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焦らされた大都会香港|香港マカオ2018 #1

香港は、なんとなく楽しそうだな、というぼんやりしたイメージがあった。バックパッカーのバイブル「深夜特急」の香港編だけを読んでいたからかもしれない。

だから、以前台湾に一緒に行った友人が、

「香港のビクトリアピークに行ったとき、曇っていて夜景が見れなかったから、リベンジがしたい。」

と誘ってきたときホイホイ乗ってみた。他の友人らにも声をかけたが、結局集まったのは、台湾メンバーのときと同じ3人。

2泊4日の短期旅で、行き先は大都会香港。旅慣れた友人らなこともあり、皆が皆、油断していた。

まず最初のしくじりは、1人の友人の衝撃の発言だった。

「ごめん、日付間違えていて、出発日に仕事を入れちゃった。」

・・・え?

香港深夜便 寝られない

1人が仕事のため1日遅れで香港で合流することになり、まずは僕ともう1人で香港入りすることになった。今回珍しく同じ便に乗るため、羽田空港で待ち合わせ。今回は午前1時に出発、午前4時半に現地着という、深夜特急ならぬ深夜便だ。

深夜便なので、現地に着くと同時に元気に歩き回らなければいけないのだが、どうにも寝心地が悪い。LCCということもあり、座席空間が狭いのと飛行機の騒音のせいかもしれない。そのため、ほぼ寝られずに香港に到着したのだった。

到着して間も無く、寝不足の僕は、香港の荒っぽい洗礼をいただくことになる。

暑さと湿気

季節は7月はじめ。日本でも梅雨の季節だが、香港も結構なパンチ力を持っていた。寝不足にはちょいとキツイものがある。

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ただ弱音を吐いてもいられないので、空港から市街地へと向かう。早朝ということもあり、香港エアポートエクスプレスもガラガラだった。

元朗 香港をまだ見ていない

市街地到着後、まずは駅の荷物預かりサービスに荷物を預ける。そして観光なぞしないまま、郊外の元朗(ユンロン)へ。今回の旅の行程は、基本的に友人任せ。友人が香港リベンジをする旅にホイホイ着いてきたからだ。

元朗は香港中心部から30分ほどの郊外の街。路面電車が走り、老舗の店や寺院がたくさん残る地域。大都会香港のイメージとは少し違う、下町的雰囲気のある場所。

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元朗の工事現場では、足場に竹が使われている。これは日本ではなかなか見ない光景だ。友人曰く、こう見えて十分な強度があるようで、世界各地でも使われているらしい。


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そしていきなり元朗に来た理由の一つ。点心のお店。大変美味しい。レトロというか、本当に古い店なので、雰囲気があって大変よろしい。

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そしてせっかく元朗に来たのだから、ということで、観光案内図にしたがって地域の寺院を巡る。

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観光案内図とはいっても、とてもローカル色たっぷりのもので、洗濯物が干された住宅街の間をすり抜け、子どもたちが遊ぶ公園を通り、近所の人が掃除をしている寺を観て回るというもの。面白いし楽しいが、、、

この時点で、僕はまだ大都会香港を観ていない。

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気温も上がり始め、高湿度の中、結構な距離を歩いたので、元朗駅近くの喫茶店でしばし休憩しながら軽く食事。こちらも地元密着型の喫茶店で、テレビがつけられて、謎の中国時代劇が放映されている。日本の時代劇は戦国〜江戸が定番だが、中国の場合はどこになるのだろう?

