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『新生』ツエーゲン金沢、開幕

ついにツエーゲン金沢のJ3で迎えた2024シーズンが開幕。
結果だけ先に言えば、0-3の惨敗。
結果そのものは悲観するのは間違いないが、そもそも監督がこのタイミングで交代となり、選手のクオリティは思いの外、昨季のチームから残ったとは言え、攻撃陣でダウングレードは否めない。
そのような中で、今後に繋がるポイントなどを自分なりに考えてみました。


1.開幕スタメン:富山戦からの変化

開幕のスタメンは以下の通り、フォーメーションは4-1-4-1(4-1-2-3)でした。

開幕スターティングメンバー

まずリーグ開幕戦に先立って行われたゴーゴーカレースタジアム(以下、ゴースタ)でのこけら落としマッチのメンバーからは
GKが白井から上田
左サイドバックが長峰から石原
CFがマリソンから杉浦に代わっていました。

まずこのメンバーを見ての感想は
アカデミー育ちのGK上田樹がアカデミー出身としては初スタメン。
彼についてはレンタルされるとほぼレンタルバックのない金沢において、おそらく初めて返ってきた選手という事もあり、かなり感慨深かった。
あとスタメンの大谷とリザーブの豊田含め、3人郷土メンバーが入ってたのも嬉しかったですね。
白井はベンチにも入ってなかったので、まず起用法として伊藤新監督は結構思い切った起用もすることが見えてきました。
左サイドバックの石原起用はまずまず予想もされていましたが、前述の富山戦で偽SBの戦術を取るのを聞いていた為、そこへの適性も考えられての起用かなと考えています。
CFについては個人的な見方ではまだ決定打がいない中でコンディション・総合力を見て杉浦の起用かなって思ってます。

2.試合の総括

試合の見方には、色々あるし、自分もガッツリと見てた訳ではないのでざっとした意見が多めになりますが、前半は沼津が固い入りだったこともあり、いい時間が多く、ボールもキープ出来た。
この辺は昨季途中からボールを持つことも増えたけど、それにも増して意識は高まっていると思います。
ただコンビネーションがまだ不安定で、もう少し時間が必要かなと感じました。

あとはウイングからの崩しがやはりメインなんだけど、どうしてもどちらも個としての打開力が高いタイプではないので、使い方や組み合わせはもう少し模索が必要かなと思います。
雨の中の試合ということもあって、畑尾が前評判よりも足下に不安を感じたりもありましたが、この辺は山本を軸に誰がベストのコンビか、はたまた試合終盤で行った3バックを軸に行くのかなど、こちらも模索が必要かなと思われました。

3.今後の課題

課題1:総合的な守備力問題

後半一番早く交代したのがアンカーに入っていた大山だったり、前述の畑尾の件があったり、守備面の構築というかベース組みは喫緊の課題になるかなと。
プレスがハマっている間は奪えるからいいけど、構えるとまだまだ課題は多い。
3失点そのものがその守備力の結果だとは思わないけど、やはり課題の優先順位としては大きいと思う。
大山の組み立てる力などを考えると、組み合わせとして欲しいものの今の状況ではアンカーでは厳しい部分もあったりする。
3バック・ダブルボランチに変えて行くのも1つのやり方だけど、ウイングが引き下げられたりビルドアップのやり方も考えなきゃいけないので、簡単にはいかない問題かな。

課題2:軸の確立

これは全面的にというより、チームとしてそこをうまく確立させる事で簡単にはやられにくくなりやすいってのが持論にあるから、感じた事だけど。
DFではやはり山本義道かな。
畑尾が精神的にも支柱になるべきだけど、技量や強さなどでは間違いなくノリがやれるかがカギ、3バックになればまた少し意味合いが変わる部分はありますが。
MFでは梶浦、今季も副キャプテンの彼はまさに今季のチームの中心。彼がボールを奪えるから推進力を出せるしストロングポイントになれる。
ただ脇の組み合わせで彼の力を最大限に発揮出来なくなるおそれもある為、ダブルか逆三角形か、この辺も含めうまく組み合わせていきたい所。
そして最大の問題がFWで誰を軸にするか。
杉浦が技術面など一番スキルは高いけど、ツートップならともかく、ワントップ気味のCFでの適性が高い選手とは思ってない。それでも惜しいチャンスを生み出す所はさすがだと思うけど。
単純に高さがあれば良いって話ではなく、外国人2人か土信田あたりで効率良く、ポストワークとゴールに向かう動きやフィニッシュムーブに向かえるプレーを出来る選手が欲しいと思うし、フォーメーションの差し替えでより得点に向かいやすい昨季で言うなら、林・杉浦のコンビみたいな形を見出したい。
この軸が出来る事で相手にとって一番怖いポイントを作れ、そこからの枝葉となるプレーの組みたてが出来ると思うので、ここは見て行きたいポイント。

課題3:コンビネーションの確立

今の新サッカーは2人・3人などのコンビネーションが不可欠。
監督の起用法から多少のメンバーの変化はありそうだが、ベーシックを高めて、誰が組み合わさっても最低限のレベルが高いレベルで繰り返せるようにはなって欲しいかなと思います。

4.希望となるポイント

希望1:新たなサッカーの方向性

フィニッシュ面や守備面など課題こそあれど、やはりベースの戦術があるとは言え、あまりに変化のない同じことの反芻に鬱屈としていた中に、新たなスタイルは可能性も見える。
簡単ではないし、監督の実績から云々言ってくる人も当然いるけど、いい形につなげて行って欲しい。

希望2:GK上田

これは上田ということよりもGKの交代って事が半分入る。
今季も副キャプテンとなったとは言え、白井の存在は新サッカーの足枷になる部分も少なからずあって、彼の能力より上田や山ノ井の方に希望を見出したいと思っていたから、白井のベンチ外は少し望むべきことだった。
白井がベンチ入りしてもいいけど、まずは若い二人を使っていっての適性で見て行って欲しいと思う。
そして上田についても3失点はしたものの、彼が直接の原因になったものはほぼなかったように思える。
キックを中心に細かい部分の改善はもちろん必要ではあるけど、サイズもあり今後を見据えれば上田をしっかり据えて、経験を積んでいって欲しいと思う。

5.今後の観点として

試合中、X(Twitter)を見てると大谷を課題にする話なども見えたけど、大谷も少しづつ出来る事が増えてきてるし、やっぱり彼のスピードは武器になり得る。
先ほど書いたように組み合わせなどの意味合いもあるから、スタメンにはベンチにいた、毛利や高塩を起用するのもありだと思うが、使い方やCFを偽CFとして使うなら、大谷のカットインなんかも攻撃戦術としてはあり。
まだ始まったばかりで、土台を実践を経由して固め高めていっているところ。今季で昇格は最大目標だが、チーム力を高めなきゃ万一上がっても、また降格の繰り返しになるだけ。
しっかりしたチーム力を付ける為にも、選手や監督を信じて、サポーターの皆さんには今しばらく見守って欲しいなと思います。

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