8月6日

朝、久しぶりに家族全員が顔を揃えた。

母が言う。「明後日の晩御飯はあなたに任せていい?」

父が言う。「明日は遅いけど、明後日は早く帰るから、K(家族内での僕のあだ名)の渡したレシピ本のこれが食べたいかな。」

僕は食事を任されたことに内心嬉しく思いながら、「うい」と返事をして、日課のプロテインとEAAを飲む。
母は毎日、僕のために白湯を用意してくれている(尤も、水筒に入れて保温しているので、熱湯と変わらない)。それをシェイカーに入れて、EAAに溶かし柚子湯のようにして飲む。胃腸を落ち着かせた後、チョコ&クッキー味のプロテインと、水溶性食物繊維を牛乳とコーヒーに溶かして飲むのだ。

熱湯柚子湯に非常に時間がかかるので、朝食は一時間かかる。
「水筒じゃなくて、マグカップに入れてくれよ!」と思うこともあるが、前日の夜に用意してくれていること、自分で用意していないことから、負い目も重なって何も言えない。実家暮らしの幸せと弊害の抱き合わせである。
母の嬉しそうな顔を見ていると、幸せの方がちょい勝っているか。
激熱柚子湯を飲みながら、今日の予定を考える。
今日は近場の市民プールで、久しぶりに25mの潜水と、10分間の遊泳を行う。その後、キックボクシングに行き、ファイナンシャルプランナー2級の参考書を買って、昼過ぎからはゲームしながらにじさんじ甲子園のアーカイヴを見つつ酒を飲むという、至福の時間が待っている。

プールは夏休み中、子供連れ(&障碍持ちの子を持つ親)でごった返すから、9時からの開園が8時からになる。
朝早くいき、ガキンチョがいない間にゆったりとした時間を独り占めするつもりでいる。

「今日、原付借りていい?」
「うん」
「母は今日、三線のレッスンに行って、迎えに来るお父さんと買い物に行ってくるね」
「うぇーい」

そんな他愛のない話をして、天気予報を見る。
沖縄は今日も台風で酷いことになっているらしい。行ったことも見たこともないが、綺麗な所だって聞いてるから、台風が全部をぶっ壊した後にまた全て再建していくのだろう。東京のクソボンボンには何一つ身近に思えないから、せめて復興にかかる心がしんどくないようにと思う。

「じゃあ、行ってくるね」
「「いってらっさー」」

僕と父が母を見送る。
午後からはまた家族が集まって、酒飲みながら笑って夕食を囲めるのだろう。
いい年したクソ中年の自分と、クソ中年を心配しつつも会社勤めを全うしつつある両親。
来年には変わる関係性だけど、もうしばらくこんな感じで続いて欲しい。







































































こんな感じのしょーもなく、誰にでもありうる幸せを、2発の爆弾でぶっ壊されたのが今日です。

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