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長年の友達と疎遠になった話(毒吐いてます)



最近、中学校時代の友達(以下A)と些細なことが原因で疎遠になった。

Aと私

 Aと私は、20代前半から30代後半になった現在に至るまで、お互いのライフステージが変わっていく中でも2カ月に1度会うぐらい、ラインはお互い何か話したいことがある時にしょっちゅう送りあう親密な仲だった。つい最近までは。
 
 Aとは中学で同じクラスだった。当時はグループの中の一人といった距離感で、お互い一番仲がいい子はグループ内で他にいた。
 その後別々の高校に進学したことで関わりも途絶えた。Aの連絡先は知っていたがお互い県外に進学していたこともあって大学時代にも会うことはなく、彼女との関わりが再開したのは社会人になってすぐに開かれた同窓会がきっかけだった。
 
 そこで意気投合したことで付き合いが再開し、始めはもう二人別の子も含めた計4人で、次第にAと2人だけで会うことが増えた。Aとは話をしていても本当に楽しく、笑いすぎてお腹が痛いこともしょっちゅうだった。

仲が良かった頃

 30代前半頃からAと私の関係性は、私が所謂彼女の心の「安全基地」になっていたと思う。食べたいものや行きたい所、希望が違ってもなるべく向こうに合わせた。嫁ぎ先の人間や職場の人間に腹を立てれば愚痴を傾聴した。
 普段はお子さんに合わせているだろうし、話を聞くに会社もストレスが多く、せめて私と会っている時ぐらいは羽を伸ばしてほしいと思ったからだ。

 Aも以前はそんな私に対してとても感謝してくれていた。彼女から「心の友」「誰よりも大事な存在」などと言われる度に気恥ずかしさはあったが、嬉しかったし悪い気はしなかった。
 私もまたAには沢山愚痴を聞いてもらったし、お互いに励ましながらやってきた。色んなことを乗り越えてきた戦友のような意識があった。

関係性の変化

 ここからはただの愚痴と悪口なので、気が滅入る方は読み飛ばしていただきたい。
 その後付き合いが長くなるうちに、Aを嫌だなと感じることが増えていった。なにが嫌って、私の個人的な話を全てAの夫や姑に話しそれぞれの見解を伝えてくることが特に嫌だった。

 私だってAやAの家庭のことを、部分的にでも他の誰かに話すことはある。でも、本人の許可なく他人にその人のプライベートをペラペラ話し、挙げ句の果てに「あなたのことを他の人に話したら、他の人はこう言っていたよ。」なんて伝えることはしない。私が、というより多分殆どの人がそうだろうと思う。
 でも、理由はどうあれ私だってAに言わないだけで人に話しているし、嫌な所はきっとお互い様だと思い、彼女に直接苦情を言うことはしなかった。
というか言えなかった。私は友達が少ないので、数少ない長い付き合いの友達を失うのではと怖かったのだ。
でも、今思えばこうした私の弱さがいけなかった。
 
 時が経つにつれて、Aの横着さはどんどんエスカレートしていった。
ここ1~2年は、会っている時でも、自分の愚痴をぶちまけた後はスマホばっかり、インスタを眺めていたり欲しい服などの検索をしたりするようになった。こちらの話の時はスマホに夢中で相槌も返答も無いなんてこともしょっちゅうだった。
 こちらがLINEで何か相談しても、気分次第では切り捨てるか見当違いの説教をしてくる。
一方で自分の愚痴は、「聞いてほしいんだけどいい?」などの何の前置きもなく「クソがー●×▲…」のように本当は相手に投げつけたい汚い言葉で急に投下してくるようになった。
 こんな感じで扱いが軽んじられていると感じるようになると、彼女の嫌な面ばかりが目につきだすことが加速していった。

 人にこんな扱いをしておきながら、Aは自分のことを常識的で正しい人間だと思っているのもまた滑稽だった。同僚や他の友達から非常識な仕打ちを受けて「親しき中にも礼儀ありだよね!?」などと言い出す度に、どの口が言うのかと思っていた。
 
