見出し画像

図形の相似

平面図形の相似と三角形の相似条件

一方の図形を拡大または縮小したときに他方の図形と合同になる場合、二つの図形は相似であるという。

ここで、拡大、縮小の意味を明確にしておく必要がある。図形の拡大または縮小とは、図形上の任意の二点間の距離が一定の割合で増大または減少するように図形上の各点を移動させることである。

相似な図形の作図を考える。まずは拡大または縮小した図形の作図を考えよう。

図形上の任意の二点間の距離が一定の割合で増大または減少するように図形上の各点を移動させるには、どうすればよいか。

任意の二点を考えるのはややこしいので、一方を固定して考えよう。固定した一点との距離が定数倍になるように図形上の点を移動させればよい。

固定した一点は動かさず、それ以外のすべての点を移動させて距離が定数倍になるようにすることを考える。そのような点の移動はいくつか考えられるが、ここでは単純に、固定した点から移動させる点に向かう半直線上に、距離が定数倍となる点をとることにする。

これで、固定した一点からの距離が定数倍になる点を作図できる。ここで問題なのが、固定した一点以外の点同士の距離もまた同じ定数倍になっているかどうかである。

この問題についてしばらく頭を悩ませていたが、解決しそうにないので諦める。だから証明はしない。とりあえず認めることにする。

そうすると、図形を拡大または縮小したときに辺の長さがすべて定数倍になるといえる。よって、相似な図形の対応する辺の比がすべて等しくなる。

また、拡大または縮小しても線分のなす角は変わらないので、相似な図形の対応する角はそれぞれ等しい。

相似な図形を作図するには、平面上に適当な点をとり、その定点からの距離が定数倍になるように図形上の各点を移動すればよい。このとき、最初にとった定点を相似の中心といい、点の移動によってできた図形はもとの図形と相似の位置にあるという。

二つの三角形が相似になる条件は、以下の通りである。

  1. 三組の対応する辺の比がすべて等しい。

  2. 二組の対応する辺の比が等しく、その間の角が等しい。

  3. 二組の角がそれぞれ等しい。

1はおよそ相似の定義に合致しているので、納得できる条件であろう。2も等しい角を重ねてやればその角の頂点を中心として互いに相似の位置にあることがわかる。問題は3であるが、これについては今は保留しておく。角が等しいことと辺の比が等しいことの関係はなかなかわかりにくく、あまり直観的でないように思う。

相似な図形の相似比と面積比及び体積比の関係

もとの図形と相似な図形の対応する辺の比を相似比という。このとき面積比がどうなるか考えてみよう。どんな多角形も複数の三角形の組み合わせに分割できるので、とりあえず相似な三角形の面積比を考えることにする。

相似な図形の辺の長さはもとの図形の対応する辺の長さの定数倍になる。したがって、三角形の底辺および高さも定数倍になる。三角形の面積は底辺と高さの積の半分であるから、底辺と高さが定数倍になると、面積は定数倍のさらに定数倍、すなわち定数の二乗倍となる。よって、面積比は相似比の二乗に等しい。

体積についても同様に考えれば、体積比が相似比の三乗に等しくなることがわかる。

平行線と線分の比

平行線の同位角や錯角が等しくなることから、三角形の相似条件3より、相似な三角形が作図できる。したがって、線分の比が三角形の相似比によって求められる。

いくつか図形を載せようかと考えていたが、やっぱりめんどくさいのでやめる。図形の記事のくせに視覚に訴えられないのは致命的であるが、私はこの記事に対して分かりやすさをそこまで求めていないので、これでよしとする。とりあえず、指定された内容について書ければ私は満足である。読者は満足しないかもしれないが、そこはどうか容赦してほしい。弁解の余地もなく、私の怠惰のゆえである。

いただいたサポートは書籍購入に使いたいと思います