見出し画像

[現地観戦]雑感#8|2024.3.31 ノア後楽園ホール「ワグナーvsジェイクのGHC戦など」

今更ですが現地で観戦していました。この興行、最初から最後まで会場が異様な盛り上がりで、わたしも漏れずに興奮しっぱなし声援で叫びすぎて、翌日に疲れが残るほどだったのですが、その“翌日”には「MONDAY MAGIC season2」が始まるという容赦のなさ。結局、感想記事を書けぬまま1週間経ってしまって今に至ります。書きたいことも多すぎて、それで逆に腰が重くなってしまって……(思い切って削っていきますけどね!)。

と、ウダウダ書いていますがさっさと本題に入りましょう。例によって写真とともに簡単に感想を残します。現地での観戦は感情的になっているので、戦術分析などの冷静な感想が書けないことが最近ようやくわかりました。そして、プロレス観戦にハマって一年足らずの新参者なので、内容が浅かったり、見当違いな見解があったりするかもしれません。もろもろご容赦ください。

公式サイト試合結果ページ


主なできごと

  • 客入りが良く盛り上がった。試合前には特別なグッズ販売企画やサイン会が開催され、温まる要因だったかも。

  • 解説席に元井美貴さん。NOAH初登場。

  • 小峠選手、杉浦選手に執拗に絡む。杉浦選手も倍返しで両者バチバチ。

  • 清宮&大岩vs拳王&大和田のGHCタッグ次期挑戦者決定戦。からの拳王vs清宮の一騎打ちが決定。

  • 丸藤vs憂流迦のシングルマッチ。

  • ナショナル王座戦線。HAYATA選手がモリス選手を翻弄。モリス選手は苛つきで錯乱。

  • ワグナーvsジェイクのGHCタイトルマッチ。ワグナー選手防衛。


雑感

(1)第1試合から白熱!マサ北宮vs谷口周平!

もっというと、試合前のG-Manの客席煽りからいつも以上に盛り上がっていました。そんなG-Manは、この第1試合についてこんなツイートをしていて……

クマとクマの重厚な迫力ファイトを見ながら、北宮選手と谷口選手の姿をこのクマたちに重ねて思わず笑ってしまったのですが、いざ試合が始まると、実際ほぼこれでしたね。やっぱりリークだったんだ

そんなクマの喧嘩ぱりの二人の試合ですが、第1試合にも関わらずエプロンでの断崖技の攻防が展開されるほど両者とも意気込みが感じられました。北宮選手はVCタッグリーグでの結果に悔しさを滲ませつつ闘志を燃やすコメントが記憶に新しいところで、絶対に負けられない試合だったと思います。

対する谷口選手は、ここ最近で(私が観測する範囲でですが)、最も躍動していたのではないでしょうか。2/28の新宿FACE大会でのジェイク・リー選手とのシングルでは、ジェイク選手の負傷箇所である肩を攻めるも、動きは緩慢としていたし、3/17の横浜武道館大会での稲葉選手とのシングルでも、攻勢の場面で棒立ちで動きが止まる姿が多く見られました。ところが、この試合では休む姿はあまり見られず、常に相手を攻める姿勢が感じられ、試合が白熱する大きな要因となっていたと思います。

第1試合で二人が会場を盛り上げたのが、この後に続く全試合に影響を与えたといっても過言ではなさそうです。あっぱれでした。


(2)小峠選手、杉浦選手へ狂気の突撃!蘇るLIMIT BREAK旗揚げ戦の熱!

2/15後楽園ホールでの「LIMIT BREAK」旗揚げ戦で、対戦相手の秋山選手に闘志むき出しのバチバチファイトを挑み、うちに秘めた狂気・情熱を解き放ち、ファンの心を掴んだ小峠選手。ファンからは小峠選手のさらなる進化が期待されていましたが、思うほど持続せずその熱は徐々に失われつつある印象がありました。

ところが今回の小峠選手、あの日秋山選手にしたように、杉浦選手に真っ向からぶつかり、あの熱を再び見せてくれました。思えば、2/24の横浜ラジアント大会でも小峠選手は杉浦選手と激しい闘いを見せていましたし、手が合うのでしょうね。そして、その横浜ラジアントよりも激しさを増していました

激しい場外戦がわたしの目の前で!

素人なりに感じたことは、小峠選手、容赦のない荒々しい感情むき出しな攻撃をしてくれる相手がいてこそ輝けるのだな、と。また、そうではない相手の前で大人しくなるのは、小峠選手が優しいからなのだろうな、と。可能ならば、誰が相手でもこの日のような熱いファイトに持ち込んでいってほしいと思いますが……。怪我とかも心配ですしね、難しいところです。


(3)「TEAM NOAH」についていま思うこと

NOAH本戦で「TEAM NOAH」の選手のカードが組まれていると、不思議なことに「他団体との対抗戦」感があり、カードにテーマと価値が生まれてとても良いですね。それは多分、「TEAM NOAH」が単なる団体内ユニットの枠をこえて、独自の興行を打ったり、他団体に出陣しているからこそ、正真正銘NOAHでありながらNOAHの外にいるような独自の存在に感じられるのだと思います。少なくとも私は「TEAM NOAH」のカード、同じメンツであっても結成前より段違いで楽しみに思えるようになりました。GLGとの対抗戦も期待しています。


(4)大和田選手、ついに華のある新技!

