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『嫌われた監督』を読んだ 2021年10月5日(火)

先週土曜日に『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』(鈴木忠平著)を買って、通勤時に読んでいたのを読了。
三冠王・落合博満が中日の監督を務めた八年間を描くノンフィクション。

第1章の川崎憲次郎のパートはさながらミステリー小説仕立てで、名作『教場』(長岡弘樹著)を彷彿とさせる。落合博満が主人公・風間教官のように思えるのだ。

落合博満は選手を緻密に観察しており、感情的なことは発言せず、謎かけのような言葉をわずかに発する。選手は落合の言動に戸惑い、悩み、あるいは意識を変える。

まんま『教場』の風間教官なのだ。

ノンフィクションなので創作はないだろうけど、この著作は『教場』を下敷きにしているんじゃないかと勝手に想像する。
それほど、似ているように思う。
だからと文句を言っているわけでは決してない。
めちゃくちゃ面白くてページを捲る手を止められないくらい夢中で読んだのだ。
もちろん落合博満が魅力ある人物であることもあるし、登場する関わった選手やフロント、スカウトの逸話も面白いのだ。

特に最終章の荒木雅博のパートはラストシーズンを描いていることもあり、胸にくる。
思わず読み終わってから、荒木のヘッドスライディングをYouTubeで検索してしまったくらいである。
この時代のドラゴンズをもっとちゃんと見ておけば良かったな。

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