた建物がいくつも並んでいて、このギャップが堪らない。
この光景を見て一瞬で基隆を好きになった。
新旧の建物が混然となっているのが台湾の特徴だと思う。
台北車站の周囲だって新光三越みたいな新しいビルと隣接して路地裏商店街がひしめき合っているし、裏手はすぐに下町みたいな通りになっている。
東京駅の周辺とは大違いだ。
駅周辺に限らず明確なオフィス街やマンション街が形成されていないような気がする。
直接は見ていないけど、新しく都市整備されつつある台鉄桃園車站周辺はかつての新横浜みたいな新興都市的な街造りになっているみたいだけど、かなり例外なのではと思っている。
新旧の建物がパッチワークのように一体化した風景が台湾の魅力だと思っているので、出来れば日本のつまらない再開発みたいなことはしないで欲しいと願う。
台湾がこのまま経済的躍進を続けていけば、必然的に旧い建物も取り壊されてしまうのだろうし、現地の人たちがどう思っているのかは別問題であり、無責任な旅人の感傷的な意見に過ぎないことは充分に承知はしているけどね。


駅を離れてとりあえず港に向かう。
そう言えば台湾では高雄の港しか行ったことがない。
その時はライヴのために高雄に行ったので、ほんの少ししか港を散策出来なかった。
国内でも港のある街を訪れることが多くて、好きな風景のひとつだ。
基隆の港はありふれた感じだったけど、それでもテンションは上がる。

岸壁には台湾の海保らしき船が係留されていた
小型艇となんと潜水艇まで搭載されいる
アメリカ・ロサンゼルス港
係留ポストがドット柄
思わずアップで撮るのは草間彌生ファンだから
後ろのペイントは多分「日本沖縄」
ビルの壁面いっぱいのウォールアート
「あなたの人生の光になれますように」
自殺予防ホットライン


基隆港湾警察
某カフェチェーンの看板みたいな丸い看板のデザイン
こんなものをアップで撮っていて警察に怒られないかと心配した
港の近くの駐車場にて
港の背後の高台なにやら気になる光景が
派手な旗が目を惹く

基隆の灯台にでも行こうかと思っていたのだけど、遠くて時間がかかりそうなので、とりあえず当てもなく港を背にして歩き始めた。
そうしたら高台に色とりどりの旗が風になびく建物があったので、気になってそちらに向かうことにする。

狭くて急な階段の路地

入口らしき狭い路地の階段を歩くことにする。
こう言うのは勘で決める。
地図を見るよりも現地の風景を見れば、どこに行けば趣味に合う風景に出会うか何となくわかる。
だいたい外れることはない。

私道のような狭さなので歩いて良いのか疑問だった
小学校の通学路なのか?
道沿いに廃墟の建物が
ようやく旗の場所に近づいた
旗と言うかお札なのだろうか
基隆玉勅奉天宮と言う道教の寺院らしい

日本でもお寺が密集した地域があるけど、基隆でもいくつもお宮がこの辺りにあるみたいだ。
青空を背景にたなびく極彩色の旗が美しい。
周囲の建物が廃墟や廃墟寸前の燻んだものだらけだから、そのコントラストも見事だ。

基隆市中山區港西國民小學の校庭

しばらく歩くと先ほど掲示されていた小学校の校庭に突き当たる。
特に門もなく立入禁止の表示もないので入ってみた。

校庭の端には生徒作らしきウォールアートがあった
セクシーキャット!
子供らしいほのぼのとした作風
校舎の前にはしっかり門があって入れないようになっていた
降りる時にまた撮る
近くで見ると細かく絵や文字が描かれていた
これは別の菩薩様

ここから先は港に沿った大通りに戻る。
春節のせいか閉まっているお店が多い。
また当てもなく歩く。

動物のお医者さん
看板が可愛い♡
プロパンガス屋のトラック
小さなゲーセン?
ここだけ見ると日本のドラッグストアみたいだ
色褪せた柱の青と色褪せて錆びたシャッターの黄色
Mr.TSUBAKING氏によるところの「野良椅子」
台湾の郵便ポスト
赤はエアメイルと速達、緑は市外と市内
縦並びと横並びがある
日立の電化製品を扱うお店のトラックでしょうか
高台の上の現代的なマンションと麓のレトロな建物のコントラスト

この路地の先には後ほど改めて進むことになるのだけど、一旦大通りに出て北上すると道端に屋台風のお店が出ていて葱油餅を焼いていたので、思わず買ってしまう。
15TWDだから75円ほど。
屋台のおばちゃんだから英語も日本語も通じないけど、身振り手振りでなんとかなる。
少なくても台湾では謝謝さえ言えれば問題ない!
椅子とか置いてないので、しばらく歩いて道端で焼きたての葱油餅をいただく。
小さなサイズだったのでおやつにちょうど良かった。