 Aとの関係にヒビが入る数カ月前、私は仕事やプライベートで色々なことが重なったストレスから体調を崩していた。
 そこにAはまた例のごとく自分の夫に対する例の罵詈雑言だけのラインを投下してきた。Aにはこちらの話を聞いてもらっていた(というか直前まで説教されていた)ので体調不良の事情は知っているはずだった。
 投下される合間を縫って、再三「頭が痛い」「ごめん、ちょっと今体がしんどい。」と送っているのにも構わず、ライン投下の手を緩めることは無かった。結局最後に「ごめん、もう寝て。」とだけ送ってきた。罵詈雑言をぶちまけ終えてスッキリしたのだろう。
スクロールしてもスクロールしても、本当は夫に直接投げつけたいだろう汚い言葉が画面いっぱいに続いていた。まるで私が罵詈雑言を浴びているような気持ちになり、頭は更に痛んだ。

 その時気づいたことは、私はAにとって「安全基地」なんかじゃなかった。「安全基地」なんて思い上がりで、ただの「感情のゴミ箱」だったんだな。ということだった。

決壊

 そこからしばらくは変わらない付き合いを続けていたが、「感情のゴミ箱」にされていたことにやっと気づいた私は、コップの水がフチまで溜まりつつあるのを感じていた。Aの発言や挙動の一つ一つがいやに勘に触るようになった。
 その日も、いつもと同じだった。いつものスタバ、変わらない愚痴、変わらない話の内容、一緒にいるのに私の話の時はずっとスマホのスクロール…。いつもと違ったのは、私の家庭の事情に関して彼女のお節介をやんわり断ったことで不興を買ったことだった。これ以上長くなるのもなんなので詳細はぼかしたい。
 最初に私がハッキリ断れなかったことがより事態を悪くした。明らかに乗り気でない私のことを「ダメ!!これ良いものなの!!」と𠮟りつけながら方々にラインを送り始め、勝手に色んな人を巻き込んで話が大きくなった。

 最初にバシッと断らなかった私も悪い。でも私にも言い分はある。この件に関してはAのお節介を警戒して予防線を張っていた。
 でも私の話なんかちゃんと聞いていない彼女には無駄なことだった。あの時スマホでジュエリーなんて見てないでちゃんと聞いてくれていたら、勝手に突っ走って勝手に腹を立てることもなかったのに…と思ってしまう。
 Aはいつもそうだ。良くも悪くも自分の感情に素直な人で、人でも物でも何でも自分が良いと思ったものを勧めてくる。良かったらと言いつつ、彼女が勧めてきたものを私が取り入れないと不機嫌になるのだ。

 自分の感情に素直な人というのは、仲が良かった時はものすごく魅力的に映ったものだった。ただ、一度こじれてしまうと、付き合いづらいことこの上ない。勧めることそのものに関しては100%善意なのがまた厄介だ。言えない自分にもイライラする。

 案の定、後日断りを入れた時に、Aは腹を立てた。「色々言い訳してるけどお節介だったってことでしょ。」「△△さんとこにも、もう話入れちゃったのに。」「もう金輪際この話しないから。」
 私は人の怒りが苦手だ。反射的に丁寧に謝ったがその日はAの怒りは収まらなかった。更に後日少し冷静になったAから自分の発言に対する言い訳のラインが来た。

 でももう私のコップの水は既に溢れてしまった。そもそもお節介を受け入れるのも断るのも私の自由なのに。私だったらまず最初に友達が乗り気でなさそうな点で不快な思いをさせたくなくて、さっと引くけどな。
びっくりするほど気持ちがスーッと冷めていくのを感じた。
 

割れても末に?

 嬉しくないけど、昔からこういうAみたいなジャイアンタイプに好かれる。最初はお互い適度な距離で→次第に私の関わり方が悪くてジャイアン化する。もしくは元々持っていたジャイアン要素を引き出してしまう→こちらの不満が徐々に溜まって、静かに離れる。というパターンが多い。
 私ってもしかして、ジャイアンメーカーなのかもしれない。とこの歳でようやく気付いた。
もうゴミ箱役はごめんだ。
どうせダメになるなら、都度不快な思いをしたときに指摘すれば良かったなぁとも思う。

 色々思うところはあるけれど、やっぱり長年の友達と疎遠になって寂しい。
 「これ好きでしょ?」と言ってわざわざ好物を買って来てくれた時のように、色んな優しさに触れたことを、ふとした時に思い出す。
 
 社会人になって再会した時に気が合ったように、人生のどこかでAとまた楽しくやれる時期が来るかもしれないし来ないかもしれない。割れた末に合うかどうかは分からないけど、今は分かれる時期なのだと思う。





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