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映画アメリ

映画を観ることが好きです。
母の映画愛の影響もあり、大学4年生の夏に色んな作品に触れてからずっと好きです。

ありがたくも今住んでいる岡山にはイオンシネマ等以外にシネマクレールやメルパというミニシアター的な映画館もあり、観たい映画を映画館で楽しめる環境です。

特に個人的に胸を打たれた作品は繰り返し観ることが多く、その中でも最高視聴回数である「アメリ」の話をします。

2001年にフランスで製作された映画でご存知の方も多いですよね。
わたし自身、アメリの特徴的な髪型といたずらな笑みのポスターが知らぬ間に脳内インプットされた状態でしたが、特に惹かれず若者向けの洒落乙映画なんかなーと斜に構えて観ていませんでした。

ある日映画好きの母に
「アメリを観て欲しい。けど勧めたら余計観んだろうから、直子にすごくお勧めであることだけ伝えておくわ…」
的なことを言われました。

天邪鬼な娘への健気な勧め方に心折れ、少し不本意ながらも観ることにしました。


※これ以降、作中でのストーリーやセリフなどのネタバレありです。


ざっくりストーリー説明すると、家庭環境の影響もあり他者と深く関わり合うことなく幼少期を過ごした主人公アメリ。
22歳あるきっかけにより自ら他者と関わろうとし、人と出会い恋をし、自分の殻に篭ろうとする心の壁を越えていく、といった感じです。

自ら作り上げた殻を叩き、他者と関わり始めますが、肝心な時に自分の正体を隠してしまうため好意が伝わることはありません。

遠くの壁に隠れながら凄まじい手間暇をかけ意中の人々に働きかけるアメリ…

だからこそ正体を隠さず触れ合うシーンはわたしにとって革命でした。

目の見えないおじいさんを道案内するシーン

恋するニノを追いかけるシーン


陰ながらアメリを応援してくれる、骨がガラスのように弱い体質から自宅にこもり生活するおじいさんの台詞は今でもたまに読み返す宝物です。


お前の心はガラスじゃない
人生にぶつかっても大丈夫だ
もし今このチャンスを逃したら
やがてその心はわしの骨のように
乾いて脆くなってしまうだろう
さあ彼を捕まえるんだ



この映画を観て感動しない人もいると思います。
コソコソ計画練ってる暇があればお茶でも誘って話すれば?という意見もうなづけます。

そんなストーリー性を持ちながら
ジャンピエールジュネ監督が撮る、独創的な画の力強さ、テンポの中にある緻密なメリハリの多幸感
ヤンティルセンの印象的かつ自然と流れる音楽
主演オドレイトトゥの可愛いけど小難しそうな存在感
脇を固める役者さんたち全員の、今そこで生活して居るといる現実感

これらの要素がバランスを取り合い調和した世界に多くの人が魅了されてきたのだと思います。


わたし「大好きな映画だったよ!勧めてくれてありがとう!何でわたしに観て欲しいと思ったん?」

母「直子みたいな主人公やなと思ったからよ」
だそうです。

ドキドキワクワクしながら、心が壊れるように感動する物語!
わたしにとってそんな名作「アメリ」でした。


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