葱油餅


葱油餅をいただいた後にまた狭い階段の道を上ってみた。
すっかり探検モードになってしまう。

ぬいぐるみが見えたので思わず撮ってしまった
こちらの坂道もなかなか登り甲斐がある


振り返ると港が見えた
廃棄物処理法違反の警告の貼り紙
ようやく上に着いた
ステンレスのタンクは貯水タンクなのかな
ニワトリが放し飼いにされていた!
結構な急斜面
青い倉庫は海岸沿いに建っている
枯れたススキが青空に映える
タバコを吸いながら階段に腰掛けてスマホを見ている人
観光客ではないと思われる
私道にしか見えない
消化器
この崩れ具合が堪らない
錆びた窓の格子がいい味を出している
窓の庇が壮観
おそらく手前に家が密接して建っていたはず
窓の向こうに洗剤のスプレー容器

迷路のような坂道を登り降りするだけでも楽しい。
さすがに夜に歩く勇気はないけど、お天気の良い昼間ならちょっとした冒険気分で撮り歩きが出来て、基隆の魅力を発見出来たと思う。
後でGoogle mapを見て気づいたのだけど、このエリアにもカフェがあったのだ。
春節だから営業していたかは分からないけど、次回は訪れてみたいものだ。
前日に調べた時に別なエリアに良さそうなカフェを見つけたので、そこに行こうと思っていたのだけど、このエリアがあまりにも楽し過ぎたのでどうでも良くなり、結局行かなかった。

先ほど葱油餅を買ったお店

この高台のエリアの坂道を片っ端から歩いたらさぞ楽しいだろうなと思う。
観光スポットなんてほぼないから観光客はいないんだけど、あたしが見たいのはこう言う風景だ。
人々の暮らしの息遣いが感じられて飾り気のない素顔みたいな街。

先ほどの迷路みたいな坂道とは違って広い路地に再び戻って上まで歩いてみた。
HITACHIのトラックが停まっていた通りだ。

陳母さん食堂
予約電話
先ほどHITACHIのトラックが停まっていた路地
ぬいぐるみがいっぱい
路地の奥にはトンネルが見えた

トンネルのようにも駐車場の入り口のようにも見えるし、果たして歩いて通行して良いのかも不明だったけど、好奇心が勝って歩いて見ることにした。
時折クルマが走って行く。
なんとなく不審な目で見られている気がする。
中はループ状になっているので、ますます自走式立体駐車場の雰囲気があり、間違って入り込んでしまった感がある。
それでも今更引き返すわけには行かないので、構わずに歩いて行く。
途中から歩道が極端に狭くなり不安が募る。

ループ式の通路
形ばかりの歩行者スペース
上に出た

結局ここはただのループ状のトンネルだったみたいで高台の中腹に出られた。
この記事を書くためにGoogle mapで調べたら「虎仔山回車塔」と言う施設みたいだった。
そして地図で見たらさっき登った時にたどり着いた小学校はすぐ隣にあったことが判った。
それぞれの道が斜めになっていて三角形の二辺で接する辺りに位置する感じだ。
そしてすぐ横には「大徳山楊府廟」と言うお寺があるので、ちょっとお参りすることにした。
本堂の横の休憩所には地元の方のグループが談笑している。
観光客があまり訪れるような有名な寺院ではないのだろうけど、特に不審に思われたり声をかけられたりもしないので、勝手に見て回る。
全体的に色あざやかなのは中華系のお寺ならではの色彩だ。
日本だと本堂の中は撮影禁止になっているところがほとんどだ。
ここには撮影禁止の表示は特になかったけど、一応日本に倣って撮影は遠慮した。
翌日に会った台湾の友人にそのことを聞いてみたら基本的には自由らしい。
とは言え、撮らなくて良かったと思った。
あまり宗教には興味がないんだけど、最低限こう言う場所では信仰に対して敬意を払いたいと思うし、世界的には宗教施設での撮影は禁止であるからだ。

出た先は駐車場になっていて港が見える
大徳山楊府廟
入り口には狛犬みたいに獅子の置物が
太いお線香がキャンドルみたい
港が良く見える


お寺の前の階段を下って行くと「福安宮」と言う別なお寺に出た。
多分そこなんだろうけどGoogleの写真を見ても良く分からない。
派手な龍の彫り物とかあって見事である。

お参りしている人がいた

お宮を出てトンネルのある通りに戻ったらそのまま下の大通りに戻ることにする。
思い切って謎のトンネルを歩いて良かったと思った。
こう言うことは下調べとかなしで偶然見つけた方が面白いに決まっている。
ガイドブックには載っていないような場所を見つけられるかどうかで旅の充実感が違って来る。

スクーターのシートに猫避けが
タクシーもとにかく派手
例のHITACHIのトラックの後ろにはボロボロの自転車があった
迂闊に座るとひっくり返る3本脚の椅子
楊府廟の入り口の表示があった
派手な看板は不動産会社のものらしい
プロパンガスボンベを満載したトラック
働くクルマを見るとつい撮ってしまう
修理工場の店先
倒れた自転車
一瞬マグロのカマだと思った

長くなったので、ここで前編を終えることにする。
この後は基隆駅や港に近いエリアで食事したりお茶したり、相変わらず路地を歩いたりして基隆滞在を楽しんだ。
そして台北に戻って簡単に食事して2日目は終わる。
以前にダイジェストで夜は西門に行ったと書いたけど、さすがにくたびれて夜はホステルで過ごしていたみたいだ。
続きをお楽しみに。
あと、たまたまこれを読んでくださった方は他の投稿も読んでいただけたら嬉しいです。

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