見出し画像

【オフィス訪問シリーズ】BoConcept“Hygge Office”


“Hygge(ヒュッゲ)”とは

株式会社ボーコンセプト・ジャパン法人事業部HP

BoConceptはデンマークを拠点とする家具メーカーであり、そのオフィスも、デンマーク人のライフスタイルでは欠かせない“Hygge(ヒュッゲ)”という考え方が軸に置かれています。                                                      “Hygge(ヒュッゲ)”という言葉は日本語では「居心地の良い雰囲気」というような意味で、たとえば家族や親しい仲間と美味しい食事を楽しみ、キャンドルのともった暖かい雰囲気の中でくつろぐ、というような暮らし方を指しています。
デンマークは社会保障が充実していることは有名ですが、そのために高い税金(自動車の税金は150%とのこと)がかかったり、緯度が高く冬は早く暗くなってしまうなどの環境から、デンマーク人は外で遊ぶよりも家の中での過ごし方を重視し、そこにお金をかける文化が根付いているそうです。                                 BoConceptはもともと小売メインの家具メーカーさんですが、本拠地での“Hygge”の考え方をワークプレイスにも展開させた自社のオフィス空間において、2020年度に日経ニューオフィス賞にて、「ニューオフィス推進賞」を受賞されています。今回はそのライブオフィスを見学させていただきました。

いざライブオフィスへ

外苑前駅から表参道に向かって歩き、外苑西通りを麻布方面へ下っていくと、徒歩5分ほどでBoConceptの青山ショールームに到着しました。
地下1階、1階がショールームで、ビルの4階がライブオフィスとなっております。
オフィスに到着すると最初に入口付近のバーエリアにご案内され、会社の歴史やオフィスについてプレゼンテーションいただきました。                  バーエリアは休憩スペースの他にも朝礼やその他のミーティング、今回ようなプレゼンテーションなど様々な目的で活用されているそうです。                    ハイカウンターでのコミュニケーションは、話者と聞き手の目線の高さが合うため、対話がしやすくなるよう設計されているとのことです。 

プレゼンテーション時も、対話が弾み和やかな雰囲気で進められました

ライブオフィスのご紹介

オフィスの改修の際には、元々散らばっていた事業部を1カ所に集約するため、コミュニケーションの活性化が命題であり、その解としてできたのが“Hygge Office”なのだそうです。                                  コロナ前から在宅ワークも始めており、2019年に完成したライブオフィスはその中で「コミュニケーションを重視した」オフィスとして、コロナ以降のオフィスの在り方を示す、先進的な事例となっていたのですね。特に気になったポイントをいくつかご紹介します。

執務デスク間にソファ

まず目についたのが、執務デスク間にミーティングテーブルではなく、ソファが配置されているところです。コロナ以降、オフィスでのコミュニケーション活性化の手法が注目され、いわゆる「ルーズファニチャー」をよく目にしますが、執務エリアと少し離れたラウンジエリアのようなところに配置されることが多く、このように執務デスクのすぐ隣に設置されることはあまりありません。

オフィス内部。執務デスク間に大きめのソファが設置されている

これは、スカンジナビアンプロダクトとしての特徴もおそらく関係しているそうです。スカンジナビアのソファはウレタンメインのため、座っても沈み込まずにしっかりしているものが多く、このソファであればリラックスしすぎずに、気軽な打合せがすぐに始められそうな印象でした。

ソファは座っても沈み込まず、ほぼ同じ目線で、しかしリラックスしながら対話できる

ブロックゾーニング

オフィス内に壁を適度に設けることで、見渡せるような「大空間」ではなく、オフィス内に壁を適度に設けることで住宅のような「小空間」が生まれ、ブロックごとにゾーニング(ブロックゾーニング)を行うことで空間としての居心地のよさを追及しています。
より多くの選択肢が与えられると幸福度は上がるといわれているため、明らかに性質が異なる空間を設けたほうが良い、という考えから、できるだけ均一ではない様々な空間を設けているそうです。                            ABW(Activity Baced Working)という考え方にも基づきながら、機能としてだけでなく空間としても様々な設えの場があることで、より働き方の柔軟性を高める効果があると思います。

ブロックゾーニングにより色々な場がつくられ、働く場としての選択肢も広がる

可変性の高い家具

BoConceptの家具の特徴として「可変性の高い家具」が多くラインナップされていることが挙げられます。オフィス内にもありましたが、通常はコンパクトに設置しつつ、必要に応じて広げられるので、空間の有効活用が出来ます。コワーキングスペースなどにもよく使われているのだとか。

必要に応じて大きさを変更できるテーブル。操作も簡単で、運用しやすい

ショールームのご紹介

ライブオフィスと併せて新商品やショールーム展示もご紹介いただきましたので、こちらもいくつかご紹介します。

NAWABARI(BIGとのコラボ)

デンマークの設計事務所BIGとコラボした新商品のNAWABARIは、座り心地もよく、また指向性が高くないため、エントランス什器などにも使いやすそうです。

BIGとのコラボであるNAWABARI

トータルコーディネートのご提案

BoConceptはトータルコーディネートのご提案を得意にしているそうですが、ショールームではスカンジナビアンとメトロポリタンという2つの軸でコーディネートを提案されていました。家具のシリーズも異なるのかと思いきや、同じ家具を用いても演出(ファブリック、小物等)で見せ方を変えているとのこと。
また最近「ジャパンディ」として注目されている、スカンジナビアンと和をかけあわせたコーディネートのご提案もあったり、参考になりそうなコーディネート例がたくさんありました。

スカンジナビアンとメトロポリタンのコーディネート事例

おわりに

ほかにも様々ご紹介したいものはありましたが、今日はここまでとします。また次回!

参考URL:デンマーク外務省デンマーク大使館

PRTIMES ボーコンセプトジャパン 第33回日経ニューオフィス賞にて「ニューオフィス推進賞」を受賞 2020.9.10