窓を開けよう(みんなでつくる音楽祭in小平2022)
knock knock
嫌だなぁ、誰かが窓を叩いている。
僕はずっと一人で寝ていたいんだ。僕は怠け者である自分を恥じていないんだよ。
knock knock
いくら窓を叩かれたって、僕は寝たふり。カーテンも開けないよ。
なんたって、窓の向こうに面白いものはないからね。
それに引き換えどうだい、ここには枕も毛布もある。他に何が必要だ?
knock knock
あの子もしつこいな。
僕が出てきやしないって、わかってるだろうに。
いつまでだって窓を叩いているといいよ。僕は窓を開けたりしないからね。
knock knock
おや、なんだいこれは。
窓を叩く音だけじゃない。
何か聞こえるな。
knock knock
これは、音楽だ。窓の向こうから音楽が聞こえるよ。
音楽があるっていうなら話が違う。僕はたまらず窓を開けた。
「君ってヤツは、いつだって遅いんだ」
「君が音楽のことを言わないのが悪いんだよ」
「なんだっていいや、行こうぜ」
枕と毛布もいいけれど、たまには窓を開けなきゃね。
怠け者の僕も、音楽ってものは好きなんだ。
それじゃあみんなで音楽祭でも作ってくるよ。
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