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ふつうに永野が、好き。


プチブレイク中?

 Abema TVをみている方は、「最近、永野勢いある?」とお気づきでしょう。過去の記事で何度か言及している「令和ロマンの娯楽がたり」にも出演していました。私は永野さんがふつうに好きです。もう永野=ラッセンのネタではありません。彼の傍若無人ぶり、みなさんどう思われているでしょうか。心からの毒を吐き散らかしているのでしょうか。それとも、メディアで生き残る術なのでしょうか。そして、永野さんの時代は到来するのでしょうか。


衝撃の出会い

 私が永野さんのネタを初めて見たのは「アメトーーク!」の「パクりたい-1グランプリ」。フジモンさんとザキヤマさんが後輩芸人が披露したネタを面白おかしくパクるという企画。この企画は最高に好きでした。フジモンさんとザキヤマさんはほとんどのネタをパクります。でも千鳥だけはパクらない、みたいなお決まりの流れが面白かった記憶があります。特にノブさんは2人に相当遊ばれていましたね。当時は千鳥が完全にブレイクする前。私のなかでは、千鳥は「アメトーーク!」がきっかけでブレイクしたという解釈です。

 話を永野さんに戻します。「ゴッホより、普通に~」のネタ。パクりたい-1グランプリで初めて見たときは衝撃でした。他にも「前すみませんしすぎて、イワシになった人」などで、彼のセンスが大好きに。テレビで見かけたときは素直に「面白いなー」と思っていました。


永野と洋楽

 時は経ち、私は高校生に。テレビで永野さんをみる日は少なくなっていました。というか私自身、テレビ離れが深刻でした。ある日、いつものようにYouTubeを巡回していると、永野チャンネルに出会いました。

 で、その内容。流暢に、しかも思い出話のように、楽しく洋楽を語る永野さん。彼の見解、視点はかなり的を得ているし、すごく説得力があります。しかも、その幅が広すぎる。彼が敬愛するニルヴァーナをはじめとするグランジシーンから、ヒップホップ、ブラックミュージック、パンク、ブリットポップなどなど。想像以上の幅広さ、彼が生きた80~90年代。「オルタナティブ」という言葉が、永野さんを表す言葉として最適だと思います。

 私は洋楽大好きなので、時代の背景やアーティストの内情と、彼の自身の主観を織り交ぜた彼の語りは、とても学びになりました。


永野の時代は来る?(1)

 「令和ロマンの娯楽がたり」では、5年後天下を取る芸人として、永野さんという結論?に。私は彼が天下を取ってほしいとは思いますが、天下をとるとは思いません笑。正確に言うと、ステレオタイプの天下をとる、ではなく、新たな最強の存在のような、ある意味での天下の可能性を秘めているのでは、と思います。

 例えば、有吉さんは、毒舌で再ブレイクし'天下'を取りましたね。でも永野さんが紅白の司会をやる未来は想像できない笑。また、有吉さんは自分のやりたいことというよりは、需要にマッチさせている感じ。ウエストランドはM-1優勝しました。永野さんは、悪口言いまくりで一見似ていそうな井口さんですら否定します。

 永野さんは、音楽だけでなく映画やサブカルに対する知識や理解が素晴らしいです。「娯楽がたり」という番組に永野さんというのは、粋なキャスティングです。役割も抜群。でも永野さんは自分が”1番分かっている”場でこそ最強。自分のフィールドで好き勝手語る番組もしたいのかなと思います。

 「チャンスの時間」の年下お笑い大賞。永野いわく「年下は面白くない」らしいので、永野が年下で笑ったら100万円という企画。この番組での彼のキャラは確立されていますね。理不尽ですが筋が通っています。ワードセンスも素晴らしい。「全力!脱力タイムズ」では失礼なアイドルにキレていました。これらのキャラクターは、彼の本当の姿でしょうか。

 永野さんは、かなり自身を客観的にみれていると思います。毒を吐くキャラクターとして、番組の期待に応えています。ビジネス上のキャラクターです。YouTubeで見せる永野さんの顔は優しく謙虚です。

 そして「おれの世界観は理解されなくていい…」と腐るのではなく、野心がある。しかし、彼は心の底では、本当にアンチテーゼを抱えている部分もあると思います。自身の持つアンチテーゼとそれに反する活躍の矛盾に囚われたカート・コバーンのように。

 半分キャラであり、半分本心。だからこそ、面白い。尖った発言も「それはぶっ飛びすぎ笑」って笑えたり、「なんかわかるかも」と同意させられたり。


永野の時代は来る?(2)

 今回も、令和ロマン・高比良くるまさんが提唱する理論を使用します。

 彼が放つアンチテーゼが刺さる層と、「おっさんが尖った発言してる(笑)」とか楽しむ層。現在の永野さんは、メタとシュールの層がターゲットだといえます。もちろん、彼のネタが好きな人(ベタ)も多いでしょう。

 続いて、お笑い界の構図における立ち位置にも応用してみます。永野さんはメタの代表格でしょう。ただ、お笑い界に提言するとかのメタとは違い、純粋に笑いに向き合っています。ということは、ベタでもある。ただ、永野さんはシュールの最強格の存在でもある。膨大な知識がありつつ、自身の立ち位置を理解している。彼は、メタであり、ベタであり、そしてずば抜けてシュールであるのです。

 ただ、みなさんが想像するのは、メタ的存在としての天下でしょう。永野さんは今、なんでも思ったことを言える最強の存在になりつつあります。彼は”1番わかっている”状態が一番活かされる。そのフェーズに自身を持っていくことに成功していますね。大手やメインシーンを嫌いつつも、大きな野心は持っている。自身がシュールな本質でありながら、ベタの志を持ち、それでいてメタを貫いているのです。

 渦中のダウンタウン・松本さん。「松本人志の笑いがわからないやつは…」のように、彼のセンスについていける人をベタ(マジョリティ)にしました。結果、彼はどの芸人よりも天下でした。「永野の笑いがわからないの?」という意見がベタになることは難しいかも。でも、そうなる必要はありません。

 ステレオ・タイプの天下をとることは難しい。ただ、彼は確実にゲームチェンジャーになります。


今日もありがとうございました。


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