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止まれない街 ここ東京

チャットモンチーが解散すると知った時、仕事中、キーボードを叩いてた手を止め、高校1年の頃を思い出していた。
「薄い紙で指を切って 赤い赤い血がにじむ」から始まる歌詞の意味はよくわからなかったけど、なにかステキな言葉を聞いている!という気持ちと、えっちゃんの声に惚れ惚れして夢中で聴いていた。

高校生になって初めて買ってもらった携帯で、初めてメアドを交換した友達と、「ハナノユメ」の歌詞を交互に言い合ったりしてた。その友達とは今でも友達で、自分のなかでは、『彼氏彼女の事情』の浅葉くんにとっての有馬くんのような存在だった。

高橋久美子さんが脱退し、2人体制になって初めてのライブは、たしか2011-12のCOUNTDOWN JAPANだったと思うが、そこにも有馬くんと行った。

自分にとって、チャットモンチーは3人。それが完璧だった。
だから、2人になって、チャットモンチーじゃなくなってしまうと思っていた。けど、ステージ上で「満月に吠えろ」と歌い上げるえっちゃんは、とても神々しくて、2人でやっていく決意に溢れたその声で、心配の気持ちは全部ふき飛んだ。あ、2人でも大丈夫なんだ、ちゃんとチャットモンチーだ。こちらの気持ちなんて関係なく、まっすぐに音楽を続ける2人を見て、自分のなかで何かが終わった。

そこから、ぷっつりと聴かなくなった。
たまに新譜をyoutubeで聴くことはあっても、以前のようにCDを買うことは無くなったし、ライブにも行かなくなった。有馬くんともほとんど会わなくなった。自分は東京、彼は名古屋で就職した。

ひさびさにライブで見たのは、昨年のPerfumeとの対バン。(Perfumeのライブは全部行ってるのです)
演奏してたのは、2人体制以降の曲ばかりだったと思う。なにせしばらく聴いてないので、楽曲が分からない。思い出せない。でもよかった。昔の曲をやらないのは、今の自分たちが好きなんだろう。かわるがわる色んな楽器を演奏し、歌ってる姿はとても楽しそうだった。

今年になり、解散の報を知り、久々にチャットモンチーの曲を聴いた。AppleMusicで検索して、「共鳴」というアルバムを聴いた。ええ曲ばっかだなーもっと聴いとけばよかったなーと思いながら順々に曲を聞き、10曲目、「いたちごっこ」で涙が流れた。

鈍感ではいられない街 ここ東京
純粋ではいられない声 私はただ 
うたいたいうたがなくなっていくのが こわいだけなんだよ
止まれない街 ここ東京

先週、久々に高校時代の友人に会った。出張で東京に来たそうだ。
近況、仕事のこと、高校の思い出、面白かった漫画、いろんな話をした。

あの頃に戻ったような感覚がしたけど、自分の知らない彼もそこにいて、過ぎた時間の分だけの変化を感じた。

次はいつ会うだろう。

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