清宮&大岩vs拳王&大和田のGHCタッグ次期挑戦者決定戦、エンドレスで会場が盛り上がり続ける、というかエンドレスで大和田コールが起こり続ける、まさに後楽園ホール沸騰といった試合でした(この時点で「この日一番の試合になるんだろうな」と思っていたのですが、メインでそれを超えたときには心底驚きました。本当に良い興行だった……)。

大岩選手を無視してひたすら清宮選……いや海斗さーんに粘着しつづける拳王選手など、見どころがいくつもある試合でしたが、わたしが一番衝撃を受けたのは、「大和田選手の新技」でした。まさかの、コーナーでのサマーソルトキック(技名を誤っていたらすみません)! フィニッシャーでなく繋ぎ技ではありますが、大和田選手のそれまでのイメージの斜め上をゆく、華やかな技に驚きと興奮がありました。

長らく、胸への打ち下ろしエルボー、ドロップキック(ミサイルキック)、フライングボディアタック、逆さ押さえ込みのクラシカルな技のみでやりくりして戦っていた(拳王選手とのハンマースルー往復ジャンピングエルボーもあったけど)ので、いつ新技が出るかと心待ちにしていましたが、まさかこのタイミングで!翌日のMONDAY MAGIC season2 ep1でも使用していたので、今後も継続使用していくのでしょう。

海外修行中の小澤選手がサンダーファイヤー風パワーボムやフェニックススプラッシュを実戦投入したようですし、大和田選手の次なる新技にも期待が高まります。個人的には、少林寺拳法仕込みの蹴りを見てみたいのですが……どうでしょう!


(5)憂流迦選手の成長と、天才丸藤選手の閃き

コーナーポスト4箇所、ぜんぶ回ってくれた丸藤選手と、ぜんぶ受けてくれた憂流迦選手
観客に浸透してきた憂流迦選手のオリジナル技「弁天」

憂流迦選手の試合の感想を書こうとすると、毎度「成長スピードが恐ろしい」的なことしか出てこないのですが、それってつまり「恐ろしいスピードの成長が“止まらないのが恐ろしい”」なのですよね。リング上での動き、位置どり、技のレパートリー、繰り出すタイミング、試合の組み立てなど、賞賛するところしかないのですが、トップ選手になるために必要なのはあとは「打たれ強さ」「はね返す力」なのでしょうか。これはどうやったら身につくのが素人にはさっぱり分かりませんが……場数と時間で自然に備わる「慣れ」なのでしょうかね……。

そして丸藤選手のフィニッシュもさすがでした。試合後のコメントで「危ねえ、危ねえ」と連呼するほど追い詰めらたことも大きいとは思いますが、やはり総合格闘技にはなくプロレスにある「ピンフォール・丸め込み的な技」で勝つのは頭にあったのではないでしょうか。しかも、谷口選手は憂流迦選手とのシングルでスモールパッケージホールドで勝利していましたが、丸藤選手はこの日、ジャーマンのクラッチでオースイ・スープレックス風に固める珍しい技で勝利。その前の股下越しの顔面へのドロップキックもですが、流石のナイス閃き。ポピュラーな丸め込み技でなく、意外性のある技を選択できる(その場でくりだせる?)のが、丸藤選手の天才性だな、と改めて実感しました。


(6)HAYATA選手に翻弄されたモリス選手、苛立ちすぎて錯乱

モリス選手の怒りっぷりが常軌を逸していて、お腹をかかえて笑ってしまいました。HAYATA選手の涼しい顔とのギャップがまたいいんですよね……。かと思えばモリス選手、HAYATA選手のマンハッタン・ドロップを受けたあとに、ヘロヘロな顔をして、謂わゆる“生まれたての小鹿”風に足をふらつかせていたり、表情豊かで楽しいですね。

ナショナルベルトに興味はないが、赤いベルトに興味があるHAYATA選手
ついにマイクで正式(?)に挑戦表明

試合後、4/11後楽園ホールでの王座戦が正式決定しました。正直なところ、この「怒り狂うモリス選手と涼しい顔のHAYATA選手」のドタバタ劇が見られなくなるのは残念だったりするのですが……。4/11後楽園ホールは生観戦の予定なので、そこでもコミカルな攻防が見られるのを楽しみにしています。


(7)ダントツのベストバウト、ワグナーvsジェイクのGHC王座戦

ジェイク選手のモノクルとハッカ油スプレー

大盛り上がりの興行を締めくくるに相応しい、ダントツのベストバウトでした。年間ベスト級かも。すでに記事が長くなっているのでサラッと振り返りますが、両者とも本当に素晴らしかったです。

互いのムーブを効果的に盗み合い、前哨戦で見せた動きの進化系を見せながら、会場のボルテージの臨界点で決着。個人的に最も素晴らしく感じたのは、ジェイク選手の粘り強さ。ワグナー選手も相当に耐えましたが、ジェイク選手がみちのくドライバーを幾度も返したからこそ、決着のムーンサルトが最高のフィニッシュになったと思いました。

両選手、面白い試合をありがとう!

(8)おまけ

バルコニーから試合を観戦する、シャワー後ふさふさ髪の北宮選手。
わたしはあなたにGHCチャンピオンになってほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?