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流れていく社会と立ち止まる僕


「お前止まったって自分で思ってるってことはよ。社会に順応しようしてるんじゃないか。

たしかに。結局、考えなく機械化された自分がすごしていたのかもしれない。

「この世界は誰でもない。君しかいない世界なんだぜ?君がいないと世界は存在しないさ」

いつもなんだよ。こんなときばっかり。走っていたら立ち止まって考えろって訴えてきて。立ち止まったら、偉そうに一流の存在感を出しやがる。結局どっちなんだよ。

「そんな態度は思春期のときと同じだな。自分の選択は責任を伴うことを知ってから、さらに臆病になったもんだな。」「お前は何がしたい」

わからない…僕がこうしたいと思えば思うほど、錆びていくんだよ。この思考でうまくいくわけないだろ。

「どうせ周りにも気を遣われてるだろ?爆弾ゲームみたいなもんだな」

やめてくれよ。俺が一番感じるんだ。この表情に出ているだろ?触れるなって。それに触れてくれる人もいる。気を遣って、きてくれるんだ。その優しさに触れるほど、応えたくなる。だからしんどいんだよ。

「何甘えてんだよ。みんな何もない表情で生きてるじゃないかよ。お前の見ていない時に戦ってる人もたくさんいる。おまえだけずるい。そうやって、“弱いから助けてくれ”って言ったもん勝ちじゃん。お前弱くなったな」

わかったよ。やればいいんだろ。ぶっ倒れるまでやればいいんだろ。

「そんな人間弱くないよ。倒れたことない奴が言うのは妄想だよ」

じゃぁどーしたらいいんだよ。

「自分に責任持てよ。自分の思考を強くしていけよ。いつも言うだろ?アウフヘーベンだろ?」

あれはわからないから言い聞かせているんだよ。

「自分が積み上げたと思った妄想から、目を覚ませよ。今の流れのままで」

今の流れのままで……

「それができれば立派な大人になれるんじゃないか。それが三十にして立つなんじゃないか?」


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