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ふるさとの里山を再生させるSDGs活動

さて皆さんは、鹿児島県産の竹100%で作られる「竹紙ストロー」をご存じでしょうか?

今回は、

「竹紙ストローで、ふるさとの里山を再生させよう!」

と日々奮闘されている人物にスポットを当ててみます。

これを手掛けるのは、日置市伊集院町郡にある協業組合ユニカラーの生野忠男さん です。              

●ユニカラーってどんな会社ですか? 

鹿児島県内でもユニカラーのみが可能な厚紙印刷を主体とする、総合印刷会社です。

鹿児島の特産品を代表する、さつま揚げ・黒酢・焼酎などのお土産用のパッケージなども扱っています。

●印刷会社が、何故竹紙ストローの開発を始めたのですか?

2009年に鹿児島県から、荒廃した里山の竹林資源を活かせないかとの要請を受けて、中越パルプ工業さんが竹紙の開発に着手することになり、そこからおよそ2年の年月を経て、ようやく竹パルプ100%の紙を製造する事に成功しました。

その後、中越パルプで様々な竹紙商品を作成したものの思うように商品化まず、そこでユニカラーさんに商品開発のご相談があったのが始まりです。当社としても、脱プラスチックの観点から何かしら地域貢献できないかと考え、試行錯誤の末全国初の「竹紙ストロー」開発の取り組んだのがそもそものきっかけです。

その後「竹紙ストロー」「竹紙ノート」「竹紙便せん」の商品化が実現しました。

●鹿児島と竹の歴史は深いのでしょうか?

竹は18世紀半ば中国から琉球を経由し、薩摩に孟宗竹が持ち込まれ島津の殿様の手元に入り、今の仙巌園から全国に広まることとなりました。

孟宗竹は、鹿児島県の竹の中で最も多く存在する品種と言われています。

ほとんどの皆さんご存じではないでしょうが、鹿児島の竹林面積は全国で1位です。

●鹿児島の竹林はどの様な状況ですか?

放置されたまま荒廃した竹林が増加し、竹は増え続ける一方となっているのが現状です。

この要因のひとつには竹の需要が大幅に減少したこと、竹を伐採する人手の高齢化、さらには竹細工職人の後継者不足といった問題もあります。

こういった管理されない竹林が増えると、強風により竹が倒れ電線を遮断したり、大雨による土砂災害や土砂崩壊などの自然災害を起こすといわれています。

●竹紙原料のストローはどの様にして作られるのでしょうか?

竹紙ができる工程として、竹をチップ状に細かく切削し、そこから取り出した繊維を抽出して竹紙を作ります。

その竹紙を、スパイラル状に層を重ねて加工をすることで、竹紙のストローが完成します。

●生野さんを里山再生へと突き動かすのは、どんな想いからなのでしょうか?

幼少期の頃から、自宅の周りに竹が生えていました。川遊びで竹を切って竿を作り、釣りをしたり、竹の先に針を付けて鰻取りもしました。小学生の頃から剣道を習っていたので、竹刀にも触れていた事や、秋になると祖母の収穫作業の手伝いで竹籠を背負っていた記憶があり、幼い頃から成長する過程で竹は身近な存在でした。

しかし、竹が使用されなくなったことにより、放置竹林が問題となっている中で、こうして問題の解決に向けて、中心となって取り組むことができ、これも何かの縁と感じています。

●皆さんに知って頂くことが今の課題

以前、鹿児島市や日置市ほか、計7市町村の小中学校へ「竹紙ストローとは?」のDVDを無料配布して、子供たちに観てもらうことになりました。

竹は、標高の高いところには生息せず、人々が生活するすぐ近くに生息する身近なものであるということ、またこの動画を通して、次の世代の子供たちが少しでも認知し理解し、里山再生が受け継がれることを、私自身強く願って、引き続き活動していきたいと考えています。

私も竹紙ストローを使ってみましたが、想像していたものとは違い、とにかく「薄くても頑丈で軽い!」印象でした。

口触りがやさしくて、とても使い心地のいいストローでした!

県内のホテルでは「城山ホテル鹿児島」「S CUBE HOTEL by SHIROYAMA」「指宿ロイヤルホテル」「こころの湯」の館内でもご利用いただいています。

●連絡先

社名   協業組合ユニカラー
住所   日置市伊集院町郡2042-39
電話   099-813-7213

現在は下記店舗で販売中
〇日置市観光案内所内 アンテナショップ
〇鹿児島特産品協会1F
〇有楽館
〇ビームス
〇コープ鹿児島 県内19店舗


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