見出し画像

【最終章】サッカーのダイナミックトレーニング10 〜構造化トレーニングのプレシーズン計画〜

Writer

坂本 圭

坂本さん

●SNS
note:https://note.com/sakamotokei68
Twitter:https://twitter.com/ideailista

・・・・・・・・・・・・

画像12

画像13

画像10


PITTOCK ROOMアドバンスコース詳細はこちらから

・・・・・・・・・・・・



前回、ダイナミックトレーニングのプレシーズンでは「構造化トレーニング」を導入することを説明しました。


今回は、構造化トレーニングをベースとしたプレシーズン計画について書きます。

構造化トレーニングには4つのレベルがあります:

・一般的
・方向付けられた
・特有
・試合形式


よって、ダイナミックトレーニングのプレシーズンは「構造化トレーニング」から始めます。

プレシーズンの後半になると「戦術的ピリオダイゼーション」に「構造化トレーニング」の要素をミックスした通常のダイナミックトレーニングを導入していきます。シーズン中はこのダイナミックトレーニングを継続します。


プレシーズンのトレーニング:

(トレーニングプランの)構成は、1年目の高い試合期か、もしくは2年目の高い試合期かに応じて定義することができる。

「1年目の高い試合期」とは、例えば、高校から大学にプレーをする場所が変わったときの最初のプレシーズンを行う1年生用のプランだと考えてください。

また、監督が変わったりした場合の最初のシーズンも「1年目の高い試合期」のプランが適しています。

新しい環境での最初のプレシーズンは、「1年目の高い試合期」のプランを実行します。

ただ、監督だけが変わって、選手はほとんど変わらず、選手がオフシーズンに積極的休養(一般的、もしくは方向付けられたトレーニング)を実行していたのであれば、「2年目の高い試合期」のプレシーズンのプランで良いと思います。

その環境や、選手の状況によって、柔軟性を持って考えることが必要ですね。


下の図は、プレシーズンの5週間のモデル例になります。

坂本さん10ー1

この図は、あくまでも目安なので、自チームのプレシーズン期間やレベルに適合するように、ボリュームをカスタマイズしなければなりません。

1週目は「準備のサイクル」です。ボリュームは一般的と方向付けられたトレーニングが多くなります。

2週目は「方向付けられた」です。方向付けられたトレーニングと特有が多くなります。試合形式も増えます。一般的は減ります。

3週目は「特有」です。特有が多くなり、試合形式も多くなり、方向付けられたは少し減ります。一般的は更に減ります。

4週目は「競争的」です。試合形式が増え、特有が少し減り、方向付けられたと一般的は更に減ります。

5週目は「維持期」です。維持期は、4つのレベルがバランスよくトレーニングされます。その中でも特有と試合形式のボリュームは多くなります。

上記の図のモデル例をチームのプレシーズンの期間やチームの時期やレベルに合わせてカスタマイズしてください。



下の図は、フランシスコ・セイルーロが提案する「構造化トレーニング」を導入したプレシーズンのモデル例です。「1年目の高い試合期」と「2年目の高い試合期」の2つのプランがあります:

Aプラン:1年目の高い試合期

坂本10ー2

Aプラン:プレシーズンでは、「一般的」と「方向付けられた」要素のみをトレーニングします。

シーズン中は、「方向付けられた」「特有」「試合形式」の要素を、3つ、もしくは4つのサイクルで行います。この場合、「方向付けられた」内容が減少し、「試合形式」が増加します。「特有」はシーズンを通して一定を保ちます。

トレーニング比率はカスタマイズされ、一連のサイクル数は可変です。


Bプラン:2年目の高い試合期

坂本さん10ー3

Bプラン:2年目の高い試合期のプレシーズンでは、「一般的」な要素はほとんどありません。「方向付けられた」のトレーニング要素が完全に支配的になります。

シーズン中、2つのシリーズがあり、リーグ戦の第一ラウンドと第2ラウンドとほぼ一致します。第1シリーズでは「方向付けられた」「特有」と「試合形式」の要素があり、第2シリーズでは「方向付けられた」は消滅します。

「特有」と「試合形式」の要素の比率はシーズンを通して変化しませんが、常に「特有」が「試合形式」の要素よりも多くなります。

いくつか年のプランを無効にし、その後の計画で結果を出すために、カスタマイズされた指標を作り上げる必要があります。

シーズンが終わり積極的休養を実行すると、次のプレシーズンの開始に備えて、いずれの場合も、Aプランは「一般的」、Bプランは「方向付けられた」の要素が姿を表します。

ここで1つフランシスコ・セイルーロの提案するプレシーズンの図では、「一般的」と「方向付けられた」の要素のみを行うとありますが、プレシーズンにおいても、最初に上げた図の通り、4つのレベルのトレーニング(一般的、方向付けられた、特有、試合形式)を、週によってボリュームの配分を考え実行します。

後ほど説明する図を見てもらえれば分かると思いますが、プレシーズンであっても、「特有」と「試合形式」の要素のトレーニングは実行します。

次に、「2年目の高い試合期」のBプランの例を提示していません。2年目は、「一般的」な要素を減らし、「方向付けられた」の要素のトレーニングを増やします。

個人的にBプランを実行する場合は、「1年目の高い試合期」のAプランの一週目(準備サイクル+Aプラン)を実行しないで、2週目から入るとBプランの「2年目の高い試合期」になると思います。

ただ、プレシーズンの最初の3週間はあまりトレーニングの強度を上げない方が良いと思います。これについても後ほど説明します。



3つ目に組織化すること

次にフランシスコ・セイルーロが提案する3つ目に組織化する基準です:

ここから先は

11,441字 / 6画像 / 1ファイル

¥ 290

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?