重慶大厦 インドに行きたい友人

香港中心部に戻り、ようやく大都会香港を目にする。が、「いわゆる看板だらけの道」というイメージを持っていたが、今ではあまり見られないようで、普通の大都会に見えた。確かにあの看板は危ない。

預けていた荷物を回収したのち、Airbnbで予約した「民泊」のオーナーと連絡を取る。香港は宿代がとても高額のため、Airbnbで予約をしたのだ。指定された場所でオーナーと待ち合わせ、マンション(というか雑居ビルというか)の一室に案内された。部屋は古いが綺麗に整えられており、特に困ることはなさそうだ。

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部屋に荷物を置き、休む間もなく友人と向かった先は、重慶大厦(チョンキンマンション)。安宿が入る複合ビルで、「深夜特急」の舞台の一つである。その怪しい雰囲気は今なお健在で、1階はアジア系の方が営む両替所や食事処がひしめいていた。今は無き九龍城がもし今もあれば、こんな感じだったのかもしれない。

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なお、なぜかインド系の方の占める割合が高いようで、友人曰く「あ、なんかインド行きたくなってきた!」とのこと。インドの魔力、恐るべし。

香港のメジャースポット 不発

香港初めての僕のため、友人が行程に入れてくれたスポット。「アベニュー・オブ・スターズ」と「金魚街」に向かう。

アベニュー・オブ・スターズは、ブルース・リーをはじめ、香港映画の有名人の銅像や手形が設置されている公園だ。香港の観光スポットとしてはメジャー中のメジャーなスポット。

工事中。。。

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どうにか、ブルース・リーだけは観ることができたが、逆に言えばブルース・リーしか観られていない。これは、友人に続いて僕も香港リベンジが必要だ。

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もう一つのスポット、金魚街は、その名の通り金魚が売られている場所なわけだが、その理由は風水的に金魚が良いとされているからとか。さすがに旅先で金魚を買うほどワイルドではないので、観るだけにしておくが、一つのところにこれだけ金魚屋が連なっているのは面白い。

そしてこの金魚街の隣には問屋街・屋台通りがあり、雑貨が並んでいる。人がひしめき合った通りは、年末のアメ横のようである。特に買うものもなく、人混みと暑さと湿気で大いにやられているため、早々に退散する。

せっかく行程に入れてくれた友人には悪いが、それぞれ不発。

香港夜景 ○億ドルにはまだ遠い

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蒸気鍋で有名な、潮福蒸気石鍋にて夕食をとる。魚介を蒸気で蒸して食べるもの。東京でも食べたことがあり、それがあまり美味しくなかったのだが、ここで食べたものは大変美味しい。蒸された海鮮と、それらのダシで作られたおこげが香ばしい。

香港の夜のエンターテイメントとして有名なシンフォニーオブライツ。ビクトリアハーバーに並ぶビル群からサーチライトで照らし、音楽に合わせたショーである。香港島と九龍半島の両岸から行われるため、クルーズ船やスターフェリーから観るのがいいらしい。

が、そこで友人の調べにより、某ホテルの屋上駐車場から眺めることができるという情報が。屋上から何にも邪魔されずに光と音のショーが観られるのは、これぞ穴場スポットというものだ。

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・・・正直ショボい。

ライトが一斉に出てくる、エレクトリカルなんちゃら的なものを想像していたが、観るに、ビルの隙間から、ライトがちらっちらっと出てくるのみ。音楽は、はるか地上なのでよく聞こえない。

時間が悪かったのか、音楽が全然聞こえなかったのが悪いのかは分からないが、穴場には穴場の理由があることを知った僕らだった。

香港島と九龍半島を結ぶスターフェリーに乗り、香港島の中環(セントラル)に渡り、有名なバーへ向かう。この日の最後のイベントだ。

バーのある香港島のソーホー地区は、外資系金融や大企業がならぶ地区であり、日本で言うところの銀座・六本木のようなところ。世界中から集まってきたエリートビジネスマンたちによる、眠らない街だ。九龍半島は中国系ばかりなのに、ここソーホー地区は欧米系の人が圧倒的に多い。

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目当てのバー「Quinary」は、入るまでに整理券が必要なほど混雑している。といっても、そこまで敷居の高いものではなく、女性でも安心して入れそうなカジュアルさ。バーテンダーが男女とも活躍しているのが、最高にクールだ。


寝不足の中、暑さと湿気にやられながら歩き回り、ようやく大都会香港を味わった僕は、宿に着くと同時にドロヘドロのように眠る。どうか翌日は、もう1人の友人と合流できるように。


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