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アナベル〜死霊館の人形〜を観た夜のこと

私はホラー映画が苦手です。
ビデオ屋さんで呪怨のDVDのジャケットを見たことがトラウマで
怪談とかお化け屋敷とかは無理です。行けません。
世にも奇妙な物語がギリです。その他はトイレに行けなくなります。


これはそんな私がアナベル〜死霊館の人形〜を観たときの一連の事件の話です。

あれはまだ私が高校生でアメリカに留学中のことでした。
友達に誘われ、学校終わりに友達の家で恋愛映画を観ることになりました。
楽しみだな。でも、日本語字幕がない映画、ちゃんと理解できるかな?なんて心配していました。

友達とポップコーンの準備をしてソファに座り、いざ映画が始まると何か様子がおかしいのです。
予告がホラー映画しかないではありませんか!恋愛映画と聞いていたのに...
怯えながら「これ、なんの映画...?」と聞くとしれっと「アナベルだよ!」と元気に返されました。混乱です。
さらに私がホラーの中で特に苦手なのが、人形が絡むホラー。なんで!ピンポイントでそこを攻めてくるの!

私は唖然とし、どうすることもできず、「私、隣でずっと喋ってるから!」と言って実況しながら観ることに....
「あれ絶対後ろから来るやつ!!!」「そこ危ないよ...ほらーーー!!!」などと2時間ほどずっと実況していました。

そのせいか、あまり怖くありませんでした。(怖かったけど)
そして、あまり映画の記憶もありませんでした。(怖かったけど)

映画が終わった後、時間ももう遅かったのでホストファミリーの家まで車で送ってもらい、友達とはお別れしました。

あー初めてホラー映画観ちゃったなぁ...怖かったなぁ...と思いつつ、ホストファミリーを起こさないように裏の戸の鍵を開けようと鍵を差し込み....
鍵がまわせない.....急いで抜こうとしましたが、抜けません。血の気が引きました。
戸の鍵は2つ。まだ一つ目なのに....
冷静になって”よし!誰かに連絡しよう!”と思い、iPhoneの電源をいr.....バッテリー切れ..........
チャイムを鳴らしてもホストファミリーは出ません。

まさに八方塞がりのこの状況、時間は午後11時。ホラー映画を見た直後です。
ホストファミリーが飼っている猫が屋根の上から私を見下しています。

何もかも放棄して恐怖に耐えながら体育座りをして、野宿を覚悟して外にいました。その間、猫や犬に「このまま野宿なのかな...?そうしたら私と一緒に寝て....怖いから」などと話しかけていました。今考えるとそっちの方がホラーですね。

2時間ほど、外でそうしていると車の音が!
駆け寄ると、私が苦手なホストペアレンツの娘さんとその彼氏!!!
その時ばかりは天使に見えました。

「こんな時間まで何をしているの!?」怒られました。そりゃそうです。
夜中の1時です。私が彼女の立場だったらそうします。
焦りながらも事の顛末を話し、鍵も取ってもらい、ガレージの開け方まで教えてもらいました。もう同じようなことがあっても私は野宿を覚悟しないで済みます。

家に入り、その夜のことを改めて思い出し、もう今後、何があっても大丈夫だな。アメリカの田舎でホラー映画を観た直後に家に入れなくて連絡も取れなくて2時間過ごした人なんていないんだから....と思いました。

今となってはいい思い出です。ホラー映画も少しだけ観れるようになりました。
IT the end、楽しみですね。ペニーワイズ、怖くないです。驚いたりはするけど。


他にも留学中、ケータイを湖に落とすなど事件はいろいろあったのですが、それはまた別のお話...


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