【24日目】ザ・ハント

 こんばんは。卒塔婆スキー銀メダリストです。寒くなってきましたね。
 無職だし「貧困の民よ! 立ち上がれ!」ということで「パラサイト 半地下の家族」や「ジョーカー」からの流れで「ザ・ハント」を観ました。

 正直なところ、この映画はよくわからなかったというのが私の感想です。なぜわからなかったのか。それについて考えてみましょう。
 この映画の要素は、「人間狩り」、「動機の解明」、「反撃」の3つ。まず「人間狩り」から考えていきましょう。古来から貴族は娯楽で動物を殺すのが相場であり、それを人間に置き換えたという点は、誰もが思いつきそうで思いつかなかった、あるいはやりそうでやらなかったため、評価できる点だと思います。主人公だと思い込んでた人がバンバン殺される感じはよかった。
 次に「じゃあ、なんでそんなことをしたのか?」という「動機」の部分ですが、これはネット上で、「セレブたちが人間狩りをしている」という情報を流布した人たちのことが、セレブは憎くて憎くてたまらなかった、というもの。この噂がきっかけでセレブは失脚したわけですが、無職の私から言わせると「セレブのくせにメンタル弱すぎねえ?」と思うわけです。冗談とはいえ、自らが蒔いた種でもあるわけですし。
 先日、カイジを観た際に思ったんですけど、やはり金持ちには隙がないし、貧乏は時の運と自滅する要素があって、現状があるわけです。この映画の脚本はこうした用意周到さがないように感じました。狩られる側はゲームがいきなりスタートしたからいいとして、狩る側のセレブたちの人間性や集まった理由もよくわからない。全員の失業だとしても動機が弱すぎる。
 最後に「反撃」について考えてみましょう。失脚したセレブと狩られる人間の直接対決シーンですが、途中、マンガにありがちな「ハア……お前なかなかやるな」、「お前もな」みたいな場面が挿入されます。このシーンで緊迫感が消し飛びます。結局、このセレブはやはり詰めが甘く(そもそも元軍隊の人間にトレーニングを積んだだけのセレブが勝てるわけねえじゃん)、ここでも負けてしまいます。ラストは勝利の美酒に酔って……って感じでお粗末な伏線回収。

 昨今はU-NEXTはもちろん、スマホで観る映画という文化もあるので、ササッと観るにはいい映画だと思いますが、マンツーマンで向き合って観るのは正直しんどい映画でしたかね。文字もしょんぼり1000文字です。次は名作を観よう。

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