見出し画像

好きな映画ができた話

聞かれて困る質問の一つに「好きな映画は?」がある。

映画が嫌いなわけではない。
気になるものがあれば映画館に足を運ぶし、NetflixやAmazonプライムビデオも登録している。金曜ロードショーもチェックする派。

ただ、これだ!という推し映画ははい。

初デートで観に行ったなとか、レイトショーの後に友達と飲み明かしたなとか、思い出が鮮明に残っている作品はあるけれど、それは映画のおまけであって映画に対するものではない。


そんな私にも、ついにアカデミー賞をあげたいくらいの推し映画ができた。

「魔女の宅急便」

今さら???って感じ。なにせ1989年の作品。ほぼ同い年だ。
特別ジブリファンでもないし、夏休みに金曜ロードショーでやるジブリ月間に観るくらいだ。

きっかけはアフリカ滞在中。私の村は電波がなかったので、YouTubeやSNS、ビデオ通話を楽しむことはできなかった。唯一の娯楽が、ダウンロードしておいた映画とドラマ。

電波のあるところに出た時に、NetflixもAmazonプライムビデオも一気にダウンロードして、毎晩コツコツ楽しんでいた。
iPadを買って心からよかったと思った。

Netflixは海外だとジブリ作品が見放題。
せっかくなので、観たことないものや、ストーリーをはっきり思い出せないものを観ることにした。
魔女の宅急便もそのうちの一つ。


魔女の宅急便の主人公、キキは13歳の満月の夜に魔女修行に旅立つ。魔女のいない町を探し、1年間を過ごす、彼女の生活の物語。

期待に胸膨らませて旅だったものの、思うように行かないことの方が多い。
塞ぎ込むキキの姿に自分を重ねてしまった。
キキの3倍近く生きてるくせにな。

それでもキキは人のためにいつでも全力だった。
人の優しさに素直に甘えることができる。
そして何より芯が強い。

トンボを助けるために「飛べ!!」と念じてモップで飛び上がった瞬間には号泣していた。

キキ、えらいよ。あんたは立派な子だよ。

観たことがある人には分かると思う。
心温まるが、そんな号泣する映画ではない。

きっとあの時の私は相当しんどかったんだよなあ。

キキの前向きさと、グーチョキパン屋のオソノさん夫婦の優しさが好きだ。
ついぎになぎら健壱さんのやる、旦那さんのモノマネも好きだ。

「おちこんだりもしたけれど、わたしはげんきです。」


この映画のキャッチコピーは、まさに私のアフリカ生活そのものだった。
何度使わせていただいたか分からない。

カルチャーショックの毎日だし、治安がよくなくてトラブルは多いし、落ち込んでいなかった日を数える方が簡単だ。
当然だけど村に日本人はいないし、電波がないから寂しくてもすぐに連絡が取れない。

だけど実に健康で過ごしていたし、早く帰りたいと口にしながら心の根っこのところでは帰りたくはないと思っていた。

キキのように在りたい。
2回りも下の少女に憧れを抱き、同じような境遇を送る姿に励まされていた。

アフリカ滞在中に3回は観た。
あのシーンだけ…という再生回数も足したら2桁いくと思う。


そんなわけで魔女の宅急便を中心に、アフリカにいる間にジブリ作品はほとんど観た。

だけど実を言うと、ハリーポッター、スターウォーズはちゃんと観ないで来てしまっている。ファンの人には信じられない!と言われる。
シリーズ化すると一気にハードルが高く感じちゃうんだよなあ。

ロードオブザリングもその仲間の1つけれど、おすすめされて、アフリカ滞在中にAmazonプライムビデオで配信されてるシリーズにはすっかりハマってしまった。
いつか映画もちゃんと観よう。


そして今日は金曜日。
金曜ロードショーでは、実写版公開記念でリトルマーメイドを放映中。
アリエルを演じるのがブラックの女性で話題になったこともあり、実写版はちょっと気になっている。

アリエルと王子がなかなかキスしない、あと一歩のもどかしい関係に、これがむずキュン…?と新しい感情を覚えた私です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?