教育論ってのも色々あって...

2018年4月26日放送の『直撃!シンソウ坂上』(フジテレビ系)に、戸塚ヨットスクール校長でかねてより「体罰の定義は進歩を目的とした有形力の行使」と体罰容認の姿勢を貫いている戸塚宏氏が直撃ゲストとして出演した。
皆さんは拝見されただろうか。普段、必ずテレビを見ると言う習慣がない僕が、知り得たのはネットから。
「こいつヤバイ」みたいな感じで戸塚氏を取り上げていたため、もっと知りたく思い、番組拝見、ネットにて調べてみた。
 学校教育法には「第十一条 校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない」とあるように現在、体罰は明確に禁じられ、また体罰で好ましい効果が得られないことも調査結果から明らかになっている。
 しかし、テレビ番組などでは未だに体罰の是非を巡る議論がしばしば行われ、「そうは言っても、やっぱり体罰は必要でしょう」との主張が垂れ流される。出演された『直撃!シンソウ坂上』でもそうだった。
前情報として、戸塚氏の情報整理
戸塚宏は大学時代からヨットレースで活躍、太平洋横断ヨットレースでは世界最短記録で優勝。ヨット選手育成施設として戸塚ヨットスクールを開校、参加した登校拒否児童の登校拒否が改善した。当時少年非行が社会問題となっており親からの入校希望が殺到、スクールは問題児で溢れ「問題児矯正施設」とも呼ばれた。教育方針は徹底的なスパルタ式で、指導を聞かないと容赦ない体罰がくだされる。ピーク時は80人の生徒がおり社会復帰していった。 1980年、戸塚ヨットスクールでに入校5日目の生徒が死亡。82年には訓練生2人が行方不明となった。同年、訓練中13歳の少年が死亡。マスコミは暴力・虐待などと非難。戸塚校長は傷害致死などの罪に問われ83年に逮捕。警察は勾留中、傷害致死の立憲を目指すも戸塚氏はは事故での過失致死を主張。調書にはサインせず、一審判決は執行猶予3年懲役3年。二審では最高裁が上告棄却、懲役6年の実刑判決となった。棄却後の会見で犯意はなかったと主張、マスコミに対し「いい加減にしてくれ」と話した。収監されてからも過失致死との主張を曲げず仮釈放も罪を認めなければならないため拒否した。 愛知・美浜町の戸塚ヨットスクールを訪れた。現在訓練生は4人、コーチ7人の体制。入校半年のAさん(19歳)は大学を2週間で退学、内面の問題と考えた親に入校させられた。入校3年のBさん(43歳)は会社経営者の子どもで自堕落になっていたため家族に入校させられた。同じく入校3年めのCさん(27歳)は引きこもり。ほかに学校に通う小学生がいる。3階建てのスクールで女性と小学生は2畳の部屋、男性2人は共同部屋で生活。衣類・腕時計のみが持ち込め、携帯・ゲーム機などは持ち込めない。現在の訓練生について戸塚校長は落ちこぼれと評価。若者に行動力がなくなったとも。 戸塚宏氏のもとにはひきこもり、ニートなどの子供を持つ親からの相談が寄せられている。なお、入学から1年間でかかる費用は324万円で、さらに月額12万円を支払わなければならない。戸塚ヨットスクールは児童相談所、カウンセラー施設をたらい回しなどをされた親にとって最後の拠り所だという。人件費などで経営は火の車のなか、4人の訓練生がいる。 朝6時に起床すると2kmのランニングがあり、ラジオ体操を終えると宿舎に戻る。精神集中のためにヨガを行い、7時に朝食。食後には小学生用のドリルで漢字や計算問題を解き、オカリナの練習。正午の昼食後にヨットの授業がスタート。使用されているのは転覆しやすいよう設計されていて、2時間休みなく扱う。この時は昔のような体罰はなく、戸塚氏は小学生までを対象にしたジュニアハイスクールも力を入れていた。1週間程の短期合宿では共同生活を通して、人間力の養成を目的としている。校長の長女も子息を合宿に参加させていた。戸塚氏は他にも子育てに悩む親や教師を前に講演会も行っていて、「体罰は進歩を目的とした有形力の行使」と語る。
番組内でもひたすらに自論を呈していた。
「(体罰したくても)出来ないじゃない!」「それをマスコミがやったんじゃん」「マスコミが訳もわからずに体罰反対を叫んで、体罰賛成なんて言おうもんならその人間を破滅させていった」「教育というのはいかに子供に不快感を発生させるかでしょ」「不快感で行動するんだから」「その不快感を発生させる方法として叱責とか体罰が非常に有効なのに」「男の愛と女の愛は違うんだ。女性の愛は今なんだ。男の愛は将来なんだ。だからダメな子供を見た時に女の愛は“今かわいそう”で済む。男は“このままでは将来どうなる?”と考える」「子供を甘やかして甘やかしてというのが女の本性やん」「男が体罰しても子供は納得する」「理解なんてせんでもええ!」「自分たちに何ができるんだ!」「響かんでもええ」
むしろここまでしっかりしたこだわりや自論を貫き通す姿勢は、逆に羨ましく思える。
プライドの高さなのか立場の違いなのか。ただ、間違えているのは戸塚氏が自らそうなった訳ではない。結局、スタートは誰しも同じ条件、状況の中で、たまたま戸塚氏を評価する保護者が多く、頼りにされた経験を経て来ているがゆえの今な気がする。
プライドどころの騒ぎではない。そうでないと前に進めなかったのかもしれない。その柱だけで耐えていたのかもしれない。今更立ち直れない状況にあることにすら気付かないくらい判断がつかなくなっているのかな。
被害者-加害者関係であるがゆえに戸塚氏が悪いとしか言えない状況かもしれないが、果たして戸塚氏のみを責めるべき問題なのか。誰が影響を与えたのか、誰が環境を作り出したのか。根本解決をしようとすれば、闇が深そう。
人には色々考え方がある。考えがあるからこそ行動する。目的→方法→行動はセット。
影響は受ける。反響もあるかもしれない。だから人は群れる。でも、他人の生きる/死ぬを下すのは人ではない。
『体罰が認められるべきかどうか』結果体罰となる行為は認められてはいけない。目的や意図があり、何かを伝えたい分かってほしいのであれば、方法手段は色々あり、伝わり方も人によって違う。相手に合わせて、まずは相手を理解し、相手に合った方法の模索からスタートが重要かと。

...と考えるが、これが正解なわけではない。理想論の一つ。押し付けるものではない。

でも、暴力で解決する問題はない。力で無理くり押さえつけても、決して解決したわけではない。なかったことにしただけ。見てないことにしただけ。それは解決じゃない。仕事を放棄するな。

サポートがなんなのかすら理解できていませんが、少しでも誰かのためになる記事を綴り続けられるよう、今後ともコツコツと頑張ります!