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●展覧会・美術館 案内●

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行ってみて良かった美術館・博物館・アートイベントを紹介した記事をまとめます。どうぞ、週末のお出かけのご参考に。
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2020年3月の記事一覧

日常の中の 美しさ と はかなさ ー久門 剛史 − らせんの練習 @豊田市美術館

 日常の中の「何気ないけれど 美しい瞬間」を切り取って精製したような展示で、それが ”いつまでもずっと続く”ような感覚と、ふとした瞬間に崩れる・見えなくなるような”はかなさ”も感じる展示でした。 久門 剛史 − らせんの練習 @豊田市美術館 1) 展示室の空間と光を取り込んだインスタレーション まず印象的だったのは、ひとつひとつ趣の異なる展示室にあわせたインスタレーション。 (豊田市美術館 外観)  建築家・谷口吉生さんによって設計された豊田市美術館。「光の変化のシー

100年の森で 現代アート散歩 ー神宮の杜芸術祝祭 神宮の杜 野外彫刻展「天空海闊」 @明治神宮 内苑

 今、美術館はほとんど閉鎖だし、なにより人混みは避けたいけど… せっかくのぽかぽか陽気、どこか換気の良い場所でお散歩でもできないかな…  そんななか、明治神宮ではじまったのが「神宮の杜芸術祝祭」。今年、明治神宮が創建100年を迎えることを記念して、1年間開催される芸術と文化の祭典です。  ということで、そのなかの展覧会のひとつ、2020年3月20日からはじまった野外彫刻展「天空海闊(てんくうかいかつ)」へ。3月21日にオープンしたばかりの原宿駅の新駅舎を通って、明治神宮へ

「シュルレアリスム」 と 「シュール」の違いって? ーシュルレアリスムと絵画 ーダリ、エルンストと日本の「シュール」 @ポーラ美術館

 「シュールな漫画」とか「シュールな笑い」とか。不可解なものに出会った時に言ってしまう「シュール」という言葉。語源は「シュルレアリスム=超現実主義」だとは思うけど、実際にシュルレアリスムの作品を見ると、その「シュール」とはちょっとニュアンスが違うような…?  ポーラ美術館で開催中の「シュルレアリスムと絵画 ーダリ、エルンストと日本の「シュール」」展は、そんな日本語の「シュール」がどこから生まれてきたのかを紐解いていくような、ちょっと変わった”シュルレアリスム展”でした。

VR作品の持つ可能性と脅威 ー小泉明郎「縛られたプロメテウス」(シアターコモンズ’20) @港区立台場区民センター

 2019年のあいちトリエンナーレで初演された小泉明郎さんのVR作品『縛られたプロメテウス』が、シアターコモンズ’20内のプログラムで都内で上映された。本イベントは3月7日(土)で終了だったため、ネタバレも含めてこの感想を残しておきたいと思った。  小泉明郎さんは「国家・共同体と個人の関係、人間の身体と感情の関係について、現実と虚構を織り交ぜた実験的映像やパフォーマンスで探求している」アーティスト。(あいちトリエンナーレの紹介文より)  そして、2019年の個展「Drea

こんな時だからこそ、技術とアートから「今」を見る。 ーMedia Ambition Tokyo 2020 @SHIBUYA QWS、六本木ヒルズノースタワー

 テクノロジーアートの祭典「Media Ambition Tokyo2020」。昨年までのメイン会場 森タワー52F・東京シティビューから、今年は渋谷スクランブルスクエア15F・ SHIBUYA QWSにメイン会場を移して開催中です。  デジタル・アナログ、様々なメディアをまたいで、”今”の社会、生活の中にある様々な二面性を行き来するような展示でした。 ※ 様々な美術館が休館していますが、本イベントは森タワー52Fの作品を除き、通常通り開催されています。 1) ”データ