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不思議可愛いダンゴウオと仲間たち

"水中撮影で最も好きな季節が冬です。深々と雪が降る日が特に好きで、出港準備をしていると、顔馴染みの漁師さんたちも、『ものずきめ』と言いたげな笑顔で見送ってくれます。"2011年発刊の本書はダンゴウオや仲間たちを紹介し、ダイビングスポットでは無名だった宮城の海を広く紹介した写真集。

個人的には、泳ぎがちょっとぎこちなく、ダイバー間ではアイドル的な存在『ダンゴウオ』に興味があって手にとりました。

さて、そんな本書は宮城県出身、現在も南三陸と函館の海を撮り続ける水中写真家、現地型ダイビングサービスを運営する著者が北海道や本州の沿岸部に生息する海水魚"丸くて赤くて小さくて"と三拍子揃った2頭身のダンゴウオ(と仲間たち)を冬の【一桁の水温に耐え、特殊機材を揃えて撮影した】クオリティ高く、何よりダンゴウオと北の海への愛情溢れる写真集なのですが。

まず、成長してもわずか数センチ、しかも数ミリの幼魚も含めたダンゴウオの多くを正面から、しかも接写ではっきりと【美しく可愛く捉えている写真が多い】のにダンゴウオ自体の魅力はもちろん、撮影時の苦労が伝わってきて唸らされました。

また、一年ほどで短い一生を終える【ダンゴウオの生態、成長過程】も途中にコラムにて、やわらかく、わかりやすく伝えてくれていて。海の生き物たちの様々な知恵、不思議さも知ることが出来て、普段見るけとが出来ない海の豊かさ、楽しさも知ることができました。

ダンゴウオファンはもちろん。クオリティの高い水中写真として、また311前の南三陸の海を記録した写真集としてもオススメ。

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