【一首一句 その十八】もがなと思ひけるかな

【本日の一首】
君がため惜しからざりし命さへ長くもがなと思ひけるかな(後拾遺和歌集、恋二、669)

(鑑賞)
恋の成就であらためて生命の永続を思う一首。
藤原義孝の歌で仏教徒、21歳の若さで天然痘で病死。
読んだ人のことを考えると胸がいっぱいになりますね。
逢瀬は義孝に生きる希望をもたらし、この歌を詠むことでそれが引き継がれていった、素敵なことだなあと。

【本日の一句】
初桜永遠にもがなと思ひけり

君のエピソードを初桜に置き換えて、永遠に見ていたい、けれども散ってしまう桜の美しさを読んだ句にしてみました、おそまつ。

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