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海外展開を考えるならアーティスト名は英語表記で統一した方が良い?

これからデビューすることを考えているアーティストは最初から目標地点を明確にしておいた方がよい。という話になるのかな。たぶん。

これまでのすったもんだを簡単に説明すると、私は50代も後半になってアーティスト活動を開始した。まずは曲を作って人に聴いてもらうところからスタート。ある程度認知されるようになったらライブ活動もやりたい。日本国内には私の作るような音楽を聴いてくれる人はとても少ないので、当初から海外で展開するつもりでいた。SoundCloudやBandCamp、SNSなどで作った曲を発表するも、全く反応がない。海外どころか友人ですら興味を持ってもらえない。

そうしているうちに、今は素人でも金さえ払えばApple Musicなどで自分の曲を配信できるということを耳にした。ディストリビューター、すなわち「代理店」に登録するだけで、本当に自分の曲がApple Musicに登場するのである。これには驚いた。早速実践してみる。

*この辺の経緯は過去記事に詳しく書いてあるので興味があったら読んでみて下さい。

最初に選んだディストリビューターがTuneCore(海外大手の日本ブランチ)。アーティスト名を登録する際に「国内用」「海外用」ふたつのフォームがある。国内用は日本語で、海外用はローマ字表記で申請するのが一般的。普通はこれで問題ない。

私もアーティスト名「ローリー」(もちろん仮名ですよ、念の為。)、ローマ字表記「Rolly」として申請した。

ディストリビューターを介して配信された曲は、Apple Musicなどに登場するのだけれど、ローリーという名前のアーティストは僕の他にもたくさんいるので、そのまま何もしないと他のローリーさんと混同して扱われてしまう。これはSpotifyなど他のサービスでも同じ。

それぞれの配信サービスには「アーティストページ」という、アーティスト専用のサービスがあり、アーティストが申請をして認証されると各自、自分のアーティストページを持つことができ、混同している他のアーティストの曲と自分の曲を分離したりなど、ある程度、配信した楽曲の整理、管理することができる。

さて、前の記事でも話したことだけど、日本のディストリビューターを介して配信された楽曲はどうやら「海外では聴かれていない」という事実が判明。私の場合、ワールドワイドに展開することが目的なので、それは困る。そこで海外のディストリビューターを使ってみることにした。

海外のディストリビューターでアーティスト名を申請する際、当然、日本語表記は最初から存在しない。普通に「Rolly」として申請する。

これがだな、各配信サービスのプラットフォーム上で、新しく楽曲をリリースしたアーティスト「Rolly」と、元から存在する「ローリー」が、同じアーティストとして認知されなかったりするんだわ。

ひとつのケースを紹介すると、Spotifyに、もともと存在する「ローリー(英語表記Rolly)」とは別に新たに「Rolly」のページができてしまった。前者には日本のディストリビューターから配信した楽曲が、後者には新たに海外のディストリビューターから配信した楽曲が、それぞれ異なるアーティストのものとしてリストされている。

このケースではSoundCloudを使って楽曲をディストリビュートしたのだが、SoundCloudの配信仲介サービスでは、楽曲のリリース手続き時に、Apple Music及びSpotifyそれぞれのアーティストページのリンクを登録できるようになっている。これでいちおう、時期バラバラに配信された楽曲が、それぞれアーティストに紐付けされることになるのだけれど、どういうわけかSpotifyのアーティストページの方は何度やってもエラーが出てしまい、アーティストページのリンクを登録できなかった。それを無視してリリース手続きを完了したところ、上記のようにSpotify上に日本語名とローマ字名のふたつのアーティストページができてしまったというわけだ。

しかも、他の音楽配信サービス、例えばAmazonMusicやYouTubeMusicなどについては、SoundCloudの楽曲リリースの手続きをする際に、最初からアーティストページのリンクを登録する項目が付いていないので、曲がアーティスト(このケースでは「ローリー(Rolly)」)に紐付けされるかどうかは、配信が実際にスタートしてからでないとわからない。

何でここまで混乱することになるかと言えば、つまりは、ひとつのアーティストに「日本語名」と「ローマ字名」の2種類の名称が存在するからに他ならない。

なので、ワールドワイドに展開するつもりで、特に日本国内での需要を見込んでないアーティストの方は、最初からアーティスト名は英語(ローマ字)表記で統一していた方が何かと問題が少なくて済むんじゃないかと思う。

私の場合、「最初から海外を視野に入れている。」とか言っておきながら、最初の国内ディストリビューターに名称を登録する際に、何故か日本語表記と英語と両方の名称で申請してしまった。もし本気で海外(だけ)を向いていたのであれば、最初から日本語名称のことなど無視したであろうに。

海外を向いている。なんて大きなことを言いつつも、あわよくば国内でもちやほやされたいという欲張る心が、結局、災いを招き込んでしまったと言えよう。自業自得とはこのことだ。

何を始めるにしても、しっかりと目標を立てることが重要。という話。




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