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NOVELAというバンドの奇跡 🧚‍♂️

1980年に関西からとんでもないバンドが
デビューした。

NOVELAだ❗️

彼らのデビュー当時は空前のヘヴィメタルブーム
数多くのバンドがデビューする中で
NOVELAの音楽は間違いなく一線を画していた。

各メンバーの演奏テクニックもさる事ながら
彼らの創造する楽曲はどの曲も独創性に溢れ
それは聴く者の耳を釘付けにし心を射抜いた。

どのヘビィメタルバンドもある意味派手な
ヴィジュアルを重視しお粗末な楽曲しか提供
する事ができていなかったように思う中
NOVELAの独創的な楽曲のキャラクターは
他に類を見ない何とも甘美なボーカル
と相まって最高の作品に仕上がっている。

そう平山照嗣が作る曲を五十嵐久勝が歌う。
これが他の追随を許さないNOVELAの
最高で最強の武器なのだ。

では作品を通して彼らの魅力を紐解いていこう。

第一期

平山照継(ギター、メインソングライター)
五十嵐久勝(ボーカル)
山根基嗣(ギター)
高橋ヨシロウ(ベース)
秋田鋭次郎(ドラムス)
永川敏郎(キーボード)

「魅惑劇」

デビューアルバムにして最高傑作。
前身のバンドから引き継いだ曲も
何曲かあるが再アレンジされより
洗練されたものとなっている。
B面の2曲の大作はジャパニーズプログレハード
の夜明けを感じさせる名曲である。

「イン・ザ・ナイト~星降る夜のおとぎ話~」

ファーストアルバムに引き続き名曲揃い。
随所に散りばめられたアイディアに
平山の才能を垣間見ることができる
特に詩のセンスが素晴らしい。
このアルバムのストーリーに引き込まれてしまう
のは詩の良さが大きな要因となっているといえる
のではないか。
B面の超大作組曲は再現性を無視した
潔さが感じられる。

「パラダイス・ロスト」

森園勝敏(四人囃子)のプロデュースの元
作成された第一期最後のアルバム。
コンパクトな曲をメドレー形式で繋げて
行くという斬新な手法。
どの曲もコンパクトでありながら秀逸な
曲ばかり。
とくに「第三の剣」「奇跡」などは中世を
思わせる壮大でストーリー性のある曲で
これこそ平山の真骨頂。
ただ各人の役割がハッキリしてきたようにも
思え第一期の終焉を思わせる作品でもある。

第二期


平山照継(ギター、メインソングライター)
五十嵐久勝(ボーカル)
永川敏郎(キーボード)
笹井りゅうじ(ベース)
西田竜一(ドラムス)

「サンクチュアリ(聖域) 」

この作品で高橋ヨシロウの呪縛から解放された
平山は自分の中でも燻っていたものを全開に解き
放つことになる。
新たに若手のドラムとベースをメンバーに加え
演奏はさらに研ぎ澄まされたものとなった。
どの曲も幻想的でワクワクする曲ばかりだ。
まさにサンクチュアリの名に相応しいアルバム。
第二期においてようやく平山照継バンド
を開始することができたといえる作品だろう。
気になるのはベースの音。
あそこまでバキバキにする必要は
あったのかと未だに疑問である。
「黎明」はまさに第二期NOVELA の
始まりを感じる曲だ。

「フロム・ザ・ミスティック・ワールド~スーパー・ライヴ・ショウ~」

これまでのNOVELAの歴史の集大成ともいえる
ライブアルバム。
第一期、第二期の曲をバランスよくちりばめ
2曲の書き下ろしの新曲を含めた大傑作。
すごいのは、アンジー(五十嵐久勝)の声が
ライブでも、そのまま出ているという事。
とくに新曲においての爆発的な高音域の声量は
まるでギャオスのよう。
初期の曲は若干少なめではあるが
NOVELAの入門にはちょうど良いかもしれない。
まさに絶頂期の作品である。

第三期


平山照継(ギター、メインソングライター)
笹井りゅうじ(ベース)
宮本敦(ボーカル)
岡本優史(キーボード)
西田竜一(ドラムス)

「ブレイン・オブ・バランス(均衡の脳) 」

第三期のNOVELAはもうNOVELAであってNOVELAでないというのが正直なところ。
五十嵐久勝を失ったのが致命的である。
新メンバーを迎え新たな舟出にといった所だが
泥舟としか思えない。
NOVELAという名のバンドではなくニューウェイヴ
の新たなバンドとして別ユニットで活動してほしかった。
同時期に発売された五十嵐久勝のソロアルバム
「パズル」がニューウェイヴ系のアルバムだった
だけに何故袂を分かったのか未だに不思議である。

「ワーズ」

平山照嗣が一番好きなアルバムと豪語した
作品である。
もう負け惜しみとしか聞こえないのが
何とも悲しい...
作品の質としては決して悪いものではないが
やはりコレはNOVELAではない。
それは近年の平山の活動を見れば火を見るよりも
明らかだ。

近年といってもごく最近の平山照嗣さんは病に
伏されているとお聞きします。
何卒御養生してください。


現在も細々とではあるが
ジャパニーズプログレハード界は存在している。
沸々と燃えたぎるプログレハードの魂達は
全てNOVELAファミリーから派生したもの
と言っても過言ではないだろう。

イエスでもなくキングクリムゾンでもない
日本独特の世界であるプログレハードの世界の
灯火を消してほしくはないものです。

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